訪問日：2017年8月戸切地陣屋（へきりちじんや）は北海道北斗市にあったお城で国史跡に指定されています。1854年箱館港の開港に際し，箱館の守備を強化するために幕府が松山藩に命じて築城させた陣屋です。12代藩主 松前崇広（まつまえたかひろ）の時代で縄張りは松前藩士の藤原主馬（ふじ…… more わらしゅめ）によるものとされます。大砲時代に対応するための星形の縄張りで日本で最初の稜堡式城郭です。1868年の箱館戦争では松前藩が守備するも，旧幕府軍の侵攻の前に自ら火を放って自落しました。  ◆戸切地陣屋の遠景。現在は公園整備されており駐車スペースも十分です。◆大手口の復元された表御門があります。現地の案内板より。四方に展開した稜堡式城郭ですが，砲座は東の稜堡に集中しており他より先に突き出していることが分かります。  ◆大手口前の土塁とその前に掘られた堀です。土塁も堀もそれぞれ3m以上の高さがあるようです。◆虎口の奥には内部の見通しを妨げるため馬隠しと呼ばれる土塁が築かれています。  ◆大手馬隠しの前にある史跡 松前藩戸切地陣屋跡の城碑。◆大手土塁の断面。かなりの高さであることが分かりますね。  ◆郭内の様子。建物は残っていませんが建物跡は平面展示されています。◆写真は蔵跡。  ◆これは目付詰所跡。◆搦手側の馬隠ししの裏側にあるスロープです。この上にも大砲を乗せたのでしょうか。  ◆搦手口を内部から見ています。手前は馬隠し。◆搦手に復元された裏御門。  ◆搦手側の堀。◆北側の稜堡にある祠です。このあたりには鉄砲入跡や米蔵跡があります。  ◆攻撃の要である東側の稜堡には大砲入跡があります。◆東稜堡の砲座。砲座はこの方面に集中して置かれています。  ◆土塁の窪みから大砲を突き出す構造であったようです。◆土塁の外側から見るとこのような感じ。窪みに大砲が並んでいる様子を想像すると中々の威圧感です。手前には堀が掘られている様子がわかります。戦う前にして捨てられた城ですので実戦経験が無く遺構の残存状況が良いですね。こじんまりとしていますが公園整備もされており稜堡式城郭の雰囲気を気軽に感じることのできる場所です。 close

第358回：戸切地陣屋（幕末の動乱期に築かれた日本最初の稜堡式城郭）