美濃 境城  和良の大三角、頂点の城の詳細

美濃 境城  和良の大三角、頂点の城
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 境城  和良の大三角、頂点の城
概要

美濃 境城 (岐阜県郡上市和良沢・上野山)前回の野尻城散策に続いて尾根伝いに境城にも登ってみます。野尻城の比高が70メートルに対して境城の比高はなんと300メートル!野尻城を実に4つ分を登る、という事になります(尻込み)。野尻城背後にそびえる境城、位置関係を遠望します。しかも登山…… more 道は尾根沿いとはいえ非常に険峻で厳しいルート。野尻城には散策案内が示されていますが、さすがに境城にはそれがありません。登山者は自己責任で地形を確認しルートを辿る慎重さが求められます。野尻城・境城見学の際は獣除けフェンスの扉を通過します。(ここまでは同じ)野尻城出丸の北東尾根からルートを辿ります。(境城への案内はここだけ)境城城址碑も何故か野尻城出丸尻の(無関係な)場所に立てられています。「この先の山の上が境城ですよ」という先出し配慮でしょう・・。何もえらい目して登らなくても「行った事にさせよう」とする優しさなのでしょうか。しかしそんな配慮は我々には無用というもの。むしろそういった手付かずの山城探訪にこそ本懐があります。ここを起点に意を決して登ってみます。城址碑が立てられている、という点では大変感謝したい気分です。登山道入口に立っている境城城址碑ですが、整備された道ではありません。荒れた尾根道を木々を薙ぎ払い、或いは倒木をまたぎ、潜ったり・・、結構大変です。途中途中で休憩を入れながら頂上を目指します。やっとのおもいで頂部に着きますが、しばらくは自然地形の平地が続きます。この平地、手を加えれば格好な曲輪になりそうなものです。・・はて?何故この平地を城郭内に取り込まないのか?疑問が湧きます。しかし、しばらく歩くといきなり大きな堀切が現れます。前触れなく現れる境城の西堀切。堀切は途中から竪堀となっていきます。谷を利用するでもなく、山の斜面ごと断ち切るといった感じのやや強引な堀切。山頂部の西方面を南北に大きく遮断しています。横からみるとこんな感じ。ここを堀り切った理由を知りたし・・。境城の本丸。堀切を越えるとよく広く削平された曲輪となります。ここが境城の中枢部になるのですが、最初はわかりませんでした。山の最高所であっても尾根筋との高さレベルが同じだからです。本丸の西側微高地には今は朽ちてしまった「鎧掛けの松」の跡があります。こちらは本丸東側の堀切。即ち境城の本丸は東西の大きな堀切に仕切られた間部分を主郭としています。山頂ピーク部が広いため適度な場所に堀切を入れ、主郭部としたようです。東堀切も西堀切とほぼ同規模で同じ性格、鏡写ししたような堀切配置が印象的。本丸の南側にのみ腰曲輪が展開しています。大きな堀切に挟まれた主郭部と堀切外側の未整形曲輪で成り立ちます。境城は麓の和良地域を広範囲にわたって見渡すことができる絶好の場所。そのため周辺地域を治める在地土豪の城と見てよい、とは思います。しかしその役割は麓の野尻城だけでは役不足だったのでしょうか?高すぎる標高に突出した堀切遺構、またその規模に伴わない内部遺構・・。そして南方面にのみ展開する腰曲輪と曲輪にも相当する面積の未整形空間。これらをみると麓の野尻城の詰め城というよりは別目的の城郭とも考えられます。長期間使われたのであれば未整形空間も何らかの普請が充てられるはず。その点、陣城の類における臨時駐屯空間とする見方もありえないでしょうか。未整形空間もなんらかの形で利用されていたのではと思えてなりません。境城の築城年代や機能した期間等は詳しくはわかりません。和良遠藤氏が野尻城と共に築城したものなのかも不明です。でも両城を直接結びつけることはその完成度からも断言できないところですね。次回はもう一つの支峰、太鼓部屋砦に下ってみます。レ点は山頂一帯の境城を示します。Ⓢは野尻城で、Ⓖは太鼓部屋砦の位置を示します。三つの城郭を一度に効率的に見学するのであれば野尻城→境城→太鼓部屋砦の順番に尾根を伝うといいと思います。但し冬でもかなりの汗をかきますので着替えと多めの水分・補給食を用意したいところ。 close

美濃 境城  和良の大三角、頂点の城
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 郡上市の城めぐり
投稿日時 2020-01-20 17:40:01

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