尾張 知多大草城  織田長益(有楽斎)の夢、完成を待たず廃城にの詳細

尾張 知多大草城  織田長益(有楽斎)の夢、完成を待たず廃城に
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 尾張 知多大草城  織田長益(有楽斎)の夢、完成を待たず廃城に
概要

尾張 知多大草城 (愛知県知多市大草東屋敷~西屋敷・大草公園) <2022・夏休みのんびりまったり城めぐり①>訪問日:2022年7月24日 投稿日:2022年7月26日梅雨も今度こそ本当に明けたようで(第二次梅雨明け宣言とでもいいましょうか)いよいよ夏が、あの灼熱のアッザムリーダ…… more ーの如き夏がやってくるわけです。子供の頃ってここまで暑くなかったよな~、そもそも熱中症なんてなかったよな・・。‥等といろいろ幼い頃を思い起こすのもこの時期ならではだと思います。うるさがれる代表格のクマゼミですが、彼らの大合唱なしに夏は始まりません。捕虫網(水網)と虫かごを装備しゴム草履で森や川を駆け巡っていた久太郎でございます。早朝からカブトムシとクワガタムシを、午前中はセミとタマムシを狙います。午後からは近くの池や田んぼでアメリカザリガニやゲンゴロウたちと駆け引きと・・。今でもよく夢に出てくる色褪せた光景です。さて、今回は暑いのでヤブ漕ぎ山城はちょっとカンベン で手軽な城めぐり。それでもしっかり城めぐりができるような所を歩いてみました。まずは知多半島、「海が見たいな~」ということで知多大草城からです!城内に設けられた模擬天守(櫓?)、遠目に見ればそれなりの迫力を感じます。朝は9時からの開城ですが、7時30分くらいに着いてしまいました。先に堀や土塁といった遺構を見学しましたが時間が余ってしまいました。ウロウロしていたら管理人の方が気遣ってか8時過ぎに開けてくださいました。「暑いのでどうぞお入りください」、・・優しくされると涙がでますから(この迷惑野郎に)大草城を南方面から眺望します。山の左側(西側)に模擬天守の頭が見えています。・・が、それ以上に右側(東側)の方がピークが高いです。これは曲輪周囲を囲っている土塁がそれだけ高い、ということなのです。大草城の説明版を読むと、遺構の完存度がわかります。江戸時代、尾張藩は大草城跡を知多郡の防御上重要な地として保全。家老の山澄淡路守英龍に大草の地を与えます。城址近くに居を構えた英龍は城址を保全、以後も歴代の山澄氏によって大切にされてきました。水堀に設けられた散策路としての橋がございます。堀端沿いに散策路がつけられ、水面近くの様子まで見学できます。覆いかぶさった木々で昼でも暗がりになっています。水面にはたくさんの鯉が泳いでいました。夏場は虫除け必須!、知らず知らずのうちに蚊に刺されますから(どこでもそうですが)二の丸を囲む水堀は幅も広く結構深そうです。民家の間にも空堀の名残りがよく残っています。散策ルートはかなり整備されていて、城中好きな所へ自由に足を延ばせます。本丸を囲っている高土塁。高さ5mくらいでしょうか。土塁の上は散策コースになっていて歩く事ができます。幅全体的に2mくらいです。かつて隅櫓が構えられる予定だったという二の丸土塁北西部は広くなっています。といことで再び模擬天守のほうへ。実は知多大草城にも五層の天守が建設される予定だったと伝わります。これに先立つこと天正8年(1580)兄・信包は津城に5層天守を、甥の信孝は神戸城を大改修し5層の天守を、同じく甥の信雄も松ヶ島城に5層の天守・・。そして、いよいよ長益の番です。天正9年(1581)大野から大草へ城を移転し、築城に着手。やはり5層の天守をあげる予定で長益の心は踊っていたことでしょう。しかしそこに勃発したのが本能寺の変でした。タイミング悪いっす・・。最上階(といっても2階であるが)は廻縁となっており周囲を見渡せます。知多の海と城下のその向こうには伊勢鈴鹿の山並みも見通せます。本能寺の変によって築城工事は中断、五層天守も「幻」となりなったことは残念でした。それでもその後数年は信雄に仕えここ大草に館を設けて住していた長益でした。小牧・長久手の戦い後、長益は摂津国に移封されたため、大草城は完成を待たず廃城となりました。当時の海岸線はもう少し城の近くまで来ていました。ここに五層の天守があがっていたなら、さぞかし湾内の眺めが良かったことでしょう。しかし実際は天守台さえ構築されることはありませんでした。織田長益は武将としての活躍はありませんが、茶人としては一流(利休高弟の一人)。あまりポジティブなイメージがないので個人的には好きにはなれない人物ですが。特に本能寺の変の時の二条御所での行動(遁走)は信長・信忠のそれと比べたら・・。ま、人それぞれ生き方・輝き方があるものです。潮の香りもかすかに届いてくるここ大草城。むしろ平城である知多大草城をかくも良好に残してこられた山澄氏一族の功績を讃えたいものです。 close

尾張 知多大草城  織田長益(有楽斎)の夢、完成を待たず廃城に
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 知多市の城めぐり
投稿日時 2022-07-27 02:00:06

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