香川・丸亀城 ~ 総体高さ日本一の石垣を堪能の詳細

香川・丸亀城 ~ 総体高さ日本一の石垣を堪能
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記事タイトル 香川・丸亀城 ~ 総体高さ日本一の石垣を堪能
概要

先週末は愛馬の出走はありませんでした。久し振りですが城巡りアーカイブスネタで今回はまいります。 前回シリーズから一転、四国は香川県のお城です。香川県丸亀市にある丸亀城跡です。ここは日本100名城に選ばれたお城で、その見事な高石垣は近くに住まない人間でもぜひ一度は見てみた…… more いお城跡です。 この高石垣は4重構成になっていて、その合計=総体60mの高さは全国一位。単体の石垣でも大坂城(実測33m)、伊賀上野城(同30m)に次ぐ全国三位(同22m)。大坂も伊賀上野も築城史上著名な武将が関わっているから全国的に知られていますが、この丸亀城ももっと多くの人に訪れて頂きたいお城です。登城は9年前の2010年5月です。 ○丸亀城 お城はJR丸亀駅から徒歩で行ける距離にありアクセスは良好。すぐこの景色が拝めます。大手門から石垣を連ねて本丸の天守閣まで見通せます。 手前には大きな水堀。いやーすでに見事です。 こちら大手一の門。立派な造りです。他にも門がいくつかあるようなんですが写真が見当たらず。この一の門は重要文化財です。 いいですねー。この扇の勾配は。この高石垣は素晴らしい! なぜこの写真を撮ったのかはちょっとわかりません。積み直し感が満載の石垣を撮りたかったとしか思えない(笑) すでにけっこうな高さなんですよ。ちょっと霞んで瀬戸内の海が見えます。 石垣の間の折れを回りながら上を目指していきます。高くなくてもこの石垣が立派なものであることに違いはない。こういう空間もかなり好きですね。 讃岐富士と呼ばれる飯野山(422m)。キレイな山の形をしています。富士山に例えられるのもわかる気がする。 本丸に到着~「御三階櫓」と呼ばれていますが、これ事実上の天守ですよね。現存天守閣にも数えられているし。1943(昭和18)年に当時の国家保存法に基づき旧国宝に指定されています。その後1950(昭和25)年、改めて重要文化財に指定され、1953(昭和28)年には国指定史跡となります。 高いですねー 三の丸の井戸が見えます。 この石垣群と縄張りの感じがいいですね。こういうアングルもけっこう好きなんです。ちょっと廃墟感が強くなります。 大手門のあたり・・・だったはず。枡形虎口が本当に良くわかる一枚。城郭の縄張りとしては最盛期の江戸初期築城であることがよくわかります。戦時を十二分に想定している、という点で。 この登城道の脇のちょっとしたスペースの石垣の上にも往時は櫓が塀が巡らされていた事が想像できます。街も含めたこういう図式もよい。 天守閣を改めて。現存天守の中では最も小規模ではありますが、しっかりと造りが残っているのがいいですね。江戸幕府開府以降に完成を見た城でもあり、天守閣を豪勢に造ることは外様大名(生駒氏:高松藩)では憚られるところ。天守の規模は致し方ありません。 帰りは搦手口へ下りてみました。ちょっと寂れている感がこちらにはありました。 高石垣と登城道。育った大木と合わせて見ていただけると良い一枚と思いました。陽の光の入りもちょうど良かったです。 いかがでしょうか??丸亀はうどんだけではないのです。四国はここ以外でも名城の宝庫。こちらもぜひ、一度は訪れて頂きたいお城です!! ○丸亀城とは? 丸亀市の市街地に位置する亀山(標高66m)そのものを城郭としたほぼ四角の縄張りを持つ渦郭式の平山城になります。その見事な石垣は山麓から4重に築かれており、その合計した高さは60m。この高さが日本一の高さになっています。三の丸の石垣の高さは22mですが、あの大坂城が33m、伊賀上野城が30mですから決して見劣るものではありません。前半の写真の石垣を見て頂ければわかりますが、上へいくほど直線になる「扇の勾配」と呼ばれる石積みは見事なものです。 