第232回:[大隅]高山城(大隅の戦国大名 肝付氏の居城)の詳細

第232回:[大隅]高山城(大隅の戦国大名 肝付氏の居城)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第232回:[大隅]高山城(大隅の戦国大名 肝付氏の居城)
概要

訪問日:2016年2月高山城(こうやまじょう)は鹿児島県肝属郡肝付町にあったお城で,肝付城とも呼ばれます。大隅の戦国大名として一時期は薩摩の島津氏を凌ぐ勢いがあった肝付氏(きもつきし)の居城として知られ,シラス台地を深く削って曲輪を形成する典型的な南九州型の城郭として国史跡に指定…… more されています。16世紀初頭の永正年間には島津忠昌の軍を退けたと記録にあります。その後,肝付氏は島津氏と伊東氏の間を上手く渡り歩いていましたが,16世紀後半に最盛期を築いた肝付兼続は島津氏と対立します。島津貴久の弟である島津忠将を討ち取る等して攻撃を退けていましたが,1573年に島津貴久の反撃により高山城は落城。兼続は行方知れず自害したとも言われています。その後,肝付氏は衰退し島津氏に従い家臣となっていきます。1580年に肝付氏の移封により廃城となりました。  【左】遠景です。この山に登りますが比高にして80m程度ですので登山は大したことありません。【右】肝付城本城集落センターに車を置いて出発です。山麓のこの辺りは当時は大手側で三の丸であった場所です。肝付町立歴史民俗資料館で入手した縄張図。南九州特有のシラス台地を深く削った空堀により各曲輪が区分されます。縄張図を見慣れていない方には現地の案内板の方がわかりやすいかもしれません。  【左】早速 馬乗馬場跡の案内。この辺りは馬を駆けさせた馬場跡ということでしょう。【右】大手口はここから登ります。  【左】大手口を入って直ぐの丁字路を右に進むと湯沸場跡がある曲輪です。【右】中心部には元に戻って左へ進んでいきます。  【左】鳥居の先にあるのは大来目神社(おおくめ神社)。築城当時に鎮神として築かれたとも言われ,階段上の高所に本殿となる祠があり,見張り台として機能したと思われます。【右】鳥居のある曲輪は球麻屋敷(くまやしき)と呼ばれ1506年 島津忠昌に攻められた時に人吉の相良氏の援軍がこもった場所とされています。  【左】先に進むと現れる大手門跡。【右】大手門の左側にある山伏城と呼ばれる曲輪。修験者が詰めていたとされます。  【左】山伏城と枡形と呼ばれる曲輪の間の空堀。【右】山伏城から大手筋を挟んだ側に二の丸があるのですが,ここからはアクセスできそうになかったので先に進みます。この空間は山伏城,枡形,二の丸,本丸の四つの曲輪に囲まれた空間です。四方向からの攻撃を一斉に浴びる正に死地と言うべき空間では無いかと思います。  【左】左前方にある枡形と呼ばれる曲輪。紛らしく,何故この名称なのかも不明。【右】枡形に築かれた土塁。  【左】枡形から先程の空間を窺うとこの通り。狙い撃ちであります。【右】こちらは本丸虎口。右に屈曲しながら侵入する枡形虎口です。  【左】本丸の様子。【右】本丸でもやはり土塁を確認することが出来ます。  【左】本丸と枡形に挟まれた空堀をさらに奥に進みます。【右】抜けたところの空間はまた馬乗馬場とあります。広い空間ですので馬を走らせたのでしょう。  【左】上記の北西側には奥曲輪と呼ばれる曲輪群は広がっています。写真は最初に現れる左の奥曲輪。【右】こちらは右の奥曲輪の土塁。この辺りまで来ると整備がかなり荒れており,引き返しました。  【左】二の丸へは搦手門跡の手前を右に侵入し曲輪を回り込むようにしてアクセスします。大きく上段と下段に分かれており下段に入って来たあたりです。【右】二の丸上段の様子。  【左】二の丸にも土塁が築かれています。【右】帰りは搦手門跡から下りていきます。  【左】県道561号線のこの辺りに出てきます。【右】肝付城本城集落センターに戻る途中にあった一騎通し跡と案内された遺構ですが,一騎しか通れないような狭所を防御機構としたようです。肝付町立歴史民俗資料館です。ここで資料が無いか探しました。一時期は島津氏を凌ぐ程の勢いを持っていた大隅の戦国大名 肝付氏の本城は中々広大で南九州特有の縄張りを良く残す城跡でした。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第232回:[大隅]高山城(大隅の戦国大名 肝付氏の居城)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 鹿児島県の城郭
投稿日時 2017-04-02 01:00:25

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