美濃 東殿山山頂部  もう一つの赤谷山城伝説の詳細

美濃 東殿山山頂部  もう一つの赤谷山城伝説
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 東殿山山頂部  もう一つの赤谷山城伝説
概要

美濃 東殿山山頂部 (岐阜県郡上市八幡町島谷)今回は東殿山城( 参照)の項で触れた「もう一つの赤谷山城」についてです。近年では東殿山城と赤谷山城は同じ城を指している表記も見受けられます。つまり東殿山城=赤谷山城、という解釈です。しかし実際にはグレーゾーン(曖昧な領域)にあるのも事…… more 実なようです。それはここに「二つの城があった」という記録が多くの地誌類に見られるからです。西方の峰が古城の「赤谷山城」、東方の峰が新城の「東殿山城」、との見方です。同じ山中の腹背に異なった二つの城が築かれた、というものです。いずれもこの地を領した東氏による築城であると伝わっています。しかしながら明確な城郭遺構が確認できるのは地誌の指すところの「東殿山城」のみ。「赤谷山城」を指す西方の峰はほぼ地山となっており遺構は確認できません。‥本当に城は存在したのでしょうか?疑問に思ったら何度でも登って確認!・・が久太郎自訓でございます。東殿山城の遺構部と山頂西の峰に伝わる城域を示してみました。八幡城天守より見た東殿山。果たしてここに城郭の手掛かりとなる遺構が存在するのかが問題です。東殿山城の搦手から西周りにハイキングコースがあります。道は細いですが比較的辿りやすい。歩くこと10分くらいで山頂近くまで行けます。頂上手前にもこれといった城郭遺構はなく自然地形の普通の山。先ずは西側の軟傾斜を降りていきますと・・。突如として謎の石垣遺構群が姿を現します。ここは山頂部から西南西方面に200メートル程離れた場所。それまでの間、全くの地山にあってこの地帯だけに見られる遺構です。石垣地帯の範囲は約50mX50mで5~6段の階段状に築かれています。石組みはかなり粗雑でまとまりのない組み方です。大きい石同士の間に小石を落とし込んでいます。足場としても不安定で周囲にはこぼれ落ちた石が散乱していました。東殿山城にある石垣とは出来栄えが全く異なる石組みで目的が不明です。それにしてもかなりの石材量で驚きます。この遺構は恐らく城とは無関係の後世の作事物かと思われます。それでも・・誰が何のために積み上げたのかは知りたいですね。ちょっとミステリアスな空間です。東殿山(赤谷山)の山頂へと戻ってみます。休憩ベンチがありました。東殿山の標高は△578mで東西に長い尾根が続いています。北に真っ直ぐ降りれば東殿山城へ至るという位置になります。山頂部一帯は全くの自然地形で地面も整地されたような痕跡は見当たらず・・。・・と思って東尾根を辿って行くと・・。大きな穴凹が現れました。穴の底の中心には岩があり、直径は20メートルもある大きな穴です。これが自然にある姿なのか?それとも人為的に掘られた穴なのか?なんとも判断できかねるのですが井戸跡のようにも見えてしまうのでした。それとも天から降った石が衝突でもした痕跡でしょうか?(んな訳ないですよね)それから山頂部付近をかなり念入りに踏査してみましたが・・。結局城郭遺構につながるような手掛かりは確認できませんでした。それではここに城があったという伝えは誤伝・虚偽なのでしょうか?もう少し東へ降って展望台へと行ってみます。ここからは八幡の街並みがよく見渡せます。眼下には郡上八幡城とその向こう・・。ここで東氏がこの地に城を構えた理由・原点に立ち返ってみます。度々の越前朝倉勢からの侵攻を受けた篠脇城からこちらに移ってきた、という。山頂からは八幡城のはるか向こうに故地・篠脇の地が見えるのです。確かに標高の高さからもここに居城を置くことは考えずらいものです。けれどもし・・ここに簡素でも遠見の砦があったと考えるのはどうでしょう。東氏は故地奪還の機会を常にここから伺っていた・・と。そう考えるとここに「城」があったという伝えは得心できるのです。ここには城のあった痕跡は見当たりません。が一時的にせよ、城に準ずる東氏の具現化した何かがあっても不思議ではありません。これはあくまで自分の想像であり希望的推測であることをお断りしておきます。 close

美濃 東殿山山頂部  もう一つの赤谷山城伝説
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 郡上市の城めぐり
投稿日時 2020-12-02 01:00:16

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