訪問日：2021年11月江馬氏下館（えまししもやかた）は岐阜県飛騨市にあった城館です。江馬氏城館跡の一つとして国史跡に指定されています。北飛騨の雄としえ知られる江馬氏が高原郷(飛騨市神岡町)に入ったのは13世紀の中頃と言われています。江馬氏は室町幕府直属の武士であったことが史料か…… more らわかっており，この下館の利用は14世紀には始まったと考えられています。14世紀末から15世紀になると堀や庭園が設けられ発展し現在の姿へとなっていきました。室町時代，戦国時代を通じて勢力を保った江馬氏の権威を示す城館となりましたが16世紀の初頭には堀を埋めこの城館を廃しました。 明確な理由はわかっていないのですが，山城である高原諏訪城は引き続き本城として機能していることから南飛騨より侵攻してきた三木氏（みつきし）等との攻防に備えた機能移転であった可能性はあります。  ◆復元整備がされ見事な展示になっています。◆入口付近の建物にあった西堀の断面。復元された館跡の案内。三方を土塁と土塀で囲まれていたことがわかります。  ◆入口近くに復元された北堀。◆表側に築かれた西堀は最初に会った断面のように上端の幅は4m，深さは3mに及ぶ薬研堀だったそうです。手前から普段使う脇門，奥に客人を通す表門が復元されています。  ◆反対側から見た西堀。◆西側に正面に広がってた門前区画には宿直屋や馬屋がありました。  ◆門前区画の南側には工房区画がありました。◆下館から見る高原諏訪城。  ◆復元された南堀跡。◆復元された主門や土塀正面より見ています。  ◆工法や部材にもこだわり復元されたという格式高い主門。◆客人を迎え入れる場であった会所も復元されています。  ◆主君の日常の住処であった常御殿や対屋，台所が平面展示されています。◆会所の内部には出土物が展示されていました。国産のみならず中国製の陶磁器も出土しています。  ◆会所の内部の様子。◆会所内部の主人の居間。  ◆主人の居間よりは復元され国名勝に指定されている庭園が良く見えるようになっています。スタッフの方が障子を外してくださりました。殿様はこのようにして庭を愛でていたのですね。◆京の文化の影響を取り入れた庭園はまさに権威の象徴。近代に発展した鉱業も廃れ現在では山間の静かな町ですが，当時は北飛騨の文化の中心地として栄えていたことがわかる遺構です。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ close

第439回：江馬氏下館（北飛騨における江馬氏の繁栄を示す城館跡）