第105景 〜一乗谷城の詳細

第105景 〜一乗谷城
カメも歩けば城に当たる… 城跡酔夢譚
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記事タイトル 第105景 〜一乗谷城
概要

一乗谷城 (朝倉館跡 唐門)  福井県福井市城戸ノ内町→Map   日本百名城No.37築城年:文明3年(1471年)  築城主:朝倉孝景 廃城:1575年(天正3年)(撮影日:2016年7月) 戦国大名、越前朝倉氏の居城が一乗谷城である。…… more 先ずはその一乗谷の位置と地勢を把握するためGoogleEarthで確認しておこう。谷の北西側に福井平野が開け、九頭竜川水系の足羽(あすわ)川が流れ込む。福井市街から川を遡って南東へ約10km、さらに支流の一乗川沿いの谷間が一乗谷である(→地図参照)谷底の平地は東西約 500m、南北約3kmである。その南北をそれぞれ城戸で仕切った城戸の内に朝倉氏館、侍屋敷、寺院、町屋を計画的に配置して、一万人が居住する日本有数の城下町が形成されていた。谷の東側、一乗山に有事の際の詰め城として築かれた要害堅固の中世山城が一乗谷城である。一乗谷城跡とはこの山城と谷間の城下町から成り立っている。城主朝倉氏の先祖は、但馬国(兵庫県北部)に発祥した一族であった。南北朝時代、朝倉広景は越前守護となった斯波氏に従い越前に入り、黒丸城を居城とした。越前朝倉氏はこの広景から始まる。室町後期、応仁の乱に端を発した戦国の世に7代朝倉孝景が勢力を伸ばし、斯波氏を追って越前国守護となる。孝景は1471年(文明3年)一乗谷の地に館を築いて越前を支配した。10代孝景(7代と同名)の頃には弱体化した室町幕府を支え、京都、奈良から公家、僧侶、文化人を迎え、一乗谷は越前支配と文化の中心として繁栄したのである。11代当主義景は、近江の浅井長政と連携し、織田信長と4年にわたって戦ったが、1573年(天正1年)刀根坂の戦いで敗れ、大野で自刃した。ここに一乗谷朝倉氏は5代103年にして滅び、城下町も灰塵に帰したのである。 以後廃墟となった城下町は400年にわたり土に埋れて行くこととなる。1967年(昭和42年)、この城跡に発掘調査の手が入り、戦国時代の遺跡が再び、陽の目を見ることとなった。 城域は国の特別史跡に指定、主要4庭園が特別名勝となっている。いま、戦国武将の夢や挫折に思いを馳せるに最も相応しいところ、それがこの一乗谷城跡ではないだろうか。何度でも訪れたくなる場所である。 一乗谷朝倉氏遺跡を見ていこう。 松雲院唐門この辺りが朝倉義景館の正面出入口であった。現在残っているこの唐門は義景の菩提を弔うため江戸時代中期に建てられた松雲院の山門である。したがって朝倉氏直接の遺構ではないが、一乗谷を代表する最も印象深い門である。三盛木瓜紋:朝倉家家紋土塁 唐門をくぐり館の内へ。東側の山城を背にして、南、西、北に一辺約100mの堀と土塁をめぐらせている。朝倉義景館跡全景:発掘調査により、庭園跡、井戸、建物柱の位置等が平面表示されている湯殿跡庭園中の御殿跡(義景実母の屋敷跡)復原町並み一乗川の対岸には発掘に基き、武家屋敷と職人等の町屋からなる町並みが復原されている。 一乗谷への出入り口には石垣と堀、土塁で固めた南北の城戸が現存している。私が最も惹きつけられる遺構が、巨石を積み上げた下城戸の枡形である。初回の訪問以前から、雪を被った巨石の印象があって、冬季に二度訪れ再撮影したものだ。もう少し積雪が欲しいところだが、降りすぎては肝心の石積みが見えなくなってしまうのでなかなかむずかしい。下城戸の石積み                          (2020年2月撮影)下城戸と上城戸2018年1月の寒波襲来時には下木戸、上木戸ともにすっかり雪に覆われてしまった。積雪に埋もれる唐門(2018年2月撮影) 冬季は訪問に不向きとのガイドも目にするが、豪雪地帯である城跡のもう一つの表情も是非見ていただきたい。公共交通機関で普通に訪れることができるので。次回訪問の時には山頂から日本海も臨めるという、一乗山城へ上がってみたい。また近々のご報告を約束して、今日はここまで!ではでは。  close

第105景 〜一乗谷城
サイト名 カメも歩けば城に当たる… 城跡酔夢譚
タグ 北陸東海の城
投稿日時 2021-02-07 01:20:03

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