尾張 龍泉寺城  織田信勝と羽柴秀吉、それぞれ宿命との対峙の詳細

尾張 龍泉寺城  織田信勝と羽柴秀吉、それぞれ宿命との対峙
久太郎の戦国城めぐり
ページの情報
記事タイトル 尾張 龍泉寺城  織田信勝と羽柴秀吉、それぞれ宿命との対峙
概要

尾張 龍泉寺城 (愛知県名古屋市守山区龍泉寺1丁目・龍泉寺)お城好きな皆様、残暑お見舞い申し上げます。お盆休みを挟んで長らく放置されたブログに戻ってまいりました。猛暑と台風の到来で予定していた諸計画は吹き飛んだ夏休みでしたが・・。さて、前回では上条城(ジョウジョウジョウ)を気分ジ…… more ョウジョウで紹介いたしました。今回は上条城から続いて庄内川を渡った龍泉寺城を訪問しました。車内では「mihimaru GT」さんらの『気分上場↑↑』を聴きながら一人アゲアゲ。一人の時は夏でも車内エアコンを入れないのがどうでもいいポリシーです。窓全開でのノリノリ運転は傍迷惑もいいとこかもしれません。・・本音をいいます、エアコンジムニーJA22=走らない説は本当なんです・・(哀)。名古屋城を鎮護する尾張四観音のひとつが龍泉寺です。徳川家康は名古屋城築城の際に、鬼門の方角にあたる古刹に注目。名古屋城の鎮護として尾張四観音を定めました。尾張四観音(↓)はどこも尾張の代表的な開基千数百年以上を経た古刹です。愛知県名古屋市中川区荒子町の荒子観音愛知県あま市甚目寺の甚目寺観音愛知県名古屋市守山区竜泉寺の龍泉寺観音愛知県名古屋市南区笠寺町の笠寺観音仁王門は重要文化財に指定され、多宝塔も美しいですね。そして境内裏側には模擬天守が隠れています(*^_^*)。この模擬天守、なにせ歴史考証を欠くが故にあまり知名度がありません。知る人ぞ知る、といった隠れ天守スポットかもしれません。それでも「天守(建物)至上主義」の城郭ファンにとっては一度は訪れるに値します・・。・・かな??(;^_^A)模擬天守内部は宝物館となり、重要文化財の木造地蔵菩薩像や円空仏などを見学できます。気を付けたいのは日曜・祝祭日のみの開館で、開館時間は午前9時から午後3時です。拝観料が200円です。平日は見学できません。「扇の勾配」なのですが、控えめな現代建築の美しさを楽しめます。模擬天守に隣接する日本庭園もなかなか手入れされていていいですね~。おお、展望台もありますよ!行ってみましょ。ここからは春日井小牧方面から名古屋を見事に一望できます。ほぼ真西方面に清州城、南西に名古屋城、北西に小牧山城がしっかり見えます。眼下には庄内川が流れ、松河戸の渡しも監視できる要所です。小牧長久手合戦の際、秀吉軍の三河中入り部隊三好本隊はこの地点を渡河しました。展望台も下から見ると櫓風でしっかりとした構造に見えます。・・ところで。自分は学生時代に龍泉寺の夜祭りで警備員のアルバイトをしたことがあります。その時、お寺の方のご厚意でここから名古屋の街の夜景を見せていただきました。お寺の方曰く「百万ドルの夜景」だとおっしゃっていましたが、本当に綺麗でしたよ。さて、龍泉寺には城郭としての遺構もあるので見ていきたいと思います。龍泉寺城は弘治3年(1557)織田信長の実弟:織田信勝によって築かれました。「織田信行」という表記は最近は改められ、徐々にこちらの名が浸透してきていますね。信勝は岩倉城主・織田信安と組み兄:信長と争った際に築城したと伝えられます。信長の家臣として協力的一門衆の座に落ち着くことができなかった信勝。本人の気性か、取り巻く家臣や実母の影響か、兄弟で争うことになります。本拠・末森城から支城を築くこと自体、信長にとって脅威な存在だったことでしょう。北側に残る空堀は「豊公一夜堀」と呼ばれる堀があります。後年、天正12年(1584)小牧長久手の合戦において羽柴秀吉がこの城に来陣します。家康は長久手にて羽柴別働隊を壊滅させた後、小幡城に入ります。救援に駆けつけた秀吉は小幡城の目と鼻の先であるここ龍泉寺に着陣。長久手での敗報を聞きつけ短期間で堀を掘ったのがこの一夜堀だそうです。秀吉の手にかかると、なんでもかんでも「一夜」なんですね・・。しかし突貫で掘りまくったにも関わらず、眼前の家康は既に小幡城から撤収していました。常に秀吉の一枚上手をいく家康は冴えてますね。堀の外側には幅2メートル程の土塁がめぐっています。土塁がめぐる堀底の様子です。主郭側の法面は急な勾配となっています。堀底に降りる途中には「豊公旧跡」と彫られた石碑もあります。庄内川南岸の崖上に位置する龍泉寺城。手前の庄内川には松河戸の渡しがありました。小牧長久手の戦の折には、三河中入り隊がここから渡河します。総大将・三好信吉(秀次)らも白山林に向かって渡河移動します。 この地点は庄内川が大きく南行から西行にカーブしています。河川敷は以前は砂石取場になっていた程の浅瀬。現在でもゴム草履か長靴で横断できてしまうところがあります。龍泉寺城からの眺望は信勝の兄・信長に対する剥き出しの牙を感じました。また秀吉得意の人海戦術による一夜堀遺構も家康との強い決着意欲を感じました。両者ともお互い因縁ある相手との駆け引きに利用されたんだ・・と感慨深かったですね。次回は小幡城の記事を予定しております。 close

