松坂城(三重県)の詳細

松坂城(三重県)
むぎの城さんぽ
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記事タイトル 松坂城(三重県)
概要

【 松阪城 】まつさかじょう 【 別名 】― 【 構造 】平山城 【 築城者 】蒲生氏郷 【 築城年代 】1588年(天正16年) 【 指定史跡 】県指定史跡 【 場所 】松阪市殿町 地図 【 スタンプ設置場所 】松阪市立歴史民俗資料館 本居宣長記念館 (休館日は松阪市観光情報…… more センターに設置) 【城郭検定】出題あり 1584年(天正12年)羽柴秀吉により松ヶ島城に封ぜられた蒲生氏郷が、 飯高郡矢川庄「四五百森」の独立丘陵に目をつけ、夜を日に継いで 1588年(天正16年)に入城できた平山城がかつての松坂城です。 蒲生氏郷は後に会津若松へと移るため、松坂城に居たのはわずか2年でしたが 松阪開府の祖として今でも松阪市民に愛されています。 駐車場 以前訪れた時は、本居宣長記念館に駐車して散策した記憶がありますが、 今回はこちらの松阪市駐車場を利用しました。 大手 大手を真直ぐ城に向かって登城口へやってきました。 高石垣 石垣は穴太衆の野面積を中心に、算木積や打込接など時代の違う組み方が混在し、 幾度となく修復を重ねられていることがわかります。 反りのある高石垣、これは前回訪れた時の貴重な写真です。 この時は晴れていたのになあ。 表門跡 二階建ての本瓦葺の屋根の櫓門がありました。 井戸 城内では井戸が6基あったとされています。 築城当時からある井戸で、現在も水が湧いているという。 松阪市立歴史民俗博物館 1910年(明治43年)、皇太子の飯南郡への行幸を記念して、 飯南郡図書館として建設され、明治45年4月に開館しました。 100名城のスタンプもこちらに設置されています。 他にも、本居宣長記念館にスタンプが設置されており、 私は以前訪れた時に記念館の方でスタンプを押しています。 助左衛門御門跡 表二の門には、城主を務めた古田重勝の弟である古田助左衛門の 名が付いています。 表門と同じ櫓門があったとのことです。 本丸下段 本丸は上段と下段に分かれています。 月見櫓跡 松阪を舞台にした小説「城のある町にて」の一文が刻まれている梶井基次郎文学碑があります。 太鼓櫓跡 時を告げる太鼓櫓のあった場所です。 本丸下段から直接金の間櫓へと登れる階段です。 なぜか目にとまる石垣の階段で、前回訪れた時にも子供たちが この階段を一生懸命登っていた思い出が残ります。 本丸金の間櫓跡 二層の櫓で、金箔の貼った黄金の間があったことから金の間櫓と呼ばれていました。 井戸跡 井戸跡と付近には排水溝とこれに続く暗渠排水溝が塀中門付近まで続いていました。 高い場所での水の対策(貯水と排水)が重要視されて造られていたのがとても特徴的です。 本丸上段 本丸上段の周囲の石垣は北廻多聞跡と北続多聞跡で、 中の広い部分は兵部屋敷跡(御殿跡)です。 この兵部屋敷跡は昭和25年から昭和58年まで上水道の配水池として使用され、 大きく掘り込まれてしまったことにより遺構は破壊され、消滅してしまいました。 しかし、兵部屋敷跡の周囲の部分には排水溝跡、礎石列、石畳等の遺構が確認されたのは不幸中の幸いです。 北廻多聞跡 北廻多聞跡は、敵見櫓北続多聞跡の北端から直角に西方向に延び、 金ノ間櫓跡と接続しています。 それにしても、この石垣の幅が気になるとこで、敵見櫓と金の間を結ぶ多門櫓だったとしたら ただの塀しか築けないような幅しかないのに疑問を感じました。 ちょっと細過ぎやしませんか? 鐘の櫓跡 北廻多聞跡の上から下を覗き込むと、下の段に鐘の櫓跡が見えます。 藤見櫓跡 藤見櫓は、藤見の宴が催される櫓という説と富士山が見られる櫓という説があります。 敵見櫓北続多聞跡 先ほどの北廻多聞跡とは違って多聞があったことを想像出来るだけの幅が あることが確認できます。 では、北廻多聞跡の石垣は細過ぎないかという疑問は… 石垣の内側(兵部屋敷跡)で一直線に並ぶ礎石がみつかっていることから 内側に張り出す形で2間(4m)の多門(渡り廊下)であったことが数字的には合っているとのこと。 