尾張 桑下城  城跡で固め技を掛けられるの詳細

尾張 桑下城  城跡で固め技を掛けられる
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 尾張 桑下城  城跡で固め技を掛けられる
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尾張 桑下城 (愛知県瀬戸市上品野町桑下島・城根)心弾むお城散策ですが、たまに「心が折れそうになる」時もしばしばあります。それはどうやっても足先さえ踏み入れられないヤブ城跡に来た時。気が萎えてしまい「今日はパス!来たことにして帰ろう!」と思うこともあります。でも・・このヤブの向こ…… more うに何かが待っているかもしれないな・・。その一心が一歩となって後先考えず身を投じていきます。今回はその「何か」を求めて突入した瀬戸品野桑下城の訪問記となります。「城根(ジョウネ)」と呼ばれる手前の小山一帯が桑下城です。麓からの比高は約30メートルといったところです。平山城、というよりは丘城、といった表現の方がしっくり来ます。付近には駐車場がありませんので瀬戸市品野台地域交流センターさんにお借りします。城下の品野川に架かる城前橋。案内版があり品野川沿いに山に登っていくルートがあります。案内板には佐分清親氏作図の縄張図に発掘調査の情報が明示され参考になります。余計なことかもしれませんが、城の見学を希望される方はそれなりの装備が必要。あと、城内の個人所有地の畑へは乗り越えて入ることはできません。低い山ですが内部はかなり荒れていますからかなり覚悟が必要です。まず手袋は必需品、それも枝が入ってこないラバーグローブがお勧めです。シューズはくるぶしから枝や葉っぱの入らないようなスパッツもあるといいです。できればゴーグルも用意したいところです。裸眼、眼鏡の方も目を守ってくれます。これでさらにヘルメットがあれば言うことなし!です。各曲輪の様子はひたすら竹藪、どこまで行っても竹藪・・。方向感覚がなくなります。城の畑地には立ち入りできませんので、西側の谷筋から登攀します。発掘調査後のバリケードがかかっていますので、こちらも侵入は避けたい所。そうなると竹藪切岸を越えていくしか方法はございません。上の写真の場所などはまだ見通しの効く場所。場所によっては藪漕ぎさえできず、身動きがとれなくなります。まさかこんなことろでコブラツイストや卍固めをかけられるとは・・。最高所の最奥部にある本丸と土塁が確認できれば攻略、でしょうか。北東部には土塁の一部が残されています。厚みのある土塁ですが発掘調査のために部分存となっています。桑下城跡は平成16年度と19年度に国道363号線改良工事に伴う事前調査が行われました。道路予定地の限られた調査区でしたが、本丸部分の掘立柱建物や基礎が検出。また土塁や井戸、本丸を囲む東西の薬研堀と北の箱堀構造が確認されました。当時からのものか、薬研堀状が残されています。出土遺物としては和鏡などの金属製品や什器などの木製品、陶磁器製品を検出。現在の城跡は在地領主である長江氏時代のものでなく、今川氏が関与し、改築された時代のものという知見も示されました。本丸周囲の切り立った切岸の下に二の丸が控えます。本丸・二の丸間に唯一通じる虎口には石垣による補強が見られました。ほとんど身動きがとれない中、やっとのことで記録した部分です。発掘調査後は一部は元の状態に戻されて復元されました。しかし調査のため破壊された遺構もあり、復元箇所と混在している状態です。とはいえ、曲輪群等、その多くは良好な遺構が残されています。(侵入不可の場所は距離計にておおよその略測量及び目測をしております)本丸と西曲輪群をつなぐ遺構群。櫓跡と箱堀が存在したようです。このあたりは発掘調査のため一部地形が変化している箇所です。当時からのバリケードが未だ設置されていますが、一部倒れてしまっています。ごめんなさい!、その隙間からちょこっとお邪魔させていただきました。これは天の啓示、ラッキーバリケード、ということでお許しいただきたく思います。登城途中から品野集落中央部への眺望が望めます。応仁の乱東軍にて与して敗れた長江民部利景が美濃今須から尾張落合城へ移り、後に桑下城を築いて移ったといわれています。文明14年(1482)利景は今村城主の松原広長と戦端を開き、☞阿弥陀ヶ峰城に陣取ります。これに対し松原広長勢は勢呼山から安戸坂に陣して応戦。大槙山・若狭ケ洞一帯で激戦が繰り広げられ、長江氏らが勝利を得ました。この後、長江景則・景隆と続くも、今川氏の後押しによる松平氏に属した模様。享禄2年(1529)には今川方の品野城主・松平家重の家臣・長井氏として在城しました。永禄3年(1560)桶狭間の戦い前後には織田信長の品野城攻めで、攻防が繰り広げられました。この時、品野三城と呼ばれる品野城、桑下城、落合城は落城しました。振り向けば品野城が頭上に。桑下城跡の南側で集落を挟んだ向かい側に品野城跡があります。桑下城は平時の館城、品野城は緊急時の詰め城であったのでは、との見方もあります。両城でもって中馬街道の封鎖・監視ができ、同時期の機能説は十分考えられましょう。期間限定ですが、御城印が発行されています。現地の写真を見せればいただけます(無料)。御城印配布場所:瀬戸市文化センター(瀬戸市西茨町113-3)御城印配布期間:2021年10月1日~2022年3月31日品野台地域交流センターさんに駐車、歩いて5分ほどで桑下城の入口へ。城前橋の袂に案内表示があります。害虫の多い夏場は避けて冬場の見学がいいと思います。 close

尾張 桑下城  城跡で固め技を掛けられる
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 瀬戸市の城めぐり
投稿日時 2022-02-16 00:40:41

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