広城 : 紀伊国守護 畠山氏の室町中期の本拠地の詳細

広城 : 紀伊国守護 畠山氏の室町中期の本拠地
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記事タイトル 広城 : 紀伊国守護 畠山氏の室町中期の本拠地
概要

広城(ひろじょう)は紀伊国守護職を叙任された畠山基国が応永八年(1401)に築かれたと伝わる。初め大野城へ入城し、その後ここ広城を築いた。16世紀前半に近隣の豪族だった亀山城の湯川氏、平須賀城の野辺氏らに攻められ落城したという。城はみかん畑になっている標高135mの高城山に築かれ…… more 、西のピークと東のピークにそれぞれ築かれていたというが、西のピークはみかん畑となり遺構は失われている。みかん畑の奥にある東のピークには切岸・堀切などが明瞭に残っている。守護畠山氏の居城は大野城(14世紀)→広城(15世紀)→鳥屋城(16世紀)と時代ごとに変遷していく。 <基本データ>●名称:紀伊 広城 (ひろじょう)●所在:和歌山県有賀郡湯浅町 (地図)●城主:畠山基国●築城:15世紀頃●遺構:曲輪、堀切、土塁、石積●時間:1時間半 (11:00-12:30)●参考:戎光祥出版「戦国和歌山の群雄と城館」 訪問時期:2017年2月 <訪問記> 紀伊国守護 畠山氏の居城だった広城跡は、現在はみかん農園のある高城山の山頂に位置する。みかん農園へ向かうための車両が通る舗装道が整備されている。そこをあがっていく。ちなみに軽トラがギリギリ1台通れる程度の幅しかなく、みかん農園の車が行き来するため、下から歩いて上がろう。正面山の上に少し見えるタワーのような建物がある場所が、ちょうど西の城と東の城の中間点に位置する。あれを目指して登っていく。約15分ほど舗装道をひたすら登り、先程はるか先に見えたタワーのある建物下に到着。広城は2つのピークにそれぞれ主要部を持つ構造になっており、それぞれ「東の城」「西の城」と呼ばれている。今いる場所はその中間地点にあたり、両者を結ぶ重要な場所だったと考えられている。奥に見えている小山が「東の城」。西の城は後ろにある。「西の城」は、タワーの場所から振り返った先にある石積の山(みかん畑)あたりと言われている。果樹園化により主要部の遺構は残されていないようだ。資料には、斜面には幾つか遺構が麓まで続くとあったが、一帯はみかん農園、斜面側も写真にあるとおり柵で覆われており居りられないため、西の城の散策は断念した。先のタワーのある建物の奥に進むと、みかん農園になる。奥に見えている小山が「東の城」にあたる。思いっきりみかん農園なので入るのを躊躇していると、たまたま農園の方がおられたので、話を聞いた。奥の山に行くには農園の周りを囲んでいる柵を越えないといけないとのこと。ご厚意で越えられる場所まで案内いただいた。感謝!柵を越える鉄のドア。農園の方に開けて頂き、柵の外へ。柵の外へ。農園の中と異なり、まったく整備はされていない。柵の外側に沿って山を目指す。東の城に張り付いた。周囲をグルっと回っていると、スロープ状の場所を発見。ここから上にあがる。というかここ以外は草ぼうぼうでとても上がれそうにない。スロープの中身。ここだけ木々がなく、上に登れるようになっていた。スロープを通って城内へ。土塁の切れ目(虎口)から中に入る。現地に図面が無いので分かりづらいが、東の城は中央に高台を持ち、その左右に曲輪を配置する構造で、曲輪の周囲にはそれぞれ土塁が設けられている。高台の奥にはクランク状に折れ曲がる堀切が折れ曲がる虎口のようになっているという。こちらは入ってきた曲輪の外周部に設けられた土塁。中央部の高台。切岸がしっかり形成され、人工的に盛り上げられている。高台と下の曲輪との間は直角に近い切岸が今も残っている。高台の上から、広城の最大の特徴と言われるクランク状の堀切を見下ろす。確かにゴリッと掘り込まれているのが分かる。降りてしっかり見てみよう。逆L字に曲がるクランク状の堀切。奥の曲輪側は土塁になっている。岩盤をくり抜いたような形跡も見られるクランク上の堀切。左側の急切岸の上が先程の高台。高台下の堀切を下から見上げる。箱掘になっているようで、逆L字に曲がっていることから城道(折れ曲がる虎口)としての役割もあったかと考えたが、この先は竪堀に落ち込んでおり、左右どちらの曲輪にも到達できなかった。逆L字クランク堀切の下から。やはりこの両側の壁を見せながら中を通したい。斜面の道がわからなくなっただけで、やはりここを通すルートがあったものと思いたい。逆L字クランク堀切を曲輪側から。別角度でもう1枚。高台の方は岩盤のようで、くり抜いた跡が生々しい。L字に曲がっている角から堀切と高台上を見る。逆L字クランク堀切。すばらしい。お腹いっぱい。さて逆L字堀切をめちゃくちゃ堪能したところで、奥を散策しよう。分厚目の土塁がしっかり作られている。土塁の上から。3mほどある分厚さだ。土塁の上に建物があったとしてもおかしくないほど。土塁の隅っこはさらに太くなっていた。櫓台かも。櫓台跡の土塁の下は急斜面になっている。この先にも幾つか尾根沿いに堀切があるそうなので、降りて見に行ってみよう。急斜面の下に施された大堀切。反対側から。右側が先程居た櫓台の土塁。かなりの急角度・高さで、無理やり登って攻め上がるのは難しそうだ。更にここにはもう1本堀切がある。細尾根をグリっとくりぬいた第2堀切。広城 東の城の東端に位置する第2堀切。付近を散策していると石積跡らしき痕跡も発見。崩落防止のための石積か。木々の隙間から眺望。比高120m、山地の先端に位置し、湯浅の平野部を一望できる立地にある。下山中に「東の城」を見上げる。城の直下は果樹園の段々畑になっているが、直接あがることは難しい。車道に沿ってタワーの建物を目指そう。 訪問時期:2017年2月撮影機器:FUJIFILM X-T10 + XF14mm ページの一番上に戻る close

広城 : 紀伊国守護 畠山氏の室町中期の本拠地
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城
投稿日時 2021-11-12 14:40:04

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