第204回:鎌掛城と山屋敷(蒲生氏の内紛で脚光を浴びた城)の詳細

第204回:鎌掛城と山屋敷(蒲生氏の内紛で脚光を浴びた城)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第204回:鎌掛城と山屋敷(蒲生氏の内紛で脚光を浴びた城)
概要

訪問日:2015年12月鎌掛城(かいがけじょう)は滋賀県蒲生郡日野町にあったお城です。標高374mの城山に築かれた鎌掛城は1502年 音羽城を本拠地としていた蒲生秀行の支城として築かれたと考えれらています。秀行の子である蒲生秀紀(がもうひでのり)の代となりますが,1523年 叔父…… more の蒲生高郷(がもうたかさと)との争いに秀紀は敗れてしまい,音羽城を去ることになりました。その代わりに入った城がこの鎌掛城であるのですが,1525年 秀紀は毒殺されてしまいました。山麓に位置する山屋敷は蒲生氏郷の父である蒲生賢秀(がもうかたひで)が隠居した場所として知られます。これらは蒲生氏郷が伊勢 松ヶ島城に移封となった頃に廃城となったと考えられます。  【左】鎌掛城の遠景,この山を登らないと行けません。最初に言っておきますが,今回相当厳しい部類の山城でした。【右】まずは山麓にある山屋敷跡を訪れました。前述のとおり蒲生賢秀が隠居した場所ですが,ここまでは案内の立て札も立っており,主郭とあります。  【左】山屋敷の内部は土塁で幾つかの部分に区画されているようです。【右】さらに山屋敷自体は山側以外の三方を土塁や堀で囲まれており,写真は東側の堀の内側にある土塁です。   【左】これが東側の土塁の外側にある堀の様子。【右】北側にもそれとわかる堀跡。  【左】南西側の堀。立て札には横堀とあります。もちろん内側には土塁も築かれています。【右】山屋敷へと山上の鎌掛城へは通路跡が残っており,これが大手道と伝わりますが,現在は途中で崩壊しており通行できないようです。  【左】大手道が崩壊しているとのことで,山屋敷から鎌掛城へは尾根筋を直登します。比高は150-160mですがともかくこれがキツイ!【右】登山の途中には国の天然記念物である鎌掛の屏風岩の上を通っていきます。  【左】このような岩場のような場所もあります。【右】尾根筋を断ち切っている堀切らしき遺構や小さな削平地が見えてくると,城域に入ったという目印です。  【左】苦労の末,主郭に到着しました。写真は西側の櫓台と考えられる高まりです。【右】主郭よりの眺望。狼煙のような煙が見えていますが何でしょう?  【左】主郭部には岩山である山上から削り出したような協力の土塁が巡ります。【右】この土塁は高さもかなりあります。  【左】主郭の東に開いた虎口,ここから二の丸へ向かいます。【右】主郭と二の丸の間は尾根筋に土塁やクランクを設けた複雑な通路で結ばれています。  【左】二の丸の手前の様子。二の丸から土塁が伸びて来ており,それに沿うような形で横堀と思われる窪み。ここから侵入します。【右】二の丸も主郭と同様に土塁で守られています。  【左】二の丸から北に抜ける虎口です。【右】虎口を抜けて下りていくとこの城の見どころの一つである井戸跡が見えてきました。人と比較してもその大きさがわかるでしょう。  【左】これは深くて大きい井戸。落ちたら大変です気を付けましょう。【右】井戸のある場所から北側に伸びる曲輪群に向かいました。ここも土塁がしっかり残っています。  【左】北側の曲輪の土塁もかなりの高さです。【右】土塁の間にぽっかりと開いた虎口。この虎口は前述の大手道に繋がっていたそうです。  【左】北側には面積の大きい曲輪が続きます。【右】井戸の場所に戻り東側に伸びる曲輪群に向かいました。ここでも土塁を確認することができます。水たまりの右側は土塁ですね。  【左】この場所は虎口のようになっています。矢印の通り右に曲がりますと下山できます。直進すると尾根の突端の曲輪に向かいます。【右】東側に伸びた曲輪群の最東端の曲輪です。  【左】前述の矢印のとおり下山します。道は行きの尾根筋直登と比べるとはるかに楽なようですが,これが結構わかりにくい道です。ビニールテープの目印を頼ることになります、【右】下りてきた場所がここで城の北東側になります。右の方に林の中に突入するのですが,こちらの入口は事前の下調べが十分で無いとわからないかもしれません。蒲生氏の歴史では欠かすことのできない鎌掛城ですが,山上まで辿り着くには厳しい尾根筋の直登か非常にわかりにくい登山道と難易度高い山城です。経験者の先導があった方が無難というのが正直な感想です。山屋敷の方は遺構も十分残っており楽に行けます。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第204回:鎌掛城と山屋敷(蒲生氏の内紛で脚光を浴びた城)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 滋賀県の城郭
投稿日時 2016-12-13 15:55:03

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