第389回:大洲城(精巧な木造復元天守,南予の重要拠点)の詳細

第389回:大洲城(精巧な木造復元天守,南予の重要拠点)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第389回:大洲城(精巧な木造復元天守,南予の重要拠点)
概要

訪問日:2018年10月大洲城(おおずじょう)は愛媛県大洲市にあったお城です。県史跡に指定され日本100名城にも選ばれています。1331年 鎌倉時代に宇都宮豊房が守護として入り築いたとされその頃は地蔵ヶ嶽城と呼ばれていました。その後大洲の旧名である大津から大津城とも呼ばれていまし…… more た。戦国時代末期まで南予を支配した伊予 宇都宮氏の居城でしたが,1568年に毛利氏・河野氏連合軍に敗れて降伏し,その後,河野氏の武将であった大野直之により宇都宮氏は城を追われました。1585年には豊臣秀吉が四国征伐に乗り出すと伊予国は小早川隆景が湯築城を居城として支配することになり大洲城は支城となりました。小早川隆景の九州転封後は戸田勝隆が入りましたが断絶。1595年には築城名人の藤堂高虎は入りこの頃から近世城郭へ改修されていったと考えられます。江戸時代の1609年に入った賤ヶ岳七本槍の一人として知られる脇坂安治により天守が整備され現在に見える城の形となり,町の名前が大津から大洲に変わったとも言われています。1617年には加藤貞泰が入り以後加藤氏が明治維新までこの地を治めました。  ◆肱川(ひじがわ)突き出た大地に築かれた大洲城の遠景。◆現在,二の丸から本丸にかけて遺構の多く残る大洲城ですが,この場所が二の丸大手門跡です。現在は面影が無いですが目の前に内堀があり土橋で渡るようになっていました。  ◆二の丸大手門から内堀を渡るとこの部分に櫓下御門の枡形虎口が待ち構えていました。◆櫓下御門跡を内側から見ています。道が屈曲している様子がわかります。古地図にあるように現在宅地化されているものの二の丸に入る枡形虎口の前には内堀が広がっていたことがわかります。  ◆これは二の丸に入ったところにある下台所,食糧庫として使われていたと言われます。県指定有形指定文化財となっており貴重な現存建築物です。◆下台所お別の角度から,天守との位置関係がわかりますね。  ◆二の丸御殿跡の石垣です。実際の政務は二の丸で取られていました。◆二の丸から見る本丸の石垣。  ◆日本の陽明学の祖と言われる中江藤樹の銅像。中江藤樹は大洲で14年を過ごしました、◆絵図をもとに再建された御門番長屋。その名の通り門番が詰めていた長屋です。  ◆二の丸の西の部分。玉櫓等の櫓が築かれていました。◆二の丸から肱川に下りていくと一段下にも曲輪が築かれており水の手櫓,水の手御門がありました。川から上がってくる敵に備えた施設です。  ◆二の丸より天守を望む。大洲城の象徴と言える建物ですが,この建物自体は古写真や木組み模型を元に木造で忠実に再建されたもので,精巧な木造復元として知られる重要なプロジェクトでした。これが再建されたことにより複雑な連立式天守の配置がよみがえりました。◆本丸下段は井戸丸とも呼ばれています。  ◆本丸下段に残る井戸。◆本丸下段より本丸上段に建つ高欄櫓を見ています。天守と接続されたこの櫓は現存建築物で重要文化財の指定を受けています。  ◆本丸上段手前の最後の城門であった暗り門跡(くらがりもんあと)。当時は巨大な櫓門があり,石段を上り左に屈曲するように侵入していました。◆城の中心文である本丸上段。当時は主要な櫓の他は多門櫓でぐるっと一周囲むようになっていました。  ◆本丸上段東側の眺望。肱川と冨士山(とみすやま)が美しい。◆こちらは北側。奥に見える橋はJR予算本線,列車と大洲城をセットにした写真は定番です。  ◆左から 高欄櫓,天守,台所櫓。◆この台所櫓は城内最大級の櫓でした。現存建築物で重要文化財に指定されています。  ◆天守内部も忠実に再現されています。この急な階段はまさしく現存のものと変わりませんね。◆二の丸の搦手にあたる北の菱御門跡から下りていきます。  ◆こちらは内堀の雰囲気を残す搦手内堀菖蒲園です。◆城東側の水際に残る苧綿櫓(おわたやぐら)です。現存建築物で重要文化財に指定されています。  ◆城の南側 三の丸に向かいますとお殿様公園と呼ばれる小さな公園があります。この旧加藤家住宅母屋は旧大洲藩主の加藤氏が大正時代に建てた住宅です。◆同じ公園内には現存建築物で重要文化財の三の丸南隅櫓がぽつんと残っています。  ◆三の丸南隅櫓は大洲城で現存する建築物の内最古のものです。◆三の丸南隅櫓の立つ場所より一段低くあるのが大洲高校のグラウンドで元々外堀であった場所です。地形に名残をとどめています。  ◆城の搦手門であった西門跡です。三の丸南隅櫓よりさらに南側に位置します。◆城下町近くにある観光駐車場は元々 藩校明倫堂があった場所です。  ◆観光駐車場の右奥に土蔵が残っているのですが,修理中で足場で囲われよく見ることができませんでした。◆大洲の城下町は雰囲気があり観光地としても有名です。是非とも散策するのが良いでしょう。現存する櫓群の他にも丁寧に復元された天守,眺めの良い眺望,雰囲気のある城下町と南予を代表する城郭は見所満載です。大きな地図で表示お城巡り ブログランキングへにほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第389回:大洲城(精巧な木造復元天守,南予の重要拠点)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 愛媛県の城郭
投稿日時 2020-09-06 01:20:02

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