第378回:三星城(作東の雄 後藤氏の居城)の詳細

第378回:三星城(作東の雄 後藤氏の居城)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第378回:三星城(作東の雄 後藤氏の居城)
概要

訪問日:2018年4月三星城(みつぼしじょう)は岡山県美作市にあったお城で市史跡に指定されています。標高233mの三星山に築かれ山頂が3つの峰に分かれていることが城名の由来とも言われます。築城は古く平安時代の1160年に土豪の渡辺氏によると伝わります。室町時代の1336年に地頭と…… more して入った後藤氏が,戦国時代の末期までの約200年間この城を居城としました。最も有名な武将は最盛期を築きながらも滅亡に至った後藤勝基(ごとうかつもと)でしょう。当初は山陰の覇者である尼子氏に従っていましたが,その後は備前の浦上宗景と結び備中の三村家親を退け,浦上氏と対立した後は毛利氏と結び凌ぐ等しぶとく戦国時代を生き抜いていきます。その後,備前では浦上氏を追った宇喜多直家が勢力を伸ばし美作の後藤氏と激突し,1579年 延原景光を将とする宇喜多軍が攻め寄せ三星城を巡る攻防が繰り広げられました。勝基は数に勝る宇喜多軍を相手によく守りましたが,最終的に落城し逃れた勝基も自害し後藤氏は滅亡しました。  ◆北東から見る三星城の遠景。アクセスは麓にある美作中央病院が目印になります。この方からでは三つの山頂は見えないのですが,登山口はこちらにあります。◆麓に残る合戦跡の標柱には三星城合戦妙見原古戦場跡一帯とあります。案内板には気の利いた縄張図なぞ無く,おおらかなイメージ図のみ。それぞれのピークに一の丸,二の丸,三の丸と名付けていますね。  ◆城の入口は明見三星稲荷神社の参道となります。◆少し登り米蔵跡を過ぎると現れる数段の削平地が屋敷跡の曲輪です。  ◆屋敷跡 下段の様子。◆屋敷跡の先端には分かりにくいものの土塁が残っており虎口もあったようです。  ◆屋敷跡よりの眺望。病院の背後であることがわかりますね。◆上段にある後藤勝基供養塔。  ◆ここから山城登山の本番です。◆最初にとりつくのは北尾根に展開された北曲輪群です。北から西側にかけて土塁(右側)が良好に残っています。  ◆さらにこの土塁は屈曲し横矢が掛かっていることがわかります。◆土塁の下には畝状竪堀が12畝も残っているとの案内が。  ◆下に降りてみると確かに竪堀と確認できるのですが,写真で明瞭に分る程の深さではありませんでした。◆矢印を入れてみましたが微妙ですね。  ◆さて北曲輪群からはより高所にある3つの峰を目指すわけですが,北曲輪の西側の土塁がずっと上まで続く登り土塁となっています。◆大分上がってきましたが登り土塁は右側をずっと伸びています。  ◆直線で登っていくとたどり着くのがこの三叉路。正面の急な階段を上ってい行くと中央峰の最高所。要するに主郭だと思うのですが,案内板や標柱は東→中→西で一の丸,二の丸,三の丸と示していますので二の丸への道ということになります。左が一の丸,右が三の丸になりますが,今回は左の一の丸から尾根上を三の丸へ進み右側から戻ってきました。◆一の丸へ左側へ進路をとると現れる岩井戸です。まだ水を湛えていました。  ◆山肌に沿って進み途中から高度を上げます。◆東曲輪群に入ったようです。  ◆ここが東峰のピーク。標柱には東一ノ丸烽火台跡とありこの部分は一段と高くなっています。◆東一の丸より南方へは階段状の曲輪群が続きます。  ◆東曲輪群の南端当たりの曲輪です。◆東一の丸より南に伸びる尾根には堀切や竪堀も確認することができます。  ◆元に戻り最高所である二の丸を目指します。◆ここが主郭に相当する最高所ですが,倒れた標柱には中二の丸と書かれてありました。非常に絶壁で視界が開けているため高所恐怖症の同行者は腰を抜かしそうになっていました。  ◆素晴らしい眺望です。◆中二の丸から西三の丸のある西曲輪群へ向かいます。道が消えかかってる!  ◆何度上ったり下りたりしないといけないのだろう。。。という中々ハードなお城です。◆西三の丸に到着。変哲のない曲輪ですが,中二の丸よりはスペースに余裕があります。  ◆西三の丸からも南に伸びる尾根に曲輪が展開しているようなのですが,整備もいまいちそうなので諦めました。これも合戦跡の標柱ですね。消えかかっていますが南西尾根(勝負谷米口合戦跡)と書かれてあるようです。◆再び山肌を進み先ほどの三叉路に戻ってきました。地味な美作の戦国史の中でも存在感を放っていた後藤氏の居城です。山登りはかなりハードですがスルーはできません。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへにほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第378回:三星城(作東の雄 後藤氏の居城)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 岡山県の城郭
投稿日時 2020-06-13 15:00:04

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