訪問日：2017年5月百地城（ももちじょう）は三重県伊賀市にあったお城です。百地丹波守城，百地氏城，百地砦 等 多くの別名があります。築城年代は定かではありませんが，伊賀の喰代で勢力をもった百地丹波守の城と伝わります。百地氏は一般に百地氏は伊賀の忍者衆を束ねる上忍として知られ，織…… more 田信長軍による伊賀侵攻として知られる天正伊賀の乱でも活躍しました。1578年の戦いで伊賀一揆は織田軍を撃退したものの1581年の二度目の戦いでは五万の大軍を送り込まれ制圧されました。  ●城跡へは墓地と青雲寺の間の小道を進みます。一瞬切通しかと思いましたが，この道は後で付けられたようです。●小道を抜けると堀跡とされる丸形池が現れます。先に主郭にあった案内板の縄張図を提示しておきます。単郭のような小規模な城館であることも多い伊賀国でこれは中々の規模の城と言えます。  ●丸型池の先(南東側)にも藪に覆われた空堀跡があります。●青雲寺のある部分は上の案内図では郭Dにあたり曲輪の一つであったことがわかります。  ●この道は主郭と郭D（青雲寺）の間の堀切となります。●堀切の道(左側）を北東側から見ています。左が主郭，真ん中は青雲寺の曲輪に残る土塁か櫓台のような高まり。右側に駐車場が見えています。  ●主郭へは南側の空堀との間を進みます。●お出迎え。  ●主郭南虎口に到着。●主郭内部の様子。この写真でも周囲を土塁で囲まれていることが分かります。  ●城碑には百地丹波守城趾とあります。●高い！ 2mを超える主郭の土塁。  ●主郭の北東側に開いた虎口。●主郭の東側，郭Bとの間の堀切。  ●堀切の北側は竪堀となって伸びていきます。●郭Bの内部，面積が大きい曲輪ですが土塁などの設備がありません。駐屯所のような役割か。  ●最も東側の郭Aは北から東へ土塁が築かれています。●郭Aの土塁の様子。  ●郭Aの東橋にある虎口。●この虎口は屈曲した枡形虎口となっており，東の集落に対する守りを固めていたようです。百地と言えば忍者として有名な百地三太夫。ですが，そもそも江戸時代の読み物に登場する架空の人物と考えられており，百地丹波と同一というには論拠が無いということです。いずれにしても，ここは伊賀の豪族を代表する百地氏の居城であり，伊賀の典型的な単郭方形の城郭と比較すると規模も大きく見所も多いお城かと思います。 close

第351回：百地城（伊賀の上忍 百地丹波の城）