大船:玉縄城,長尾氏史跡,観音様の詳細

大船:玉縄城,長尾氏史跡,観音様
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記事タイトル 大船:玉縄城,長尾氏史跡,観音様
概要

やはり屋外の散策は気分転換になる。昨日の近場散歩に元気づけられて、今日は一挙に都外(他県)に足を延ばす。 ただバスの便などの綿密な計画が必要な所は負荷が高いので、気楽に行ける所にする。候補に上がったのは、小田原北条氏の支城として第一位の玉縄城趾があり(本来なら史跡になっていてもお…… more かしくない)、関東戦国史にあちこちで存在感を示す長尾氏発祥の地がある大船(鎌倉市・横浜市)。趣味にしている山城探訪と武士の史跡、それに大船といえば駅前に屹立する大船観音があるので、仏像巡りもできる(大船観音は再訪となる)。もっとも大船第一の名勝は田谷の洞窟(横浜市)だが、ここはちょっと離れていて、訪れたことがあるので、今回は省略。 東海道線で大船駅に降り立ち、繁盛している反対側の観音側のバスターミナルに向かう。玉縄城趾近くに行くバスは出たばかりで30分待つため、たいした距離でないので南西に向かって歩くことにする。玉縄首塚から住宅街の裏道に入り、トンネルを抜けると、右手に玉縄城主が開山した龍寳寺の門があり、その横にこじんまりした玉縄歴史館がある。無人だが開いていて、箱に200円を入れて中に入る。自分で室内照明をつけると、玉縄城の縄張りの模型や玉縄城の発掘の情報があり、2階は地元の民俗資料が展示してある。玉縄城趾の散策地図が自由に持っていっていいのがありがたい。地元では史跡を目指して整備しているようだ。歴史館(照明を消す)の奥に旧石井家住宅という江戸時代の農家(重要文化財)があり、ここの見学も合わせて200円。さらに奥に寺の本堂があり、本堂脇に玉縄歴代城主北条綱成・繁氏・氏勝の供養塔がある(古い石塔と新しい供養塔)。 Googleマップではこの近くに蕎麦屋があって昼食をあてにしたのが、あいにく今日はやっていなかった。空腹をかかえて、いよいよ玉縄城の縄張りに入る。人家が切れて山にさしかかると冠木門があり、切岸の下の七曲坂という登城路を登る(写真)。登った先の高台は住宅地になっているが、一段高い所に太鼓櫓があったという緑地がある。さらに先に進むと縄張りのほとんどを占めている清泉女学院の敷地に大手門跡説明板がある。ここから城主の館があったという陣屋坂を下り、城下に下り立ってバスに乗って大船駅に戻る。 バスを乗り換えで今度は横浜市側に北上するバスに乗り、小蓋山という所(実は田谷の1つ前)で降りて、Googleマップをたよりに長尾砦跡に向かう。マップ上の場所にはいくら探してもそれらしきものはなく、あきらめて次の御霊神社に向かう先に、長尾砦跡の説明板があった(帰宅後、Googleマップに修正を依頼した)。 この付近の台地を”長尾台”といい、この長尾を名字の地にした鎌倉武士の長尾氏は、その後関東に拡散し、室町時代の関東管領(山内)上杉氏の家宰として、扇谷上杉氏の家宰・太田道灌とともに混乱する関東の安定に骨を折った(一族の1人、長尾景春はむしろ混乱させる側になった)。その遠縁である越後の守護代であった越後長尾氏から長尾景虎こと上杉謙信が輩出される。上杉の跡目を継いだ謙信は関東管領となり、(名目上だが)関東の主に上り詰める。といっても越後の謙信はこの長尾の地とはだいぶ縁遠いのだが、説明板は謙信を長尾氏一番の出世頭として繋がりをアピールしている。 砦は跡形もないが、今でも残っている御霊神社は、その長尾氏の始祖である鎌倉権五郎影政を祀った神社(写真)。しかも境内は長尾氏の居館跡にもなっている(説明板あり)。神社に向かう参道は長いものの、地元の鎮守でしなかないこじんまりした神社で、なにもない境内では小学生の女の子たちが一輪車で遊んでいる。 参道を下って「宮の前」からバスで大船駅に戻り、駅前の大船観音が目指して高台に登る。入り口で拝観料300円払い、さらに上って、高台上に聳える大船観音と対面する(写真)。昭和35年に完成した大船観音は、幼少時から家族の熱海旅行で電車が大船を通るたびに見ていて、駅に近づくにつれ、側面から斜めに突き出た頭部がぬっと出てくるのが不気味だったが、正面から見るお顔は優しさに満ちていてホッとする。 各地にあるこの手の巨大観音は、近くで見るとアラが目立つものだが、大船観音はむしろこのくらい近くで見た方が美しさを実感できる。設計・工事ともにハイレベルだった証拠だ(設計および工事指導は彫刻家の山本豊市氏という)。その意味でも貴重な美観音だ。 結局昼食抜きで3箇所の見学を通したたので、大船駅改札内の駅そばに立寄った。 close

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投稿日時 2022-03-30 02:20:04

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