尾張 上条城  三河中入り隊、渡河前の駐留地点の詳細

尾張 上条城  三河中入り隊、渡河前の駐留地点
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 尾張 上条城  三河中入り隊、渡河前の駐留地点
概要

尾張 上条城 (愛知県春日井市上条町二丁目付近一帯)「晴耕雨読」という四字熟語があります。晴れた日は外で活動し、雨ならば内にて活動するという人間本来の姿を表しています。・・しかし昨今の夏の暑さ、日中での野外活動は熱中症の危険と隣り合わせですね。夏の城めぐり、いつもより多めの水分を…… more 用意して、自販機の有効活用をしましょう。さて、今回訪れたのは春日井市の上条城です。「じょう・じょう・じょう」と読みます。珍しい城名は一度聞いたら忘れられないジョウ・・。上条城は現在、個人管理敷地内ということで外観からの見学になります。まず、上条城本丸の跡地には個人邸宅と林がありましたが、近年取り壊されています。現在は一部の堀や土塁等の遺構を残しつつ本丸を月極駐車場として活用されています。立ち入り禁止区域となっていますので、この点に留意しての見学とさせていただきました。市街地の中に残っている上条城の土塁。土塁が北西隅の櫓台を含めて東西約70m、南北50mのL字型に残っています。高さは最高点で6mほど、平均3mほどの高さです。土塁の下には石積による補強が施されていますが、これは後世の土留め処理かもしれません。本丸南西隅部の土塁と堀の跡です。かつては本丸を取り巻くように土塁と堀を巡らし二重の堀をもった一大城郭でした。本丸と二の丸とを含めた三ノ丸の規模は東西約370m、南北約340mにも及んでいたそうです。地内には林氏屋敷の母屋が現存し堀跡は側溝などに利用され、その大部分は宅地化されています。『東春日井郡誌』より転載、上条城の縄張りです。本丸北側の堀の様子です。すみません、ちょっとオーバーネットしてます 「人呼びの丘」といわれる天守に相当する櫓台の跡です。この櫓台は平時は見張り台として機能していたそうです。戦いの時には村人を招集したり、水害時には頂上に登って村人に知らせたとされます。丘の片隅には大国主命を祀った神殿と、磯城津彦命と祖先・今井兼平を合祀した祠もありました。上条城跡の脇にある林家屋敷跡の石碑上条城は建保6年(1218) 小坂光善が上条城を築城したのが始まりとされます。時は鎌倉時代なので、歴史的にはかなり古くからの城館ということになります。子孫の林重之の代に、名字を「小坂」から「林」と改姓しました。戦国期になると、弘治2年(1556) 織田信長は小坂孫九郎尉宗吉を上条城城主に任命します。雄吉は信長の命令で家臣の佐久間氏らとともに上条城の拡張のため大改修を行ないました。後に織田信雄の傅役を務め、信雄より「雄」の1字を拝命し、小坂孫九郎尉雄吉と改名します。天正12年(1584) 小牧長久手の戦いの際、上条城は池田恒興からの要請をうけ羽柴側として協力。城跡を修理して再び城砦化し、庄内川の渡河案内などをしました。池田・森隊率いる軍が一時的にこの城に入城し二泊しています。この地に集結した三河中入り隊の面々は3つのルートに分かれて進軍していきます。かつて邸内にあった上条城跡の石碑。(1987年4月1日 撮影)当時撮影許可を承諾していただき撮らせていただいた一枚の貴重写真です。邸地内は鬱蒼とした林となっており、少しだけ遺構の見学もさせていただきました。番犬が放し飼いされており(案外おとなしかったですが)ちょっと怖かった記憶です。今はこの石碑も行方不明だそうで、現地でも遠目に確認できませんでした。篆書体(てんしょたい)と呼ばれる最も古い漢字書体で彫られていたこの石碑。めったに目に触れることができない書体にして、最も歴史ある書体です。とっても渋くてカッコいい、私の中で一番のお気に入り城跡石碑になりました。帰りの電車内でも興奮冷めやらず、益々城めぐりが好きになっていきました。そして邸内を見せていただいた家主・林さんには多大な感謝に溢れていました。もうお目にかかれることはないのかと思うと残念でなりません。背後に土塁が写っているこの写真は私の大切な一枚になりました。わたしが城めぐりを始めたばかりの、まだ16歳・高校1年生の春のことです。懐かしく思い出深い、春日井市の貴重な城館遺構、上条城でした。上条城の本丸位置と石碑のある位置をマークしてみました。月極駐車場内からの目視見学は可能ですが、バリケード設置されている敷地内は立ち入り禁止です。北側の道からは深い堀の様子も見学できます。マナーを守って見学しましょう。 close

尾張 上条城  三河中入り隊、渡河前の駐留地点
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 春日井市の城めぐり
投稿日時 2019-08-06 01:00:01

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