美濃 吹ヶ洞砦  支城か?陣城か?大森城と相対する砦の詳細

美濃 吹ヶ洞砦  支城か?陣城か?大森城と相対する砦
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 吹ヶ洞砦  支城か?陣城か?大森城と相対する砦
概要

美濃 吹ヶ洞砦 (岐阜県可児市大森吹ヶ洞・城の段)今回は前回の記事、大森城の続編扱いになると思います。大森城と大森川を挟んで相対している城、吹ヶ洞砦に登ってみました。大森城には行ってもこちらの砦まではなかなか足を運べないのが現状だと思います。10年程前に登城録ありなのですが、先日…… more のゴールデンウイークに再度登城してみました。当時から相当のブッシュでヤブ漕ぎどころかヤブ枷(かせ)で身動きがとれない所もあります。泣くのを通り越して薄ら笑いしながら(不気味・・)作図した日が蘇ります・・。・・ということで写真は撮っても自分でも意味不明。自分でもわからないものがよそ様に伝わる訳がありゃしません。それでも少しは伝わるのかな・・そんなショットだけを厳選。でもね、この砦の構造はちょっと異例で実に味わい深いのです。大森城の対面、城の段と呼ばれる吹ヶ洞砦。大森城の案内BOXの中に吹ヶ洞砦の説明も付記されていますのでチェックです。今回は新設された二野大森トンネル手前階段から登ってみました。本来なら吹ヶ洞砦は西の麓から道がまっすぐのびて簡単に登れます。・・なんですが、どうしても個人宅の生活区域をまたいでしまうため遠慮しました。訪問の際には付近の方への配慮が必要です。ということで二野大森トンネルのある東側から登ってみました。草木が刈られた西側は(ここだけ)横堀の様子がよく観察できます。主郭部入口にあたる土橋からは竪堀が落とされます。麓周辺から広見口を見渡せます。写真左の山に大森城が見おろせます。大森城との直線距離は約500メートル。地元では大森城主・奧村元広の第二の城と伝わっています。その構造は大森城の遺構と類似しており、2城でもって街道を封鎖できる位置にあります。【1】その一方で以前は奧村氏の旧居城ではなかったか(大森古城説)。【2】奧村大森城を攻めた際の森氏(或いは他勢力)の陣城ではないか(陣城説)。【3】奧村大森城落城後の森氏普請ではないか(森氏築城説)。等のいろんな説・考察もあります。【1】説は大森城よりもこちらのほうが在地支配に適しなおかつ高所を占めているからです。【2】【3】説の根拠となっているのが主郭東側にひろがる微整形空間の捉え方です。ほぼ五角形に画された曲輪とそれに沿って横堀が廻る主郭部。それに対してほぼ手付かずの微整形空間が広がる東曲輪部が対照的。横堀や土塁、竪堀、桝形虎口が構築された西の曲輪が主郭でしょう。内部はやや不整形ですが外郭ラインははっきりとられています。周囲を横堀で囲いこんでいる様子は大森城のそれと酷似しています。西の主郭部と東の微整形部とでは遺構の出来具合に差異がみられます。2部構成になっており、東曲輪部は構築未完成、臨時的構築を匂わせています。東と南の尾根の出入り口に土塁で虎口や外郭を構えようとした意図も感じられます。(図面では〇で囲んでみました)その空間は広くとられ駐屯性を意識したもの。陣城説はその広さに対して未普請が目立つ点から考えられたものでしょう。西曲輪と東曲輪との連結部にはこれといった遺構はみられません。因みに東曲輪は特にヤブ化しており、視界不良、よって写真はムリ・・(汗(-_-;))。高く切上げられた主郭部の切岸。一直線に伸びる(約30メートル)主郭部北東部の横堀はかなり明瞭。曲輪角部には横堀から竪堀の遮断意識がはたらいている。もちろん軍事的緊張があったうえでの普請なので構築物優先順位は当然あります。緊張が解ければ普請もその時点で中止となるでしょう。そんな当時の必死さや慌ただしさが伝わってきそうな吹ヶ洞砦です。こちらの砦は先述したように麓からの見た目とは裏腹に内部は酷いヤブ山です。見学希望の際は周囲への配慮はもちろんですが、完全装備で臨んで欲しいものです。長袖に足首までのシューズ、手袋マスク、ゴーグル装着もやり過ぎではありません。それから家族に方に叱られないよう捨てても構わない服装をお勧めします・・。下山後、靴にはダニ、袖には樹液、帽子には不明の糞が付着してました・・(泣)このまま帰ったらきっと奥方から城禁止令が発令されたことでしょう・・(冷汗(・_・;)でも自分は農作業用エプロンをして登り、これが実に正解でした‥ハハハ・・。危ない危ない・・。そっちの対策も忘れずに。それでも・・見学する価値は充分ある(声が小さいぞ)、吹ヶ洞砦でした! close

美濃 吹ヶ洞砦  支城か?陣城か?大森城と相対する砦
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 可児市の城めぐり
投稿日時 2021-05-09 00:40:18

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