美濃 佐々良木城  三方に堀切を設けた山中の監視砦の詳細

美濃 佐々良木城  三方に堀切を設けた山中の監視砦
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記事タイトル 美濃 佐々良木城  三方に堀切を設けた山中の監視砦
概要

美濃 佐々良木城 (岐阜県恵那市三郷町佐々良木小屋ヶ洞・城ヶ根)我が家にはこの春高校を卒業する三男クンがおります。そこでこの機会に長男・次男のと共に大掃除と断捨離を行うことになりました。お世話になった教材や制服、夏休みの図画工作作品や見ない写真・・。ひとつひとつ子供達と思い出を語…… more りながら・・と言いたいのですが・・。想像以上に膨大な量!・・でそんな悠長な余裕もなくあっさりと捨てていきます。その中でも「おお!これは!」というものはさすがに捨てられませんでした。下手くそな字でも気持ちがこもった作文。「子供」でないと決して描けない世界観の絵。これとこれだけ、という数点以外は写真データに収めてサヨナラしました。お別れした分、新しい出会いがたくさんありますように・・。さて・・。今回は前回項「美濃 椋実城(欒峰城)」の記事で触れた佐々良木城についてです。佐々良木城は現在の恵那市三郷町と瑞浪市釜戸町の市境に位置しています。とても山深い尾根に位置しているので場所に辿り着くのがちょっと大変かと・・。というわけでまずは現地までの道のりまでを追ってみたいと思います。日頃当ブログでは意識的に親切な行き方は提示しないようにしています。それは山城を本人がマナーと状況判断力と勘で登って欲しいと思うからです。が、佐々良木城に関しては迷われるのも困るので覚書としてお世話させていただきます。(自分が忘れてしまう、というのもありますし・・)県道66号多治見恵那線を多治見方面から恵那市に入ってすぐを右折。(もうすでにここがわからないか・・)「恵那市」の市境表示がありますのでそれを目印で。(適当ですみません)林道小屋ヶ洞線に入ります。ここから700mほど入っていきます。もちろん途中からダートコースです。特に駆動車でないと入れない、という程の道ではありません。ただ中で転回が利かないので大きい車両での利用はお勧めしません。神社の前あたりに一台分の窪地があります。ここから沢に沿って林道を奥へと歩きます。古道感あふれる道です。(※鳥居を登ってしまうと隣の尾根の神社に登ってしまいます)よく見ると沢沿いに「城跡入口」という標記があり沢をまたいで行きます。尾根に出る山道を登っていきます。一見堀切のような切通しを左に上がればもう行けたも同然です。地図にまとめてみました。手前に堀切、そして見上げるピークには主郭があります。北西の尾根から堀切を渡って主郭へ登って行きます。佐々良木城城址碑が立つ主郭部。主郭部は・・、といっても直径10メートルほどの狭い削平地のみです。土塁や虎口はなく、主郭を補うような腰曲輪もありません。少し離れた位置に尾根を遮断する堀切が3本確認できます。狭いながらもよく削平された曲輪、この日はパウダースノーでした。南尾根の堀切は土橋付で尾根道へと連絡します。こちらは主郭より東へ下った尾根を遮断する堀切です。(写り悪い・・)東堀切より主郭部を見上げます。佐々良木城の現況をスケッチしてみました。主郭部より三方に入れられた堀切は明確に尾根を遮断しています。いずれも主郭部から下、約20メートル程の位置に設けてあるのも規格的。一方で主郭と堀切との連動性が弱い面も感じられます。現在林道が通る東側堀切下の斜面には数段の細いスペースもみられます。このように街道に向かって小曲輪を配するのはこの地域の砦によくみられます。野井白金城や取手平遺構にもみられました。南尾根にはもう一条、大きめの堀切を入念に入れてあります。ただこの堀切、山の尾根をまたぐような切通し遺構とも考えられます。付近には岩村方面から釜戸方面に向かう山道が縦横に通っています。佐々良木城はそれらの道を監視していた砦なのではないでしょうか。椋実城とは約1500メートル(半里)の距離にあって屏風山系からの伝達も可能でした。そして土岐川を隔てた神箆城を真西に約7kmという可視範囲にもとられています。こうして位置をみると監視台としても絶好の位置を占めているようです。城ヶ根の麓、林道の奥に馬頭観音さまが祀られていました。(黄色線は林道)昔は馬が移動や荷運びの手段として使われていました。馬が急死した路傍や芝先(馬捨場)などに馬頭観音が多く祀られた、と伺っています。動物への供養塔としての意味合いも含まれたものです。よく見ると・・傍らに錆びた馬の蹄鉄が残されていました。特に中馬街道などでよく見られる馬頭観音。馬と人間の付き合いは古いです。神事から合戦、荷物の運搬、田畑の耕し・・等々。我々日本人は馬には相当お世話になってきました。馬の難所だった所には馬頭観音があり、無病息災や旅の安全を祈っています。自分も思わず手を合わせ、城散策の無事を祈り感謝する気持ちになりました。断捨離も必要ですがお世話になった物にはやはり労いの言葉をかけてあげたい。日頃の暮らしを支えてくれた道具や物にも感謝したいと思いました。 close

美濃 佐々良木城  三方に堀切を設けた山中の監視砦
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 恵那市の城めぐり
投稿日時 2021-02-13 01:20:04

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