彦根城(滋賀県彦根市) 2020年8月 登城の詳細

彦根城(滋賀県彦根市) 2020年8月 登城
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記事タイトル 彦根城(滋賀県彦根市) 2020年8月 登城
概要

井伊家30万石 の彦根城。国宝に指定されている天守を始め、櫓,石垣,堀と城全体がとてもよく残っています。珍しい登り石垣もあり、お城ファンなら行って絶対損はしません。ひこにゃんも待ってますよ。 日本100名城 満足度:★★★★★    歴史 交通アクセス …… more 城歩き(佐和口から天守まで) 城歩き(西の丸から山崎曲輪まで) 城歩き(山崎曲輪から京橋口まで) 感想 本日のひこにゃん   歴史 徳川四天王の井伊直政は関ケ原の合戦の戦功により近江18万石を賜り、子の直継は1603年から新城の築城にとりかかりました。これは徳川家康の大坂の豊臣包囲網の一環であり、天下普請により築かれました。 天守は2年余りで完成しましたが、最終的な城の完成は1622年でなんと20年近くかかりました。その後も井伊家14代の居城となり明治維新を迎えました。幕末の大老の井伊直弼は有名ですよね。   交通アクセス 行きやすさ:★★★★★ JR彦根駅から徒歩15分。ほぼ直線なので迷うことはないと思います。   城歩き(佐和口から天守まで) 彦根城は、彦根山に本丸・太鼓丸・鐘の丸・西の丸を配し、山麓の平地部には二の丸や水掘を設けました。まずは佐和口から表門橋を渡り、鐘の丸・太鼓丸経由で天守を目指します。 佐和口多聞櫓 向かって左は現存の佐和口多聞櫓で、枡形に沿うように多聞櫓が折れ曲がっています。右は1960年(昭和35年)に復元されたもので、現在は開国記念館として活用されています。   馬屋 地味な建物ですが、実は全国でも珍しい現存する馬屋です。しかも重要文化財。   表門橋 表門橋を渡って天守に向かうと、表御門は枡形になっています。橋の横にはひこにゃんの本日の登場時間が掲示されており親切。     登り石垣 登り石垣は、山麓から山上に向けて登るように縦方向に築かれた石垣です。敵の斜面の横移動を阻止するもので、竪堀と同じ役割を果たします。豊臣秀吉の朝鮮出兵時の倭城で誕生し、国内では松山城や米子城にも設けられています。彦根城では他にも4箇所に築かれていおり、石垣マニアは大興奮です。   彦根城博物館 (表御殿) 1987年(昭和62年)に明治初めまで存在した表御殿が彦根城博物館として復元されました。表御殿の奥には藩主が住み、表では藩士が政務を行いました。   本丸への登城道 この石段を上って本丸を目指します。暑いね。   天秤櫓と大堀切 太鼓丸と鐘の丸の間には巨大な堀切が設けられていて、山麓から上ってきた敵はその堀底を通らざるを得ません。そこを両曲輪から集中攻撃するわけですね。   鐘の丸入口 本丸には、鐘の丸経由で廊下橋を渡って太鼓丸へ進む必要があります。鐘の丸への入口はここしかなく、もちろん枡形になっています。   廊下橋と天秤櫓 当時の廊下橋には屋根と壁がついていました。また、天秤櫓は門の両脇に2階櫓がありますが、よく見ると棟の方向が異なっています。長浜城から移築されたと伝えられており、なんともロマンですな。   天秤櫓裏 天秤櫓を裏から見るとコの字型になっていました。櫓内にも入れるようなので入ってみましょう。   天秤櫓内部 櫓内部は広々としています。梁に使われている木材がうねってますな。 内壁 大堀切側の壁の真ん中から下側は、防弾のため2重に造られています。その厚さはなんと30センチを超えるとか。すげーな。 太鼓門続櫓 太鼓門の続櫓が見えてきました。まだ上りが続くのね・・・ 太鼓門櫓 本丸への最後の関門の太鼓門櫓。太鼓の音を届けるためか、裏側が開けっ放しになっていますね。太鼓門は彦根寺山門からの移築と言われてきましたが、他の城の城門だったことが判明しています。 天守 1606年に造影された3層3階地下1階の望楼型天守です。関ヶ原の合戦で西軍の攻めにも落城しなかった大津城天守の材木や瓦が転用されています。縁起の良い天守です。   天守内部 急階段を登って最上階(3階)まで上がりました。見晴らし抜群ですが、窓に網が張ってあるので、カメラでは網目まで写ってしまいます。残念。   