訪問日：2016年6月三田村城は滋賀県長浜市にあったお城です。現在は伝正寺になっている場所に中世の平城，城館跡として貴重な遺構を残し，北近江城館跡群の一つとして国史跡に指定されています。北近江の雄であった浅井氏の家臣として勢力を持っていた三田村氏の城館で三田村氏館とも呼ばれます。…… more 1570年 姉川の戦いの際に，三田村氏は横山城を守っていましたが，浅井・朝倉連合軍の将の一人である朝倉景健（あさくらかげたけ）が本陣として使用した可能性が高いようです。  【左】西側に居館の虎口が良く残っています。車も前に止めました。【右】この場所の案内板には縄張図無く，三田公会堂にありました。先に提示しておきます。単郭の城館では無く，土塁を伴った複数の曲輪が存在したことがわかっており，平城という方が適切でしょう。  【左】虎口前の畑地が西側の堀跡となっています。【右】虎口に横にある鐘楼は土塁の上に乗っているのですが，この場所の土塁は幅広く櫓台であった可能性が高そうです。  【左】主郭部分にある伝正寺の本堂。【右】西側の土塁。高さは2-3mの土塁は破壊された北側を除き，伝正寺の周りを囲んでいます。  【左】境内にあった三田村氏有縁之碑。【右】南側の土塁。  【左】東側の土塁は折れを伴い，幅広くなった部分は櫓台と想定されています。【右】主郭北側の土塁は道路などに破壊を受けています。  【左】伝正寺の北側道路を挟んだ場所にある三田公会堂。こちも曲輪であったことがわかっています。建物の右手に土塁が見えています。【右】公会堂横の土塁。奥でL字形に曲がっています。  【左】土塁の外側には水路が流れており，堀の名残であると想定されています。【右】堀は北に進み土塁に沿って曲がっています。  【左】伝正寺の東側には写真の天満神社や景流寺があります。堀の延長線上から推定すると屋敷などがあった曲輪である可能性も指摘されています。【右】三田村城の南約1kmには姉川が流れており，ここが有名な姉川の古戦場となります。三田村城は姉川の戦いにも一役買ったであろう城跡ですが，何より集落の中にあってしっかりと土塁が残っているのが印象的な城跡です。城跡に伝正寺が出来たおかげで開発を逃れ残ったと言えるでしょう。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第222回：三田村城（貴重な遺構を残す中世城館跡）