尾張　野府城　（愛知県一宮市開明城堀・城屋敷）突然ですが・・織田信長の兄弟といえば皆さんの頭の中には誰が浮かびますでしょうか？兄・信長に何度も謀反を企て誅殺された実弟・勘十郎信勝（信行）でしょうか。織田家の人質となっていた松平竹千代（徳川家康）と人質交換で送還された庶兄・信広でし…… more ょうか。または浅井三姉妹を養育したとされる三十郎信包でしょうか。（実際は信次らしいですけど）え？まさかの有楽斎長益？・・こりゃ一本取られました・・。それから忘れてはならないのが「戦国一の美女」とされるお市の方ですね。今回ここで取り上げるのは信長の五番目の弟（諸説あり）、とされる異母弟・九郎信治その人です。奥方：「知らな～い（無関心）」、・・でしょうね・・。信治に関する足取りはあまり多くは残っていません。元亀元年（1570）9月19日未明、浅井・朝倉連合軍と宇佐山城下にて激戦を繰り広げました。宇佐山城を預かっていた森可成らと共に近江坂本で戦います（宇佐山城の戦い）。しかし浅井・朝倉連合軍の勢い凄まじく、衆寡敵せず可成らと共に戦死を遂げました。控えめ・お利巧さんタイプが多いの兄弟の中にあって激情肌だったのかもしれません。そんな信治が尾張で居城としていたのが野府城です。開明小学校内の校門近くに立つ城址石碑と説明版。 城は現在の開明小学校一帯に築かれていました。遺構はありません。西には「杁西郭」の字名もあり、西に城が広がっていたと思われます。石碑自体は古くからある年代モノ。小学校の歴史と共に。さて、件の九郎・信治ですが、NHK大河ドラマ『信長』（1992）では大抜擢されていました。約３分にも及ぶ迫力ある合戦シーンも異例（製作費がモノをいっていた時代でした）。これは後にも先にもなかったことで個人的には非常に嬉しかったス！ 俳優・神田雄次さん演じる織田信治は血気にはやる信治役を見事に演じていました。「御屋形様（兄・信長）はワシのことなど忘れておられる！」「勇ましく戦い死んでこの世に信治いたことを思い出させる！」森可成の制止・諫言を振り切って浅井・朝倉連合軍に突撃を敢行します（ドラマの話ですよ）。そして、天に向かって抜刀！「この世に信治ありしこと天に告げる！つづけぇ～～～！！」自分：「うぉぉ、九郎かっこええ～」と当時大学生だった自分、大興奮。因みに神田さんは『武田信玄』（1988大河ドラマ）では今川氏真役でこれまたハマリ役でした。あの、くどいようですがドラマの話ですからね・・。懐かしい、小学校にまだいるんですね、二宮尊徳像。シンボルツリーさん、これからも児童と城跡を見守ってください。さて、その織田信治ですが、本当に信長から忘れられていたのかというと違います。むしろ逆、数多い連枝衆のなかでも将来を見込まれた兄弟の一人、といってよいでしょう。何故なら、重臣・森可成の指南・補佐を受ける形で要衝・宇佐山城に派遣されたことが何よりの証。信長は能力重視主義のみで家臣を抜擢していったように見受けられがちです。しかし子息・一族にもちゃんと仕事を与え、応えた者には実力相当の権限を与えていきました。信忠・信雄・信孝ら息子たちにも単なるお飾りにならないように気を遣っていました。やはり一族の中からも信頼し政道を任せられる人物を必要としたことが窺えます。それが証拠に謀殺した弟・信勝の子・津田信澄であっても抜擢を行っています。信治もきっと・・、そんな兄者・信長の期待に応えたかったのではないでしょうか。大丈夫ですよ、信治ありしこと、自分は忘れていませんから（しみじみ）。奥方：「あの・・浸っている所ゴメン、なんか・・忘れてない？」自分：「３時のおやつですよね、（くっ！）忘れてるわけないじゃないですかぁ～。 close

尾張　野府城　 信治さん、私はあなたを忘れない！