尾張 水野一色山城  隠れ城みたいな隔絶感がたまらないの詳細

尾張 水野一色山城  隠れ城みたいな隔絶感がたまらない
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 尾張 水野一色山城  隠れ城みたいな隔絶感がたまらない
概要

尾張 水野一色山城 (愛知県瀬戸市川平町・一色山城ケ嶺)訪問日:2022年2月18日今さらではありますが今回の記事から訪城日を書き添えることにいたしました。特に理由はないのですが、いつの頃の記事なのか参考になると思いまして・・。あと、記事にするのであれば訪問からなるべく2週間以内…… more 、いや1ケ月以内かな・・。・・という感じで自分に対して軽いプレッシャーをかける意味もあったりします。(あぶねー・・、2週間以内だなんて自分で自分の首絞めるところでした(-_-;))仕事や家事もございますので、あくまで意識努力の範囲で・・ということです。そうやって逃げ道(搦手口)を作っておくのも大事でございます、城と一緒で・・。さて、今回の訪城は瀬戸市の一色山城とも呼ばれる水野城です。この城跡は寛政年間の村絵図に感応寺の北に「城ガ嶺」とされ描かれた城だということです。従来からその位置が特定されていませんでしたが、近年遺構が確認され判明しました。こちらは一色山の南の麓からの様子です。この一色山は山々に挟まれた狭隘な山の上に築かれました。麓といっても現在は近くに直接関わるような集落もありません。よって山の全体像が写真に納まらないという隠れ城のような山です。実際に遺構のある山頂部は上の写真のもっと奥になります。南口の林道入口(常時閉鎖)「定光寺ほたるの里」看板付近から登ります。車での訪問の場合は駐車する場所がありません。自分は遠回りですが定光寺公園に駐車して折りたたみ自転車で発進!そこから約1.5kmの坂道漕ぎでアプローチしました(既に汗ダックダク)。定光寺ほたるの里看板から県道沿いをを北に登ります(大型車が結構通りますので注意!)。県道に書かれた2つ目の「40」キロ規制表示から左の尾根に取り付きます。そしてすぐ尾根に登りますので、そこから南へ辿っていくのがよいと思います。するとやや平坦な尾根道の眼前に突然壁のような山が現れます。落差約10メートルの大きな切岸は見上げるような土壁のようです。この切岸の上が主郭部になるのですが、ここから取り付くことはできません。法面はかなり切り落とされていて急傾斜となっています。西から回り込んで帯曲輪を経由していくことになるでしょう。主郭部下の斜面の様子ですが、直下から絶壁状に。尾根筋には堀切があってもよさそうですが敢えて大切岸のみでの処理となっています。主郭西側には帯曲輪が取り巻き、主郭へのルートとなっているようです。帯曲輪は主郭部に張り付くように南へ延びています。やや荒れていますがよく削平された主郭部。主郭部内には3つの枡形虎口と馬出し曲輪を備えており一部不明瞭ではあっても、じっくり観察することでかつてのルートが見えてきます。馬出し曲輪と本丸の間には明瞭な堀切を入れています。中央に坂土橋を設け、その両脇は深い堀切となっています。眺望は得られるのですが、遠目の視野となっています。周囲は山々に囲まれているためか、かなり限定される視界。麓付近の様子は把握できそうになく、目線はやや遠方を望みます。具体的には瀬戸市中心地から尾張旭市中心地方面といったところです。山の全体像を納めたいと思い、麓を自転車であちこちポイント探しに走りましたが・・。ついにどこから見てもその姿は確認できません。この隔絶感も魅力的な城でもあります。この城が近年まで不確かな存在だったことも頷けるものです。ある意味それはこの城の築城目的を解き明かすメッセージかもしれません。等高線が水滴のような地形をした尾根山・一色山城ケ嶺です。主郭部は堀切を挟んで本郭と副郭に分かれています。また堀切の北・南にそれぞれ枡形虎口のように折れを伴った虎口を持ちます。副郭南端部にもクランクを効かせた虎口があります。また本郭の東側には櫓台のような高まりと北尾根へ通じる虎口も確認できます。主郭部のラインに対して並行する帯曲輪が緩傾斜の西方面を補強しています。北尾根に対しては堀切にも匹敵する切り落としたような高切岸が見事でした。戦国時代には織田氏の家臣であった磯村左近が居城したと伝わります。城は天文3年(1534)に品野城の松平家重と落合城の戸田家光らに攻められました。左近は感応時の和尚と碁を打っていましたが終わると悠々と出陣。(そこは急ぐ所でしょ・・)迎え撃った「勝負ヶ沢」(菖蒲ヶ沢:現在の余床町)で戦死したと伝えられます。当時のこの周辺部が織田氏と松平氏(或いはその後の今川氏)の接点だったことを想像させます。しかし、現在の遺構を見る限りでは、もう少し時代が下った戦国末期の姿のようにも感じました。一色山城、里山の奥地に忽然と現れる遺構に胸が超高鳴りました。 close

尾張 水野一色山城  隠れ城みたいな隔絶感がたまらない
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 瀬戸市の城めぐり
投稿日時 2022-03-11 01:40:03

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