訪問日：2018年10月黒瀬城（くろせじょう）は愛媛県西予市にあったお城です。強力な戦国大名が現れなかった伊予国は複数の戦国大名がそれぞれの地域を支配していました。黒瀬城は南西部 宇和郡を中心に勢力を持った西園寺氏の後期の本拠地でした。室町時代に西園寺公良がこの地に入った後の初期…… more には松葉城を本拠地としていましたが，戦国時代に入ると他家に圧迫され西園寺実充もしくは西園寺公家の時代にこの城に移り本拠地としました。1584年西園寺公広（さいおんじきんひろ）の時代に長宗我部元親に降伏しましたが，1585年 豊臣秀吉の四国征伐により再度降伏。1587年には新領主の戸田勝隆に忙殺され西園寺氏は滅亡しました。  ◆宇和運動公園付近より見る黒瀬城の遠景。鉄塔付近が一の郭です。◆運動公園のグランド奥の道沿いに登山口があります。宇和運動公園施設プールの裏にも登山口があるようです。しかし，なかなかハードな登山が予想されるので裏技で裏の林道側からアクセスすることにしました。  ◆ここが林道入口。◆これは歩いて上った方が良かったかも。。。。草ボーボーでいつ道が途切れるかひやひやしながら車で上りました。  ◆何とか林道側の登山口に辿り着きました。大分，車で登れたはずです。◆しばらく進むとすぐに支城である岡城の峰の下を沿うように進みます。  ◆尾根上の丁字路に到着。左に行けば黒瀬城，右に行けば岡城です。◆尾根上をしばらく進むと小さめの堀切があります。  ◆つづいて城域を区切る大きめの堀切。◆堀切の断面です。  ◆堀切を超え奥に鉄塔の見える削平地に入ると主郭にあたる一の郭です。◆一の郭の西側には土塁が残っています。  ◆一の郭の様子。整備状態が良いとは言えません。◆一の郭の南辺には枡形虎口の名残と思われる窪みがあり，本来の入口は南側の帯曲輪を経由するものであったと考えられます。  ◆一の郭に残る井戸跡。◆一の郭の東側の土塁。  ◆一の郭の北側には土塁と横堀状の遺構が残っておりこの城最大の見どころかと思います。◆この外側の土塁と一の郭に挟まれた部分を案内では帯郭としています。  ◆帯郭を東側まで回り込んでくると付郭と案内されていました。◆南側の帯郭は土塁はありません。  ◆二の郭の様子。整備がどんどん悪くなっていきます。◆一の郭帯郭の切岸とそこから延びる竪土塁のような遺構。  ◆二の郭にも井戸跡がありました。◆さらに進むと三の郭です。  ◆三の郭にあった水溜の池。何かわからないくらい草ボーボーです。◆三の郭から突端の曲輪方面に残る土塁。  ◆突端にある曲輪には東屋があります。東屋は既にボロボロで崩壊していますが，町を見下ろす景色は最高です。◆せっかくですので国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている卯之町の町並みを見ていきましょう。  ◆町中の光教寺にやってきました。元々，西園寺氏の初期の城であった松葉城の麓にあったものが移転を重ね現在の位置にあります。◆ここには西園寺氏 最後の当主である西園寺公広の御廟があり毎年12月11日には法要が営まれています。河野氏、宇都宮氏、西園寺氏等 統一国主が現れなかった伊予国の戦国大名達の城も巡ってみたくなって行ってきました。郷里の歴史に欠かせない武将の本拠地なのでもう少し整備をして欲しいところです。大きな地図で表示お城巡り ブログランキングへにほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第390回：黒瀬城（伊予南西部に勢力を持った西園寺氏の本拠地であった）