訪問日：2017年2月小松原館は和歌山県御坊市にあったお城です。紀州 日高地方に大きな勢力を持った国人であり室町幕府の奉公衆でもあった湯川(湯河)氏の本拠地である城館が現在は湯川子安神社，紀央館高等学校，湯川中学校等があるJR御坊駅の南側のエリアにありました。駅の北側に築かれた詰…… more 城の亀山城が軍事拠点の中心だとすれば，この小松原館は平時に居住し政務をとった場所であったと考えられます。現在は開発により遺構は消滅していますが，発掘調査により堀，橋脚，土塁等が検出され，瓦，陶磁器，銃弾といったものも出土しています。  ●館の一画にあった明神社が元となり城主 湯川直春が娘の安産を祈願したことに由来を持つ湯川子安神社。1585年 羽柴秀吉軍の侵攻により全焼しましたが，小松原館のあった現在の場所に再興され，安産の神として祀られています。●神社の正面に小松原館跡の城碑があります。  ●城碑の裏には”此の地は中世亀山城主湯川氏の居館の跡なり”と刻まれています。●発掘調査により当時の堀は巨大に複雑に張り巡らされていたことがわかっていますが，神社の堀に位置自体が元の堀の位置に重なる部分もあり，神社の土盛りと合わせて庭園跡とも言われ，何となく城跡の雰囲気を残す部分ではないかと思います。  ●現在の高校，中学校の部分が主要な部分で多くの遺構が検出されたのですが，現在は埋め戻されています。手元資料によると焼却炉のあたりに井戸があったようですが。そういえば，昔の学校って必ず焼却炉がありましたよね？●神社の正面を流れる小河川は外堀として機能しました。中世日高地方の中心地ということで，亀山城に行ったついで寄ってみました。外堀跡の小河川以外は明確な遺構は確認が難しいので，時間があれば行ってみては如何でしょう。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへにほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第316回：小松原館（紀伊の有力国人 湯川氏の城館跡）