越前　東郷槇山城　（福井県福井市安原町・栃泉町・南山町一帯・城山）東郷侍従・長谷川秀一公の旧蹟を巡って　その②前回より長谷川秀一公の旧蹟めぐりをしております。さて、福井市内より足羽川沿いに一乗谷を目指す途中の事。それまでの一面の平野部からしだいに両脇の山々を感じてきます。一乗谷へ…… more の入り口を固める、さながら仁王像のような成願寺城と東郷槇山城です。東より眺める槇山の城山、東郷槇山城です。 林道にて山頂近くの駐車場まで行けますがゲートのセルフ開閉が必要です。二の丸曲輪全体が舗装され公園駐車場となっています。奥にはお手洗いもあり。二の丸駐車場からは西側の眺めがいいです。「天守閣跡」と表示された本丸・城台へと続く階段を登っていきます。城台にて石瓦を用いた建物があったと推定されています。ですが「天守郭」とする伝えはややオーバーな気もしますね。生活空間を兼ねた館風御殿などは普請されたことでしょう。山頂の城台部には広い曲輪が広がっています。適度に間伐され手入れされているので風通りがよく気持ちよかったです。その木々の隙間から麓の様子もよく見えます。下段にはいくつかの曲輪があり全体的に曲輪で構成された城であることがわかります。こちらには「長谷川秀一公碑」が鎮座しております。天正12年（1584）豊臣秀吉は長谷川秀一に東郷の地を与えました。秀一は城郭を再築城し、槇山城には城下町が形成され発展しました。秀一の病死後は北庄城の丹羽長秀の第2子・丹羽長昌が城主となります。尾張の長谷川邸といい秀一公を慕う石碑はどれも大きくて立派ですね～(*´～｀*)。城台より福井市街地方面を眺めます。槇山城の北対面にあるのが成願寺城。同じく一乗谷の入り口を守っています。城の歴史・沿革と図面を説明版よりアップしてみました。15世紀前半頃、朝倉氏3代当主・朝倉正景が、一条家の荘園である東郷荘を預けられ築城。朝倉氏宗家が一乗谷を本拠地に移してからはその出城的位置づけとして整備されました。本能寺の変の後、長谷川秀一が近江・肥田城から赴任したものと思われます。山頂部の北東部尾根にも塁段による曲輪群が残存しています。曲輪群で構成された分、全体的に切岸は高く鋭い傾斜をつけています。千畳敷にある大土塁は表から見ると一見、植え込みに見えます。しかし、その裏手に回ってみるととても分厚い土塁であることが判明しました。千畳敷から仰ぎ見る大土塁。土塁の後ろには堀切となっています。一乗谷方面に向かっている堀切だけあって深くて幅があるようです。よ～く目を凝らしてみてごらん・・なんとなく「槙島城跡」と彫られた石碑は・・。・・読めません！(´･_･`)一部は林道付きの駐車場と化した槇山城ですが、むしろ保護されているようです。本来の山の自然を生かした植栽や散策路の整備は評価される公園化事業だと感じました。残すべき遺構はしっかり残って見学・散策しやすくなっています。美しい用水路が通う城下の街並み。長谷川氏時代に整備されたとされる城下町の名残が残っています。錦鯉が悠然と行き交う姿にとても癒されました。素晴らしい城下町には奇麗な水との上手な付き合い方があるようですね。 close

越前　東郷槇山城　 長谷川秀一越前赴任の城