信貴山城 [1/4] 河内と大和の国境に築かれた広大な中世山城の詳細

信貴山城 [1/4] 河内と大和の国境に築かれた広大な中世山城
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記事タイトル 信貴山城 [1/4] 河内と大和の国境に築かれた広大な中世山城
概要

信貴山城跡は、奈良と大阪の間にそびえる生駒山地の南部に位置する信貴山頂(標高433m)に築かれた中世山城跡で、松永久秀が信長に反旗を翻した際に籠もった城として知られる。山頂の北側には切岸と土塁で囲まれた巨大な削平地が造成され、かつて重要な屋敷群が建ち並んでいたと思われる。また信貴…… more 山中腹には張り子の虎で有名な朝護孫子寺があり、参道やハイキングコースとして登山道やケーブルカーが整備されており、アクセスは良い。 <基本データ>●名称:信貴山城 (しぎさんじょう)●所在:奈良県生駒郡平群町 (地図)●城主:木沢長政、松永久秀●築城:天文五年(1536)●遺構:土塁、堀切、切岸、虎口、石積●時間:5時間(10:50-15:50)※縦走(奈良側登山口〜高安山駅)●参考:戎光祥出版「近畿の城郭I」 訪問時期:2021年12月信貴山城 訪問記 − 其の一、二、三、四。 信貴山城跡 <訪問記> 信貴山城跡のある信貴山は生駒山地の奈良側(東側)に位置し、尾根沿いの大阪側(西側)にそびえる高安山には、古代山城の高安城(たかやすのき)跡と中世山城としての高安城跡もある。今回は奈良側から登って信貴山・高安山を通り抜けて大阪側へと縦走する、3つの城跡を一気に楽しめるルートを通ってみた。 信貴山城跡は、奈良と大阪の境にそびえる生駒山地の「信貴山(しぎさん)」山頂にある。生駒山地は、東の生駒側は比較的緩やかで、逆の西の大阪側は急斜面であり、信貴山城跡や(同じ生駒山地に位置する)飯盛城も東側に大手があったと思われる。登山する場合も東側からがアクセスが良い。こちらは近鉄・信貴山下駅から徒歩20分ほどに位置する信貴山登山口。かつてここにあったケーブルカーの軌道跡が整備され登山ルートとなっている。かつて運営されていた東信貴鋼索線(ケーブルカー)跡の説明板。右端の近鉄の駅から、山を貫いて山上にある朝護孫子寺へ「まっすぐ」伸びている。廃線後、宅地の点線部分は車道となり、山地の直線部分は登山道となった。戦前に信貴山の東西に作られたケーブルカーは、東側(奈良側)が昭和58年に廃線となったが、西側(大阪側)は今も営業中。帰りはそれに乗って帰ろう。このまっすぐに伸びる登山道!かつてココにケーブルカーが昭和の終わりまで走っていた。ちなみにこの右側は大きく窪んでおり、ケーブルカーを通すためにこのあたりを盛土したのだろうか?などと考えながらひたすら歩く。約700m、20分ほど登っていくと、かつての信貴山駅前へ到着。正面の道の奥にかつての駅舎と思われる休憩所があった。自販機等もここにあるので水分等入手できる。登山道を上がった先にあった信貴山マップ。広大!一番上の6番「空鉢護法堂」が、信貴山城跡主郭跡とされる最高点に建つお堂。ここから仁王門、大寅、本堂、多宝塔を経て、山頂を目指す。途中に垣間見えた信貴山城跡。左奥に見える山頂が主郭跡か。その右側の少し高いところは出城的な「雌岳」か。その下に見える屋根は本堂。しばらくは朝護孫子寺の広大な境内を進んでいく。本堂に近づくに連れ、「信貴山城跡」の案内も出てくる。城跡へは本堂の手前の坂道を上がるのだが、本堂から奈良側の素晴らしい眺望が見えるので参拝がてら見に行った。本堂は昭和に漏電事故で焼失・再建されたものだが、焼失前の建物は豊臣秀頼公が建てたものだったとか。信貴山城跡へはここを曲がる。右の道を真っすぐ行った先が本堂。見逃さないようにしよう。本堂へ向かう道の途中には多宝塔が建つ。ここを回り込んで奥へ。右から回っても左から回っても同じ道に合流する。多宝塔の奥からは一気に急斜面をつづら折れの参道となる。100mぐらいの高度を一気に登る感じ。つづら折れの道をあがりきると、尾根筋へ。ここから城跡の案内が始まる。多宝塔から尾根筋へ上がったところに建つ信貴山城 説明板。詳細な縄張図が嬉しい!信貴山城は山頂の雄嶽、少し低いピークの雌嶽、そして広大な削平地が築かれた北尾根地区の3つに分かれ、強烈な切岸や土塁で囲まれた奈良県最大級の中世山城となる。説明板に掲載された縄張図。ここから左へ行けば雌嶽の出城のような場所へ。右へ行けばピークの雄嶽へ。更にその奥には最大の見所である土塁と切岸で囲まれた屋敷群跡へ。まずは雌嶽、出城的な南の曲輪を見に行ってみよう。尾根上にかなり細長い削平地が構築されている。曲輪の側面はかなり急斜面となっており、削平の際に人工的に急斜面化されたように感じられた。ここから直接あがってくるのは無理。そして南曲輪の南端部には、空堀と土塁で囲まれた虎口のような構造が見られる。雌嶽の南端に残る、土塁と空堀による折り曲げられた虎口。南曲輪の側面には、石積みがあったような痕跡も。うーん。では雌嶽から再び尾根筋へ戻り、参道を通って雄嶽へ向かう。石階段に沿って登っていくと直接 雄嶽の頂上にある空鉢堂へ到着する。ここは最頂部ということもあり主郭跡とも言われるが、その周囲にも帯曲輪的な遺構が残るのでそれらを見ながらぐるぐると回り込んで上がってみよう。この石鳥居脇の「二丁」の標石を右へ。帯曲輪のような空間を通って奥へ。先端部が広く四角く削平されている。先端部は四角く削平されている。今は木々が生い茂っているが、南側を見張るのに良い場所でもあるので当時は伐採され、ここから見張りの櫓などが建っていたかもしれない。四角い削平地から更に北へ向かう。細い城内路が続く。一段あがると、土塁と切岸で囲まれた細い帯曲輪状の場所へ。ただ左側には近代の建物の残骸が積まれており、朝護孫子寺か空鉢堂に関する建物として造成された可能性もある。ちょうど先程の四角い削平地の一段上にあたる。先の場所を真っ直ぐ進むと、空鉢堂への参道へ再び合流する。参道を登って雄嶽を目指す。 >> 信貴山城 [2/4] へ続く。<< 訪問時期:2021年12月撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm ページの一番上に戻る close

信貴山城 [1/4] 河内と大和の国境に築かれた広大な中世山城
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城
投稿日時 2022-02-01 14:40:02

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