美濃 土田城  濃尾国境を押さえる岩山の要害の詳細

美濃 土田城  濃尾国境を押さえる岩山の要害
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 土田城  濃尾国境を押さえる岩山の要害
概要

美濃 土田城 (岐阜県可児市土田・古城城山)例年よりも温かいこの春は桜も早めに咲いていましたね。穏やかな休日、自分も奥方と予定を合わせて花見に出掛けてみました。皆さんはカタクリの花ってご存知でしょうか?少しうつむき加減で咲いている様子がいじらしく感じます。可児市の土田にはカタクリ…… more の群生地があって毎年多くの人が訪れます。春先に地上一面に紅紫の花を咲かせなんともファンタジックな世界へと導かれるよう。かつて、この球根から片栗粉が作られていたそうです。カタクリ群生地は土田城のすぐ近くの温泉施設から歩いて散策できます。時期は3月の後半あたりが見頃となっています。(撮影3月27日)・・さすがにそのついでに「土田城に登ろう」というノリにはなりませんでしたが・・。自分:「あの山の上に土田城っていう城があるんだわ・・」(おもむろに指をさす)奥方:「・・・・・・。」自分:「あぁ~そうだった!この前日向さんと登ったばっかりだったわ、アハハ!・・(^^ゞ)」無反応というものすごい怖いリアクション。・・こわ。東側田園地帯から見上げる土田(どた)城、城山。土田城は岐阜県可児市と愛知県犬山市の県境近くにあります。国道41号線を塞ぐように立つその容姿はまさに境目の要害といった感じです。こうして田園からみる風景は平和そのもの。山裾は木曽川に滑り込まんとする可児川の鋭い浸食に守られています。主郭部のある古城山は北側から見上げると非常に急峻な山容。可児川の渓谷を遮断ラインとして活用しているかのよう。こちらに架かる橋名は「刎橋(はねばし)」と呼ばれています。城址北にある駐車場に説明版と石碑。道路脇にあるなかなか立派な石碑です。狭い道のわりに頻繁に車両が通行します。左右をよく確認してから写真を撮る必要があります。写真奥にみえるのが駐車場(10台くらいはOK)。もう一つの石碑は可児市の指定城郭シリーズの石碑。家紋入りが特徴。生駒氏の出世城、また織田信長の生母土田御前の実家の城として名高いです。弘治2年(1556)土田源太夫が死んだ後、丹羽郡小折城の生駒親重・親正が城主となりました。親正は信長に仕え、天正2年(1574)には土田城を去っているそうです。麓には五輪塔などもゆかりのものも見られます。可児川沿いから主郭までの最短コースで登ってみます。 頂上に近づくほど険しくなっていき、途中鎖手綱のお世話になることも。頂上手前の見開けた場所からは可児加茂地区が一望できました。うん、絶景。頂上の曲輪は案外狭くて腰をおろす所もなさげです。周囲は岩盤を削って切岸加工を施してあります。北側に続く曲輪が本丸と見られ広さが確保されています。頂上の曲輪から見ると腰曲輪にあたりますが事実上この曲輪が主要郭とみられます。案内板にあるように周囲は断崖絶壁、急転直下の崖となっています。曲輪の中央部には竪堀状の切溝遺構もみられます。ここからは尾張へと続く街道を足下に望めます。足のすくむような絶壁。ぶるぶる震えてしまいます(頻尿ではありません)。南背後を岩盤ごと鋭く断つ堀切が明確。その左右は竪堀を落とす必要がないほどの急斜面となっています。ここから南尾根を辿っていくと伝・中出丸・~伝・東出丸へと続いていきます。下の図面↓には主郭部と伝・中出丸を示しておきます。狭い岩盤の山頂部を切り開いて城郭に仕立てた土田城。主郭部はやはり北方面の備えを厳重に意識しています。図面の一番下のピークが伝・中出丸ですが特に遺構はありません。図示してありませんが谷を隔てた伝・東出丸も同様です。自分が散策した限りでは中出丸までが城域かな~と思います。しかし実質の城郭範囲はやはり北の堀切のある範囲までだと思われます。この岩盤に覆われた山をよくぞ城郭に仕立てたものだと感心します。さて、城内にはあちらこちらに石垣の名残りも残っていました。こちらは断崖となった本丸曲輪の西にある石垣。こちらもその曲輪の中央部にありました。こちらは堀切を降り尾根を南に行った端部の列石です。他にも部分的に石垣の址が残っているのが確認できると思います。こうしてみるとこの土田城、破城を受ける以前は主要部に石垣を使用していたのかも・・。普請段階ででる礫石の有効利用として調達には苦労しないであろうかと。尾根道から伝・中出丸を望みます。実は出丸の方が標高が高いのです。しかしながら出丸と呼ばれる曲輪はほぼ自然地形。主郭部南東部の視覚を補う機能を持ち合わせていたかもしれません。しかし主郭部とは距離も結構離れており、あくまで連絡曲輪でしょうか。見張り台、という事は充分に考えられると思いました。ついでに東出丸へも足を延ばしてここから下山。近くの温泉施設「湯の華アイランド」には土田御前の銅像があります。ご時勢ですね、マスクをして(されて)いました。信長、信行(信勝)、秀孝、信包、市らの生母として有名です。先の大河ドラマでは檀れいさんの配役が印象的ですね。奥方曰く、「この子は弟の方?だって信長って嫌われてたんでしょ?」さすが!ちゃんとドラマ観てたんだ~。(ちょっと感心)確かに史実では「うつけ」と呼ばれた信長を嫌い、品性ある弟の信勝を可愛がったと言われます。でもね、この銅像の二人はとても幸せそうです(* ´ ▽ ` *)。 close

美濃 土田城  濃尾国境を押さえる岩山の要害
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 可児市の城めぐり
投稿日時 2021-04-14 02:20:03

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