美濃 椎倉城  本丸直下に神秘的な天水池が煌めくの詳細

美濃 椎倉城  本丸直下に神秘的な天水池が煌めく
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 椎倉城  本丸直下に神秘的な天水池が煌めく
概要

美濃 椎倉城 (志津野城) (岐阜県関市志津野・椎倉山)昨今、知名度のある城は現地の案内板や書籍等でも詳しく紹介されています。地元の有志の方々によって定期的に整備されている城もよく見かけます。遠い昔から大切にされてきた城館なのだな~と優しい気持ちになります。その一方で訪れる人もな…… more く人知れずひっそりと眠っているような城が大半でありまして。では大切にされていないのか?となると必ずしもそうでもないわけでございまして。曲輪は荒れ、登城ルートは消えかかってもそこに「城の記憶」は根付いているものです。そこに山城をいとおしむ痕跡が感じられれば救いがある、自分はそう思っています。今回訪れた関市の山城、椎倉城もそんな痕跡を感じた山城でした。小さな小さな山城ですが、なかなか醍醐味があります(あくまで個人的意見ですが・・)。椎倉山をしぐら坂トンネルの南から見上げます。椎倉城(しぐらじょう)は志津野城とも呼ばれています。「美濃明細記」によれば池田勝三郎信輝の居城とされ天文11年の築城といいます。池田恒興と同一人物なのかその築城年代共に疑問とされています。実際の恒興といえば生まれていたにせよまだ元服前の童ですし・・。こういった伝えは同じ関市・十六所砦の森長可在城伝等と重なるのですが・・。信憑性はないものと思っています(そこにロマンはありますがね)。トンネルを抜け北口の脇に車を路駐。ここから峠に向かいます。椎倉山は北の志津野集落からも南の塔ノ洞集落からも山容が見ずらいです。集落との関りが薄く峠道のみが足下を通る位置にあります。おそらく街道監視や関城に関する繋ぎの城なのかもしれません。位置的には小野城、加治田城、関城との中間点に位置しているように見受けられます。椎倉峠のやや南の斜面脇から登る道があります。トンネルが開通する以前はこの峠道が使われていたのでしょう。切通しとなった道の東側から尾根へ伝うことができます。ちょっと勇気が要りますが尾根に出てしまえば後は東へ辿るだけ。頂上手前には「双子岩」と書かれた巨岩もあって目を引きます。双子岩付近からは南方・関城方面の眺望が開けるポイントもあります。急坂を登り切ると目の前に主郭部の高切岸が現れます。いよいよです。切岸の手前には坂土橋を設けて堀切としています。この堀切の面白い所は坂土橋の南部分を掘り切らず逆に堤を築いて池としている所です。(;゜0゜)山上近くにこれだけの雨水を溜めることができることに驚き。堀底にたまり積もった落ち葉がなければなお深さがあるようです。水が地下に抜けない仕組みはどうなっているのか??興味深々。掘ったら露天風呂でもできるんじゃないのだろうか?(それは違う温泉地の話じゃ!)。露天風呂池と堀切から一段上がれば頂上の本丸部にあがります。山岳ファンの方が設置されたと思われる標板あり!嬉しいですね!以前訪問した時はなかったので何か嬉しい気持ちになりました(*^_^*)。それはこの山と城址が誰かに見守られている、と感じるからです。ほんの一握りの方々だけかも知れませんが、その存在が意識されているということ。東尾根からは曲輪下から迂回するような虎口も見学できます。ちょっとした工夫ですが尾根から直に曲輪に進入できないルートです。ルートに対して横矢掛けができる仕組みも垣間見えます(下の図面に示します)。近くではお隣の加治田城でも見られる手法です。(加治田城とは直線で4kmほど)椎倉城の作図面です。本丸は二段となり下段から土橋へとつながります。東尾根には堀切を設けずに土橋状に残した細尾根で処理をしています。そこからスロープ状のルートから本丸虎口へと導線がつながっているようです。ぽっかりと口を空けたような天水池が目を引きますね。東尾根上にはここにも「双子岩」が存在します。おてんばな少年少女の方はよじ登るのもいいと思います(但し気を付けて)。ちなみに自分は登ってみて関城の位置を確かめてみましたよ。ここから東へ尾根を辿れば「伝・青ノ木の城址」へと続きます。今回はここまででですが「青ノ木城」に関しましては後日記事にしますね。椎倉峠にて通行の安全を見守ってきたお地蔵様にお礼を述べます。電気やガスの恩恵を受けている現代の私達は普段から山に入ることはありません。通行に大変だった峠道もトンネルが開通すればわざわざ越えることも無くなりました。そうしてとかく便利さや効率さを求めていく中に取り残された山城や遺跡も多いものです。しかし完全に忘れられたわけではない、と感じます。このお地蔵様もそうです。我々ににそこまでの気配りが回らなくなってしまった、というのが正解なのでしょう。たとえ踏み址でも道は残り、有志による標記が掲げられ、お地蔵は何かを語り掛けます。当ブログも微力ながらそんなしるべとなればいいな・・。そう思うこの頃なのです。 close

美濃 椎倉城  本丸直下に神秘的な天水池が煌めく
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 関市の城めぐり
投稿日時 2021-06-20 02:20:03

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