鴾ヶ堂城 : 盆地を見下ろす地に築かれた地元国衆の拠点の詳細

鴾ヶ堂城 : 盆地を見下ろす地に築かれた地元国衆の拠点
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記事タイトル 鴾ヶ堂城 : 盆地を見下ろす地に築かれた地元国衆の拠点
概要

鴾ヶ堂城(つきがどうじょう)は播磨西部を流れる千種川沿岸の三重山に築かれた山城で、川が流れる盆地側からは急峻な岩山としてそびえ立っている。山の裏側には山岳寺院・医王山験行寺があり、岩盤が露出する磐座のような場所も残る。詳細は不明ながら江戸時代の地誌「播州赤穂郡志」にも「牟禮鴾堂の…… more 城」の存在が記載されている。近畿の城郭IIIによると、遺構から戦国期に織田方についた播磨国衆が毛利/宇喜多勢を攻めるための拠点の一つとして利用されたと考えられる、とある。現在は赤穂ふれあいの森として付近が整備され、岩盤の上には展望台が建てられている。盆地にあるJR有年駅からも山上の展望台がちょっとだけ見える。 <基本データ> ●名称:鴾ヶ堂城 (つきがどうじょう) ●所在:兵庫県赤穂市有年横尾 (地図) ●城主:小田治内? ●築城:不明 ●遺構:堀切、土橋、竪堀、石積など ●時間:40分 (1450−1530) 訪問時期:2020年5月 <訪問記> まずは験行寺(げんぎょうじ)を目指そう。赤穂ふれあいの森にある。目指す城跡はこの奥の山で、写真向かって右側あたりから山中に入ることができる。寺には中世の五輪塔もあった。展望台への道を進む。赤穂ふれあいの森として整備されているのでどこまでが城遺構かは分からないが、200年の森と名付けられた広場があった。200年の森からさらに奥へ。しばらく進むと堀切にあたる。資料によるとこの先の主郭部を守るために寺側に計4つの堀切が作られていたとか。よく見ると、右側に細い土橋があり、左側には太い道が通っている。右側の細い土橋。恐らくここが当時の通路だったのだろう。堀切は右側に竪堀として斜面に落ちている。左側の太い道は、展望台の整備の際に車が通れるように作られたものか。コチラにも細い土橋があった可能性もあるが今となっては不明。太い道側の斜面にも竪堀で落ちている。太い道を通って奥へ進む。正面左側が一段高くなっているのが分かる。整備のために道を通して右側の郭群を壊してしまったと想像される。奥まで真っ直ぐ伸びる太い道。左側が本来の郭群。このあたりから段々に築かれた郭群の内部へ入ってみよう。土橋らしき跡と堀切。郭群は本来、最初に見たような堀切が複数作られ寺側からの侵入を遮断していたようだ。郭内部から見返してみると確かに堀切がいくつか見えた。郭郡の一番奥まで進むと石積で固められた跡が残る。資料には櫓台跡か、とある。櫓台跡。恐らくこの上が主郭部か。一段高くなっており、外周土塁は折り曲げられ、左右の斜面には竪堀が築かれている。しっかりと固められ、曲げられた土塁。西側には土塁の横に入口が見える。西側下の鞍部から登ってくるルートがあるようで、左側は土塁に囲まれた虎口になっていて、ここから来る敵への守りを固めている。虎口の下を少し進んでいくと、大きな竪堀が掘られ下まで伸びていた。竪堀をよく見てみると岩盤を彫り抜いたような跡も。すごい。反対側、東側の斜面にも竪堀があるようで、少し降りてみよう。枯れ葉で埋もれているが、確かに現場では竪堀が視認できた。これら土塁や虎口、竪堀に守られた、恐らく主要部と思われる郭。広くて平ら。さらにその奥に進むと先端部に到達し、岩盤が露出している。上には展望台が建てられている。展望台の前に「鴾ヶ堂城跡」の標柱あり。ここはかなり展望がきくので、見張台として機能していたことだろう。展望台の奥にも岩盤むき出しの場所が。岩盤の奥は急斜面。コチラから上がってくるのは難しそうだ。そして眼下の盆地や川が丸見え。展望台は岩盤の先端に立っているのではなく、少し引っ込んだ場所に建っている。それゆえ、盆地にある駅からは3階部分が少し見える程度。では展望台に上がってみよう。かなりしっかりと作られている。三階へ到着。風が気持ちいい!展望台から見た北東方面。盆地を進むと相生方面へ続く。展望台から見た北西方面、川を登っていくと上郡から赤松(白旗城)を経て上月・福平へと到達する。おまけ:盆地にあるJR有年駅の駅舎から鴾ヶ堂城を見る。正面のポコっとした山がそう。超ズームすると、展望台の3階だけがちょっと見えているのが分かる。なお駅側から直接あがるルートもあるようだが岩石が露出した悪路コースとのこと。 訪問時期:2020年5月撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm 一番上へ戻る。 close

鴾ヶ堂城 : 盆地を見下ろす地に築かれた地元国衆の拠点
サイト名 城めぐりチャンネル
タグ お城
投稿日時 2020-06-28 01:20:02

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