美濃 長尾城  険しい山上に2つの城域がの詳細

美濃 長尾城  険しい山上に2つの城域が
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 長尾城  険しい山上に2つの城域が
概要

美濃 長尾城 (岐阜県郡上市明宝奥住長尾) <市指定史跡>さて、ここまで郡上市内の旧明宝村に伝わる城めぐりをしてきています。郡上久須見城から始まり、寒水城、畑佐城、とめぐり、今回で最後となります。その明宝村の城シリーズ第4弾目・最後は長尾城です。村内から見てここ長尾城が一番奥地に…… more なるので順番的に最後になった・・。のではなく、山が高くて登りためらい後回しの上最後になった、という事です。しかし避けて通れない運命はいずれやってくるのです(-_-;)。気合で山頂までの比高250メートルを上がっていきます。尾根道の直登法でしたので迷うことはないにせよ、体力消耗と引き換えです。登って山頂付近を歩き回ってみると2つの城域と思われる箇所がみられました。先に言ってしまいますが、このことを頭に入れておいていただけると話が早いです。長尾城は「ながおじょう」と読むと思いきや、「なごじょう」と読みます。当時の在地土豪笹尾氏が使用した城と伝わるのみで不明な城です。麓の集落にも民家はそんなにありません。尾根筋に沿って木材流し道が掘られています。「背負引き道」とか、「そり道」と呼ばれるかつての林業で使われた壕址です。伐採した木材を麓まで運び落とす際に使用されました。このような壕が郡上郡の山中には多く見られます。一見すると竪堀のように見えたりします。しかし尾根に沿って麓に向かい長く伸びているので判別できます。また一般的には城址内では史跡破壊を避けるため掘られないものです。(もちろん例外もあり、史跡認識度の違いでお構いナシというところも・・)元々木材流し落としの施設です。登山道だと思って壕の底を辿って行くと大変疲れます。そんな時はすぐ脇の袖道を登っていくと意外とラクです。そうこう言っているうちに頂上に辿り着きました。粗雑ですが広~い平地に到着。・・ん?、でもやはり自然地形かな?仮にここを主郭としても周囲の端部はなだらかな自然の山。切岸も見当たらず、腰曲輪もありません。奥に若干高くなった台地がありますが、これも自然地形のようです。若干高くなった台地があるだけ。人工の跡は感じられない。でもちゃんと城址碑が立てられちゃってるってことはここが城址 。広大な平地をもって天然の城としたのでしょうか。虎口や堀切、土塁などと積極的に呼べる遺構も見当たりませんでした。城を築くにしてもいささか広すぎる面積です。・・ちょっと納得いかないところであります。周辺尾根を歩いてみます、ここから南東に延びる尾根があり辿ってみました。そちらには切り立った尾根のピーク上に明らかなる人工削平地が見られます。しかも上・下2段の郭に分かれていて、こちらの方がずっと城郭らしく見えます。樹木で荒れてはいるものの、人工的な削平地をもつ南東尾根郭。中央に置いてあるのは自分の相棒バックパックです。こちらは周囲も切り落としてあり整形された痕跡があります。東の下にもう一つの曲輪があります。切り落とされた周囲の傾斜面。尾根筋にはわかりにくいですが片堀切からの竪堀らしきものも。自然地形との判別が難しいところですが少しひいき目もあります。堀切を入れる場所としては理にかなっているからです。土橋が残されているのも審査ギリギリといったところでしょうか。郡上方面の眺望が得られない主郭部に代わって設けられたのでしょうか?尾根の先には窪みが見られ狼煙台の跡のようにも観察できます。ちなみにこちらから麓に降りることは叶わないほどの急斜面です。長尾城は集落からの比高も高くどちらかいうと隔絶されています。城といってもほぼ自然地形に頼った造作です。何か他に目的を持った遺構かもしれません。明宝村4つの指定史跡城を制覇したい方は是非登ってみていただきたいです。そして自分が見いだせなかったこの城の遺構や歴史背景など・・。発見されたことや感じたこと、知っていることを教えて頂ければ幸いです。レ点は長尾城の城址碑が立つ主郭部です。Ⓢから尾根を登りましたが、西隣の尾根からも登れます。Ⓖは南東部の尾根に残る尾根遺構があります。 close

美濃 長尾城  険しい山上に2つの城域が
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 郡上市の城めぐり
投稿日時 2020-01-20 17:00:02

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