美濃 深戸城  「在地豪士の城」という表現がピッタシ!の詳細

美濃 深戸城  「在地豪士の城」という表現がピッタシ!
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 深戸城  「在地豪士の城」という表現がピッタシ!
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美濃 深戸城(餌取城) (岐阜県郡上市美並町三戸深戸・城山)地域性からみた「城」といっても色々です。大名の城、地方領主の城、村の豪氏の城・・、など多種多様。戦国時代は同じ地域内でも階層レベルや時代によって様々な城があります。これがまた我々を「虜」にする実に面白い所なのですが。我々…… more が現在目にするそれらの城は重層的に重なりながら存在していますね。その中でも在地領主級の支配というのは特に根深く伝わっています。そういった小さい単位で築かれた城の数の実に多い事に驚かされます。最も基本的な役割としては有事の際の「逃げ込む」施設、となりましょうか。或いは領内の監視場、巡検所、本城への伝達機関、といろいろな目的も兼ねています。今回訪れた郡上郡の深戸城もそんな部類に属するのではないでしょうか?ということで、初秋の深戸城を訪問してきました。やはり今回も清流・長良川の対岸から仰ぎ見てみます。春は街道の桜並木が美しいです!深戸城の城山は背後に高山が聳え、そこから東へ延びた尾根先になります。標高も高過ぎず低過ぎず、在地領主の常設施設として適しています。郡上街道と川筋、そして集落を見渡せる格好の位置といえましょう。城山中腹部からみた里の風景です。車での訪問で四柱神社さんの駐車場をお借りしました。ここから遊歩道をゆっくりと登るも良しですし・・。林道をぐるりと東側に回って直登するのも良しです。自分はモチこっち派(^∇^)V。こちら林道から登るメリットは城址案内看板があることです。(自分にとってこれが有るか無いかは重要です!(`∧´)) 散策路から登ると先ず一段高く掻き揚げられた切岸が目に入ってきます。ここから東へ延びる尾根が現在確認できる城址となります。意外なのは本来あってもよさそうな堀切の痕跡が見当たらない、ということです。この点は前回までの粥川城や丸山砦等と特徴が似ている感じも受けました。切岸を越えるとおそらくであろう、主郭部へと入ります。過去に出版された書籍の中にはこの尾根の西側が主郭とされていますが、愚見の限りではその地は村の墓地となっており、曲輪(だった)痕跡は見当たりません。その周辺の状況もほぼ自然地形となっていますので、私的意見になりますが。曲輪の西部には土塁が高台となり残っています。土塁上におわします石仏のお顔立ちが実に和やかな笑顔、微笑みかけてくださいます。曲輪脇のスロープ状通路は後世のものかとも思われる。こちらが武者走りから折れ、切岸脇から虎口へと繋がる遺構かと思われます。曲輪内の掘られた大きな穴ぼこ。これは一体・・(°_°)?特に大きな穴ぼこは4つ。一定間隔で掘られている。深さは1m~1m50cm程。幅は3m弱~2m。掘られた断面からして当時からのもではなく近代の痕跡かと見受けられます。諸本では「肥壺址」(肥溜め)としている。・・が納得できるものではありません。もちろん井戸や狼煙穴という感じはうけない。堀残土が見当たらない点や等間隔に掘られた理由が未だ不明です。鉄塔かなんかの基礎部址でしょうか?・・悩ましい。どなたかご存知でしたら是非ご教授願いと思っております。う~ん・・、ミステリー。極めてシンプルな単郭の城、深戸城です。堀切を持たない、というのはそこまでの軍事的緊張がなかったせいでしょうか。土塁と連動した折れ虎口を設けるなど技術的にはそこそこな構造です。これはこれで城主のお考えが推理でき一興というものです。その城主として餌取六右衛門が伝わっています。六右衛門は粥川甚右衛門と共に遠藤盛数・慶隆父子を援けた重臣・与力です。水戸黄門でいう「格さん・助さん」にあたるイメージでしょうか。刈り入れを待つ稲穂と深戸の城山。規模は小さな深戸城ですがこの小さな山城で立派に機能していた時期がありました。この地域の戦国時代の様子がそこから伝わってくるようです。そういえば粥川甚右衛門の粥川高原城も同じような規模です。そこから感じられる地方豪士の「城」の在り方もまた面白く感じる所があります。さぁ、いよいよ秋になります。食うか食われるか、戦国の秋でもあります。今回の深戸城の案内はこちら、麓公民館前の史跡案内にて。長良川鉄道・深戸駅からも歩いて近い所です。 close

美濃 深戸城  「在地豪士の城」という表現がピッタシ!
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 郡上市の城めぐり
投稿日時 2020-09-20 00:40:21

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