敵見櫓北続多聞側でも一直線に並ぶ礎石がみつかっていることから、 更に広い3間(6m)の多門が築かれていたと推定されていることを知り、 北廻多聞跡の石垣の疑問がスッキリしました。 敵見櫓跡 天守跡より一段低い付櫓跡と続きにある敵見櫓跡は、 付櫓跡との間に石垣の区切りがあります。 天守跡 天正7年に織田信雄が築いた松ヶ島城から移築されたと思われる 金箔瓦などが出土しています。 また、中央を中心として、栗石がびっしりと敷き詰められていたことが 調査によって判明しています。 転用石 松坂城でも、松阪近郊の石という石が集められ これだけの多くの石垣の中には転用石が使われている箇所があるので 探してみて下さい。 天守台には古墳時代の石棺の蓋が使われていますが これが一番発見しやすいと思います。 天守への階段 天守台の階段は崩れかけているので 階段としてはとても歩きずらい形になっています。 それでも上から見た時は、何やらここを通過することが出来そう…と思い、 降りて来て振り返ってみると、やはり階段状になっていたことがわかりました。 天守台 最も古い石垣がこの辺りの石垣で、他の石垣に比べ古い積み方になっています。 しかし、出隅の石は割石が用いられ算木積みへの移行の様子がうかがえます。 付櫓跡の看板のある階段は、実は築城当時にはなかったもので付櫓は兵部屋敷に繋がっていました。 きたい丸 松坂城を完成させた3人目の城主、古田重勝の子どもの幼名が「稀代丸」だったので その名が由来となっている曲輪です。 四角には隅櫓がありました。 眺望 天気があまり良くなかったので、遠くの山々などは残念ながら見えません。 駐車場が見えます。自分が乗って来た車もバッチリ見えています。 角櫓跡 ここにも櫓。 角にはなにかしらの櫓があったようで、 ここには特別な名は無い角櫓があったのですね。 梅林 約30本ほどの梅林園で、2月中旬から3月上旬には紅梅や白梅が花を咲かせます。 中御門跡(裏二の門) こちらも枡形で二段に折れています。 隠居丸 かつて隠居丸には2棟の道具蔵と宝蔵、米蔵がありました。 後に米蔵は御城番屋敷の敷地に移築したとされています。 現在の隠居丸には松阪出身の江戸時代の国学者本居宣長の旧宅「鈴屋」の保存を願い、 城下町にあった建物を移築保存しています。 二の丸 大坂夏の陣の後、城主であった古田重治は石見浜田へ移ると 松坂藩は廃され、紀州藩の直轄地とされました。 この二の丸には紀州藩の出先機関が置かれ、徳川陣屋(御殿)が築かれました。 藤棚 説明をよると、この藤はかなり古いもののようです。 そもそも、ここに寄贈される前が樹齢100年以上であり、 現在は通算300年以上という老樹です。 徳川陣屋跡 この二の丸には紀州藩の出先機関が置かれ、徳川陣屋(御殿)が築かれました。 松坂城は廃藩置県を迎えるまで続いたのですが、紀州藩の管轄になってからは 建物の整備がされずに荒廃し、天守も台風で倒壊したままとなり、 二の丸御殿は明治10年に失火で焼失してしまいました。 裏門跡 搦手側にあった城門で、表門同様に二階建ての櫓門がありました。 1646年(正保3年)の台風で櫓門の二階部分が破損し、 その後の改修は茅葺屋根となり、そのまま放置されることになりました。 御城番屋敷側から見た二の丸の石垣です。 写真のデータを失くして以来、ずっと再登城したくていたので やっと願い叶ってすっきりした気分です。 前回は早朝に訪れ、腹痛に悩まされ急ぎ足で巡って来たこともあり 高石垣の印象しか残って無くて、こんな景色だったっけ?というところがあまりに多く驚きました。 その頃は100名城のスタンプ集めのことしか頭になかったんだなあと思い起こし、 なんてもったいない時間を過ごしていたのかと今となって残念な自分に猛省しました。 でも、こうやっていろいろな城を巡っているうちにいろいろと興味が移り変わり 見る目も変化してしていくものであるとも思います。 その時その時の楽しみ方も変化を遂げていくものなのですね。 平成25年5月4日登城 令和2年7月24日再登城 日本100名城公式ガイドブック (歴史群像シリーズ)日本城郭協会,福代徹学研プラス close

松坂城(三重県)
サイト名 むぎの城さんぽ
タグ 百名城
投稿日時 2020-09-20 01:00:02

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