美濃 舟野城  その小船は美濃飛騨国境に停泊中の詳細

 美濃 舟野城  その小船は美濃飛騨国境に停泊中
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル  美濃 舟野城  その小船は美濃飛騨国境に停泊中
概要

美濃 舟野城 (岐阜県下呂市金山町戸部舟野・城山)梅雨明けした途端にこの暑さ・・、マジでもう耐えられません。昼から(実は朝から)体が活動拒否する根性なしです・・。でもこんな暑い中に山城めぐりするのもどうかしてる?(実際の訪問は5月末です)デザートと一緒です、「城」は別腹。はい、先…… more へいきましょう。・・さて・・、今回の「美濃舟野城」表題ですが不審に思われた方も見えると思います。現在の行政区域から見れば岐阜県下呂市に編入された金山町は飛騨益田郡。よって「飛騨・舟野城」じゃないの?と、ご指摘を受けるかもしれません。・・なんですが、城が築かれ廃城になるまでの当時ここは美濃の郡上郡戸部村でした。歴史的にも交通面・文化風習に関しても郡上郡との関りが深い地域です。よって当ブログでは「当時は美濃・舟野城」として掲載しお伝えいたしたい、と思います。馬瀬川対岸の沓部谷合集落から見上げる舟野城の城山です。馬瀬川が大きく湾曲し、川に突き出した山頂に構えられました。和良方面と金山方面の中間地に位置しており両方面に眺望が効きます。城はこの川筋街道の監視を意識して築城されたものでしょう。南の舟野集落には城址碑と説明版があります。国道256号線沿い、ちょうどKYB金山工場さん正門前あたりになります。ちょっとスピードを出していると気づかずに通り過ぎてしまいそう・・。ここから城山へも登頂できます。入山の際は一声掛けておくとよいでしょう。北の麓、打尾集落からの斜面直登コースもございます。この石碑が目印。現在城山麓周囲は獣除けフェンスや落石防止フェンスが設置されています。個人様の土地でございますのでむやみに超えて入山することはできません。できれば住民の方に一声かけて許可をいただけるといいと思います。尾根にたどり着くとあとは稜線に沿って頂上を目指します。頂上の手前(東側)の堀切がクッキリと飛び込んできます。斜面に降りて脇から覗き込んだ堀切の様子。尾根をざっくりと掘り込み、残土を土塁にあてた様子がよく観察できます。こちらは堀底の様子。主郭部側が3~4メートルほど高くなっています。堀切の写真ばかりですみません、が、一番の見どころはここでしょう。主郭部は2段に分けられ、こじんまりとしたスペースが感じられます。曲輪の北に立つ城址石碑、「田口蟹沢氏の砦跡」・・ひっそりと立つ・・、そんな表現がピッタリだと思いました。これは打尾集落の細江氏が建てた石碑です。郡上八幡の遠藤慶隆によって砦が落とされたと伝わる、と記されています。もう少し細かく。天正2年(1574)夏のことです。加治田城主・斎藤新五郎は郡上郡に兵を進めた模様です。(理由は不明)遠藤慶隆は粥川・餌取らの家臣と共に金山方面に出陣します。舟野城に籠った新五郎の家臣の田口氏と蟹江氏は抗戦するも戦死したようです。一方、「新撰美濃志」では田口・蟹江の両氏が遠藤但馬守慶隆の従士、とあり矛盾します。田口・蟹江両氏が在地土豪だったのかどうかもはっきりしていません。聞き取り調査でもこの両説共にはっきりしていません。打尾集落側には戦後、遠藤慶隆が残党兵の主だった将を処断したという「首切り場」の地名が残っているようです。石碑付近から真下の腰曲輪を見下ろします。かなりの傾斜切岸です。こちらは西側のやや広い幅となった腰曲輪の様子。北東方面に降りていくと未整形ながら広い尾根が曲輪のように広がっています。東の堀切は堀底から導線を周囲に回しています。南側の窪地から主郭内部に入るような虎口状の跡がみられます。また西側端部にも出入口のような跡が伺え、中途な堀切状の遺構も確認できます。全体的に途上段階を思わせるような臨時的な縄張に感じられます。それでも主郭部周囲は高い切岸を設けて防塁の体は構えられています。頂上付近は尾根前後にも比較的削平された空間があります。この未整形空間は兵の駐屯施設がおかれた形跡でしょうか。しかし立て籠もるにはいささか物足りない砦のように感じるのは否めません。物見台としては馬瀬川に突き出した地形で実によい位置を取っているようです。現在は杉林で眺望が得られないのですが手入れをされた見通しのよい林です。とても自然豊かな馬瀬川沿いの風景です。サギのヒナだと思います。おそらくもう巣立ちを迎える頃なのでしょう。3匹ほど確認できます。最初は大きかった舟であったような巣ももう手狭で落っこちそうです。飛び立つ準備をしつつ親の帰りを待っている姿が微笑ましく感じました。 close

 美濃 舟野城  その小船は美濃飛騨国境に停泊中
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 益田郡金山町の城めぐり
投稿日時 2021-07-23 15:40:05

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