頂上にある本丸には天守として三階櫓が建てられており、現代に残る「現存十二天守」の一つに数えられています。この天守がいつからあるのかについては未だ諸説があって定かではありません。往時は城を取り囲む内堀沿いに武家屋敷が、その外側には外堀があって大きな城下町を形成していました。天守の他にも大手一の門、二の門が重要文化財になっており、現存する建築物は藩主玄関先御門や番所、御籠部屋、長屋が残るなどなかなかの遺構を持っています。また、非常に珍しい木型の立体模型(幕府に提出したもの)もあります。 今の城の前身は室町時代に讃岐守護であった管領・細川頼之(室町2代将軍・足利義詮、3代義満の下で活躍)の重臣であった奈良元安の築城によります。今見られる城は織豊大名の一人で豊臣家三中老であった生駒親正(1526~1603)が讃岐一国17万石を与えられて1597(慶長2)年に入国し、本拠地・高松の支城として丸亀を整備してからです。この壮大な石垣を持つ城は、約6年の歳月をかけて1602(慶長7)年に完成を見ました。 この城が存立の危機に立たされたのは1615(元和元)年のこと。かの一国一城令が発令され、本拠である高松城以外の城を生駒氏は破却しなければならなくなりました。この時期は大坂夏の陣が終わって間もない頃。本当に平和な時代が来るなど多くの戦国を生き抜いた武将には思えない時代。しかも、支城とはいえ手や金を掛けて完成させた大事な城です。 時の高松藩3代藩主・正俊(1586~1621)は城を樹木で覆い隠し、破却を免れたと伝わっています。どんな方法があったにしろ、丸亀城はここで破却されなかった事だけは事実。このような事例は「城」を「要害」「御館」などと呼び変えて幕府の眼をくらますなど、伊達政宗の仙台藩などでも見受けられます。 1640(寛永17)年に生駒氏が有名なお家騒動「生駒騒動」によって転封となったため、肥後の天草地方を治めていた山崎家治(1594~1648)が5万石で移ってきました。ここに独立した「丸亀藩」が立藩されることになります。島原の乱から日も浅いこの時期に、その拠点の一つであった天草から来た家治に対し、幕府は銀300貫を与え参勤交代も免除して城の改修工事を進めさせました。これは瀬戸内の島々に隠れているキリシタンの蜂起に備えたものではないかとも言われています。 1658(万治元)年、山崎氏が無嗣断絶となると、播磨国龍野から京極高和(1619~1662)が6万石で移ってきました。この高和は以前、福井県小浜市の小浜城で触れた京極高次の流れを汲みます。彼自身は高次の子・忠高の養子ですが、忠高の弟・安毛高政の子ということですから、高次の孫にあたる人物です。京極氏は高次の弟・高知の家系も幕末まで数家に分かれながら続き、この高次の家系もここ丸亀藩主として明治維新を迎えました。高和が丸亀に入って200有余年、京極家は改易されることなくずっと丸亀藩主として続いたのです。 この高和の代である1660(万治3)年、丸亀城の大手門はそれまで搦手であった今の位置に移されました。それまでの海に背を向けた城の造りから、海を見る側に玄関を変えたことになります。これは山崎氏の時に始めた大改修の一環でもありました。 この大改修が完成を見たのは1673(延宝元)年のこと。足かけ32年の歳月をかけた大改修でした。今見られる城の遺構の大半はこの時までに完成したものです。 2006(平成6)年には日本100名城の一つに指定され(78番)、今に至っています。 城はJR予讃線・丸亀駅から徒歩で1Kmちょっとにあります。私は電車で行きましたので車だとどこに停めるのかちょっと不案内です。城は現在、亀山公園とも呼ばれており非常にアクセスのよい城跡と言えるでしょう。四国は先述した通り名城の宝庫。その城巡りの一つにぜひこの丸亀城も加えてみてください!! close

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投稿日時 2019-10-09 01:00:05

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