第233回:有子山城(但馬守護 山名氏 最後の拠点)の詳細

第233回:有子山城(但馬守護 山名氏 最後の拠点)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第233回:有子山城(但馬守護 山名氏 最後の拠点)
概要

訪問日:2016年4月有子山城(ありこやまじょう)は兵庫県豊岡市にあったお城です。山名氏城跡として此隅山城とともに国史跡に指定され,続日本100名城に選定されています。有子山城は近世城郭である出石城の背後の城山に築かれています。室町時代に守護大名として全盛期を誇った山名氏も戦国末…… more 期には但馬国,因幡国に勢力を留める戦国大名となっていました。1569年それまでの本拠地であった此隅山城を織田信長配下の羽柴秀吉により落城させられました。1574年 但馬に復帰した山名祐豊(やまなすけとよ)は新たに現在出石城のある山麓に居館,背後の城山に詰の城を築き有子山城を新たな本拠地としました。その後,織田と毛利の間で一定に勢力を持っていた山名祐豊ですが1581年 秀吉の弟である羽柴秀長に攻められ降伏し戦国大名 山名氏は滅亡します。その後,秀長は但馬の支配拠点として有子山城を石垣造りの城へと改修しました。豊臣政権下では秀長の後を受け前野長康,小出吉政が城主となります。1600年関ケ原の戦いで小出氏は西軍に味方しましたが許され,小出吉英(こいでよしふさ)が山麓居館部に出石城を築城した後に有子山城は廃城となっていきました。  【左】有子山城へはこの比高300mを超える山を登る必要があります。【右】登山口は出石城の背後にあります。出石城,有子山城,此隅山城の中々立派なパンフレットを入手できました。縄張図を抜粋しております。便利なのでこの図を元に説明していきますが下(北側)から登っていくことになります。  【左】縄張図にある谷筋の点線が元々の大手道ですが現在は廃道となっており尾根筋に登山道が付けられています。この登山道がとにかく急で長く,所々はロープを伝って登ることになります。【右】尾根筋を登っていくと左手に竪堀を確認することが出来ます。  【左】尾根上に連続する小曲輪は技巧に乏しく山名氏よりさらに古い時代の遺構である可能性もあるそうです。【右】縄張図にある①堀切・竪堀 です。  【左】竪堀となって落ちていく様子も確認できます。【右】堀切を越えるとさらに急な斜面を登ることになります。  【左】最後の急斜面の登り切るとやっと山上の曲輪群の一角に取りついたことになります。【右】北の尾根筋で最大の曲輪(縄張図では②)に上がってきました。左側の開いた部分が虎口です。  【左】等高線沿いに西に進みますと井戸曲輪が見てきました。【右】その名のとおり水の手です。  【左】井戸曲輪の土止めも兼ねた7段の石垣が凄い。【右】北西の尾根筋に向かいます。縄張図で④と示された曲輪の虎口です、  【左】北西の尾根筋には2本の堀切があります。こちらは⑤の堀切。【右】さらに奥にあ⑥の堀切。  【左】これは石取場の西側にある⑦の堀切。【右】石取場(⑧)の様子。石がゴロゴロ。  【左】石取場の石材には切り出して割った時の矢穴を確認することが出来ます。【右】いよいよ中心部に向かいます。曲輪⑨の石垣が見えてきました。  【左】有子山城の石垣は角を鈍角にするシノギ積みという積み方が多用されています。【右】曲輪⑩は南側に土塁を確認することが出来ます。  【左】曲輪⑩の一段上の曲輪ですが謎の窪みと石組み。祠でもあったでしょうか。【右】曲輪⑪の立派な石垣。  【左】南面の石垣はかなり長く伸びていることがわかります。【右】曲輪⑪から主郭方向を望みます。  【左】主郭(⑫)の石垣と石段が立派な虎口。【右】主郭の様子。  【左】主郭の南側は石垣が無く折れを持つ土塁が築かれています。【右】大堀切に面した土塁の南東側は分厚く高まりになっており櫓台(もしくは天守台)の跡と考えられます。  【左】主郭からは出石の町を一望することが出来ます。【右】主郭北面の石垣も折れを持っており横矢が掛かっていることがわかります。身を乗り出し過ぎて落ちないように。  【左】これも見どころの一つ。主郭と千畳敷を隔てる強力な大堀切(⑬)。深さは12m,幅も28mととにかく巨大。【右】主郭の南東に位置する千畳敷(⑭)の様子。最も広い曲輪で幾つかの部分に区分けされていようです。  【左】千畳敷から大堀切越しに主郭を眺めています。【右】千畳敷の内部には石列を確認することが出来,築地塀の跡と考えられています。  【左】千畳敷の東にある堀切⑮。【右】さらに東にある堀切⑯は長い竪堀を伴っています。  【左】大堀切を北に抜けるとある曲輪⑰にも小規模な石垣を確認することが出来ます。【右】下りてきました。居館があった山麓は出石城となっており観光客で賑わっていました。山名氏関係は良いお城が多いですね。実は18年に最初に訪問し時も凄い印象深くて再訪の機会を窺っていたのですが,やはり良かった。昔行った時は誰とも会わなかったのですが,山城ブームなのか健康ブームなのか登っている人が何人かいましたよ。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第233回:有子山城(但馬守護 山名氏 最後の拠点)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 兵庫県の城郭
投稿日時 2017-04-08 17:40:00

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