美濃 釜屋大洞城  高田氏発見による東農山岡地内の新城の詳細

美濃 釜屋大洞城  高田氏発見による東農山岡地内の新城
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 釜屋大洞城  高田氏発見による東農山岡地内の新城
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美濃 釜屋大洞城 (岐阜県恵那市山岡町山岡釜屋大洞)八月になりました。とにかく暑いですね‥((;'∀'))。「こんな暑いのに城へ行くメリットってなんなの?」と奥方。チャンスであります。ここで夏の山城の魅力を上手く説明できれば・・。しかし論破はタブー、長年の経験、答え方一つ間違えれ…… more ば悪印象になりかねません。「そりゃ・・メリットとかデメリットとかそんなレベルの話でなくてね、城っつうのは・・?」話の途中で既に関心はなくなっているようでした・・ぷす~ん(沈)|ω・`)・・。今回訪問したのは恵那市山岡町地内に新たに発見された釜屋大洞城です。この城址は高田徹氏によって発見され発表された新城郭です。これまでも数々の論文などで東農地方の中世城郭研究をしてこられた高田氏。『中世城郭研究』 第34号 (2020年11月 新刊)より「岐阜県恵那市山岡町釜屋所在の新規発見城郭について 統合型地図情報システム「ひなた GIS」の活用から」 を是非読んでいただけると幸いです。刊行から半年を経てそろそろ皆さんもご存知かと思います。氏は地図情報システム「ひなた GIS」にてその独特な地形から城跡の存在に着目。現地踏査の上、未発見城郭として発表されました。まさに衝撃的ニュースでした。麓の北東側引地地区から眺めた釜屋大洞城。南背後の林道から尾根を下る方がわかりやすいかもしれません。林道には何も目印はありませんので説明できません。ただ写真のように道が大きくカーブしているのはここぐらい。邪魔にならないよう路肩に駐車もできます。(末尾に国土地理院地形図を添付)尾根道は堀底のようになっていたり・・。土橋みたいになっていたりして当時の軍事道の名残りもあるのかもしれません。聞き取りではこの引地集落から明智町の大泉へ通じる峠道が存在していたようです。他にも山岡町内から明智町内へ通じる道はあちらこちらにあったそうです。こういった交通面での集落間のつながりが山中に残っているということですね。下っていくとまず最初に片側(東側)に堀切が伸びているのがわかります。この堀切は谷鞍部を緩やかに伸ばし横堀として城域を画しているようです。およそ30メートルにわたって土塁と並走しています。堀の上を倒木が折れずに横たわっています。いかに幅がある堀かわかると思います。写真の左側は掻き揚げ土による土塁となっています。さらに進み土塁を超えると、高低差のある堀切が現れます。堀切の両端部はそれぞれ竪堀となり落とされています。この竪堀は八ノ字型に落とされており、・・ということは。一目で「武田流だな・・」と思わせます。(自信はありませんが)竪堀となって伸びている様子。堀切を超えたらそこから内枡形虎口を経由して主郭部へ。釜屋城の本丸部に相当する曲輪に到達しました。広く奥行きがある空間がひろがり、削平具合もしっかりしています。曲輪内部は2段(或いは3段)に分けられ側面の腰曲輪へと連絡します。曲輪全体が周囲から鋭く切上げられ切り立っているよう。切り立つ主郭部を一段下の北曲輪から見上げてみます。その北曲輪はさらに切り立った場所となっています。城山の広い頂部を活かした普請で派生する北西尾根にも遺構がみられます。おそらくこの方面が麓からの登城ルートとなっていたのでしょう。背後の堀切をしっかり掘りつつ、明智方面からの兵站確保にも意識が感じられます。切岸を高くすることで主郭部への導線を限定しているよう。西方面の虎口は西の櫓台のような曲輪直下でしょうか。あちこちに備えを散らさないコンパクトな縄張となっています。釜屋大洞城を原地区の麓、八王子神社から見上げた所です。こうしてみると城山自体にはそれほど要害性を感じるものではありません。遠目からはどこが城なのかわからないほどの山。かと言って奥まった山でもありません。集落からも近くに位置しておりこのような城が地元でも伝えがなかったのも不思議・・。故に城はおそらく短期間のうちに機能を終えてしまったとも想像できます。すぐ近くの釜屋城との連携で成り立っていたと思われます。明知城からの東農地方中心部への中継地点、そんな性格も伺えそうです。こうして新たな城が発見され発表されることで解明されていくことも多いと思います。ハイテクと現地調査を合わせることで今後も全国で新たな城が発見されることでしょう。暗闇に一つずつ灯る明かりがやがて全体を灯してくれるようになればいいですね。 close

美濃 釜屋大洞城  高田氏発見による東農山岡地内の新城
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 恵那市の城めぐり
投稿日時 2021-08-04 01:40:05

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