城歩き(西の丸から山崎曲輪まで) 西の丸三重櫓を見学した後に彦根山を下り、山麓沿いに歩いて山崎曲輪を目指します。   西の丸 天守から下りて、北西の西の丸に向かいます。本丸とは低い石垣で区切られていますね。この先に三重櫓があるのでお見逃しなく。   西の丸三重櫓 彦根城には三重櫓が2基ありましたが、残っているのはここ西の丸のみ。この櫓も多聞櫓ですね。  三重櫓からの眺め 三重櫓からは琵琶湖が見渡せます。当時は入り江がもっと近かったので、船の監視も重要な役目だったんでしょう。また、西の丸の先には馬出として出曲輪が築かれており、西の丸との間に深い堀切が設けられています。   井戸曲輪・黒門方面 再び本丸方面に戻り、西の丸の先から山麓の黒門へと下っていきます。正面に見えるのは井戸曲輪。 井戸曲輪 山麓から曲がりくねった坂を登ってくる敵を迎え撃ち、籠城に不可欠な井戸を確保する重要な曲輪でした。この曲輪の下の石垣はこの城屈指の高さを誇ります。   井戸曲輪の高石垣 彦根城とは思えない(?)高石垣。その高さはなんと20メートル弱もあります。奥に見えるは本丸石垣。こちら側から攻め上げられる気がしません。   北東の切岸 山麓まで下りて、北端の山崎曲輪を目指して歩きます。斜面が茶色なのは、山裾を削って敵が山に登れないようしていたから。とても実戦的だ。   登り石垣 登り石垣見っけ。この登り石垣は、西の丸端の石垣に連結しています。   山崎門跡 山崎曲輪の手前にある山崎門跡。現在は閉鎖されていて、外に出ることは出来ません。ここから入られたら入城無料になっちゃうしね。 山崎曲輪 筆頭家老・木俣土佐の屋敷のあった山崎曲輪。当時は琵琶湖に突き出しており、三重櫓も建てられていました。先の西の丸三重櫓も土佐に預けられており、琵琶湖方面の防御を任せられていたようです。ただし、今は草ぼうぼう。   城歩き(山崎曲輪から京橋口まで) 山岸を横目に山麓の路を歩き、大手門橋を渡って京橋口を目指します。このコースで他の人にはほとんど会わなかったな。   南西の切岸 山崎曲輪から大手門に向かいます。やはり山裾が切岸になっています。   登り石垣 先程の登り石垣とは西の丸を挟んで反対に位置します。セットで西の丸側への斜面移動を阻止するわけですね。   梅林 西の丸・本丸の南西には梅林が広がっていました。かつては米蔵が立ち並んでいましたが、現在は梅が植林されています。春は梅花が見頃だろうね。   大切岸 本丸近くのせいか、この辺りの切岸は特に険しいですね。よじ登るのは不可能だわ。   天秤櫓・鐘の丸への石段 梅林を抜けた左手の石段は、天秤櫓・鐘の丸へと続いています。大手門と表門からの敵をまとめて迎え撃つわけですな。   大手門跡 券売所を出て少し歩くと大手門跡。元々豊臣家に睨みを利かすために築かれた城だけあって、当初は大坂方面の大手門が正門、豊臣家滅亡後は御殿のあった表門が主に利用されました。   大手門枡形と登り石垣 枡形とセットになって、本丸側への侵入を阻止する登り石垣。防衛の意図がはっきりわかるのが楽しい。 大手口 橋上から振り返った大手口。これから二の丸の京橋口に向かってみます。 京橋口 京橋口の石垣が予想以上に立派で驚きました。特に石垣に登るための階段である雁木はお見事。   旧西郷屋敷長屋門 城内には旧西郷屋敷長屋門が建っています。彦根城下で現存する最大の長屋門です。   京橋口門跡 かつては正面に冠木門、奥に櫓門が構えており、冠木門の両脇には2層櫓がそびえ立っていました。現在は門跡前の道路が「夢京橋 キャッスル口一ド」に続いています。 感想 天守と高石垣という近世城郭の特徴、堀切や切岸といった中世山城の技法、最新技術の登り石垣の導入。かなり実践的な縄張りで勉強になりました。観光客の多くが天守を見て引き返してしまうのがもったいない。井戸曲輪や山崎曲輪をもっとアピールできればなと思います。いずれにしても一級品の城郭です。   本日のひこにゃん 変わらぬ人気のひこにゃん。暑い中、お疲れさまでした。 close

彦根城(滋賀県彦根市) 2020年8月 登城
サイト名 石垣好きの城歩き
タグ 彦根城(滋賀県) 日本100名城 現存天守
投稿日時 2021-04-23 19:00:02

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