美濃 貢間城  ポツンと一軒城:なんでこんな所に?の詳細

美濃 貢間城  ポツンと一軒城:なんでこんな所に?
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 貢間城  ポツンと一軒城:なんでこんな所に?
概要

美濃 貢間城 (岐阜県郡上市八幡町入間貢間・城山)2021年、新しい年を迎えました。皆様におかれましても良き年になるようにお祈り申し上げます。本来なら「明けまして・・」となるのですが。今年に限っては「おめでたい」と素直に言っていいものか・・。世にも特殊な一年の幕開けとなりそうです…… more 。できる対策を常とし「密」を避けるその前に「個」に立ち返ってもみたいもの。正月早々から何を言っているのやら。山城でひたすら「孤」に浸って目を輝かせている久太郎でございます。今回は「ポツンと一軒城」なんでこんな所に?の貢間城に行ってきました。どっかのTV番組名のパクリ、やってしまいました、なんかすみません(-_-;)。入間集落のやや奥まった場所に位置する貢間城。地形図を掲載させていただきました。現在通っている国道筋(写真手前が国道256号)から奥まった山です。中世以来からも周囲にはさほど家数もなかったようです。北遺構と南遺構と分けて見ていきたいと思います。国道沿いの白山神社前に案内版があります(この時点でもう城山は見えません)。白山神社境内の山麓に城址碑があります。(但しここではない)案内板はありますが城址主郭部までの道は見当たりませんでした。郡上郡一帯の城址に見られる「麓の城址碑」シリーズ、ここでも出ました!ここからは地形図と健脚が頼り、ということですな。ふと立ち止まりせせらぎの音に耳を傾けたくなります。白山神社からダート林道が奥に続いています。井沢谷に沿った林道は沢も林も美しい山林の中。耳にやさしい沢の音を聴きたくて沢に下りてみました。さ、ここからは地形図と睨めっこです。目ぼしい所から登ってみます。〇北遺構〇地山自体が枯山水のような自然の庭園のようでした。登りきるとまず腰曲輪(横堀内部)に取り付きます。どうやら主郭部周囲をぐるっと囲んでいるよう。端部には微高ですが土塁が廻っています。ということはここは堀底?幾つかの土塁の途切れ間からは竪堀が落とされています。腰曲輪から見上げた主郭部。こちらが一番広幅のある南側の腰曲輪と切岸の様子です。主郭内には「礫(つぶて)」とされる投石が固められています。主郭部は直径約20メートルの円形を成しています。内部の中心部には何の目的か土塁が築かれています。さほど大きくないのですが注目したいのは直下の横堀です。放射状に落とされる畝状竪堀が見られます。3方向に深めの竪堀を延ばし、その間に浅めの竪堀を組ませています。大小7~8本の竪堀が畝状に確認できます(一部消えかかっています)。腰曲輪、というより横堀から派生する竪堀、という表現が適しているようにも。北東部の竪堀を下から見上げます。深さは1.5mぐらい。畝状に並んでいる様子を写したのですが・・(畝竪堀の表現はムズイ・・)さほど広くもない主郭部周囲を堅固な竪堀群で強く守ろうとしています。奥まった場所なので主郭部からも集落の眺望はあまり利きません。沢沿いの道もその奥は行き止まりで高い山に阻まれます。もちろん当時、今は消えてしまった隠し道があったことも想像されますが。縄張りとしては小さくともかなり発達した防御が敷かれています。主郭部にはここまでさせる「何か」があったのでしょうか?。押える集落も街道筋も無く、伝達するに値する拠点も近くには無し・・だとすると。「守る」というより「護る」ための城のように感じられます(微妙なニュアンスですが)。なにか大切なモノ(或いは人)でも隠しおいたのでしょうか?何故こんな場所にこれほどのテクニックを要した城を築いたのか?何か理由があるはずですね。疑問と興味は尽きません。考えだすと夜もおちおち眠れないのですが、考え疲れて寝てしまいます。もう一度城址に立ってじっくりと考察してみたいものです。尾根伝いの鞍部窪地いは「馬隠し」と伝わる大石群が横たわる場所も(出典不明)。〇南遺構〇ここから尾根を伝って南に降りていきます。もうすぐ麓かな、というあたりに二重の堀切遺構が見られました。ここも貢間城の一部なのでしょうか?「堀」と呼ばれる地名の二重堀切。堀切はあるのですがちょっと様子が変です。堀切に守られるべき曲輪は自然地形の軟傾斜の地山でして。堀切側面も落ち込みなどなく脇が甘々・・(掘り切れていない)。堀を掻き揚げた土で土塁もあるのですが・・。曲輪相当部はご覧の通りの普通の山です。尾根の頂部でもなく急峻な地形でもありません。先程見てきた北遺構と比較するとはまるで別物の遺構です。城郭を意とした遺構ではないのかもしれません。北遺構の遠構え的な簡易施設が置かれたものでしょうか?ここもどう理解していいのか・・わからないとこだらけです。ただ想像が広がるばかり。・・それもまた面白し、です。 close

美濃 貢間城  ポツンと一軒城:なんでこんな所に?
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 郡上市の城めぐり
投稿日時 2021-01-09 02:00:06

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