尾張 龍泉寺城  織田信勝と羽柴秀吉、それぞれ宿命との対峙
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 名古屋市の城めぐり
投稿日時 2019-08-24 00:40:06

「尾張 龍泉寺城  織田信勝と羽柴秀吉、それぞれ宿命との対峙」関連ページ一覧

新着記事一覧

<打込み接・布積み(関八州)> 江戸城、小田原城、佐貫城


シロスキーのお城紀行
「石・石塁・石垣シリーズ」は、昨日から、下記の分類表「①②-(4)打込み接・布積み」の石垣を導入しているお城を、再び日本の北から南にかけてご紹...
シロスキーのお城紀行
2022-09-26 01:00:04

中城城 日本100名城 沖縄 路線バスで行く世界遺産5城 5-4


hachiの日本100名城 続日本100名城 お得な切符で行く 鉄道・バスの旅
 ◆中城城 三の郭の石積 またかなり間が空いてしまいました。引き続き3月中旬に久々に沖縄、世界遺産5城を2泊3日で路線バスを利用して...
hachiの日本100名城 続日本100名城 お得な切符で行く 鉄道・バスの旅
2022-09-25 14:40:05

<打込接・布積み(奥羽・出羽)> 弘前城、盛岡城、仙台城、会津若松城


シロスキーのお城紀行
「石・石塁・石垣シリーズ」は、「①②-(3)打込み接・乱積み」を日本の北から南まで展開しているお城の写真をお届けしてきましたが、昨日で一応終了...
シロスキーのお城紀行
2022-09-25 02:00:03

讃岐小豆島 星ケ城  西峰と東峰から成る素晴らしい眺望の山城


久太郎の戦国城めぐり
讃岐小豆島 星ケ城 (香川県小豆郡小豆島町安田・星ケ城山) <県指定史跡> <ちょっと小豆島まで行ってきます・②>坂手港から安田館を訪問した後...
久太郎の戦国城めぐり
小豆島の城めぐり
2022-09-25 01:40:03

第439回:江馬氏下館(北飛騨における江馬氏の繁栄を示す城館跡)


こにるのお城訪問記
訪問日:2021年11月江馬氏下館(えまししもやかた)は岐阜県飛騨市にあった城館です。江馬氏城館跡の一つとして国史跡に指定されています。北飛騨の雄...
こにるのお城訪問記
岐阜県の城郭
2022-09-25 01:20:03
;