第309回:[豊後]岡城(圧巻の高石垣が巡り荒城の月でも知られる巨大山城)の詳細

第309回:[豊後]岡城(圧巻の高石垣が巡り荒城の月でも知られる巨大山城)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第309回:[豊後]岡城(圧巻の高石垣が巡り荒城の月でも知られる巨大山城)
概要

訪問日:2017年1月臼杵城(うすきじょう)は大分県竹田市にあった城です。国史跡に指定され日本100名城にも選ばれています。とにかく標高325mの切り立った山に築かれた圧巻の高石垣が印象的な城で滝廉太郎が名曲「荒城の月」の着想を得たことで知られる城です。築城は鎌倉時代の1185年…… more に緒方惟栄(おがたこれよし)が源義朝に追われた源義経を迎え入れるために築いたと伝わり,その後南北朝時代には後醍醐天皇の意向により志賀貞朝が入り拡張したとされますが,諸説あり定まりません。いずれにせよ戦国時代には大友氏傘下の重要な勢力であった志賀氏が城主となっています。1586年 耳川の戦いで大友軍が島津軍に大敗した後,島津軍の島津義弘,新納忠元(にいろただもと)らが岡城に攻め寄せましたが当時の城主である志賀親次(しがちかつぐ)はこれを再三にわたり撃退しました。1592年 主家の大友氏が朝鮮出兵における失敗の罪で改易となった後は志賀親次もこの地を追われました。代わって入部したのは賤ヶ岳の戦いで討死した中川清秀の子に当たる中川秀成で,この中川時代に現在に見えるような総石垣造の近世城郭へと大改修されました。その後,中川氏 13代が明治維新までこの地を治めることになりました。  ●岡城の入場口。駐車場も十分に完備されており困らないのですが,有料です。巻物のような一風変わったパンフレットを貰えますが,横に長い岡城の縄張図を載せるには良いかも。●しばらく道なりに進むと岡城阯の石碑と背後に見える高石垣。  ●この圧巻の高石垣!。●このような道を大手に向かって登っていきます。案内板の縄張図です。東西に非常に広大な城域を誇っていたことがわかります。最初に辿り着く大手口は真ん中から左寄りですので,西側(左)を見てから東側(右)を見ていこうと思います  ●ますは巨大な大手門跡の櫓台跡。●大手門跡にはこのように礎石や車敷が残っています。  ●大手門の内側。枡形構造になっている様子が分かります。●こちらは大手門跡の東側にある古大手門跡。元々,中川氏が入った時は東側のこちらに大手門を建てたのですが,築城名人の藤堂高虎の勧めで西側に移したそうです。  ●古大手門跡の先には曲輪のような削平地と窪みが見えるのですが,ルートはどうだったのでしょう●大手門の先は場内最大の面積を有する西の丸エリアです。写真にあるスロープのような階段の上が東門跡となります。  ●西の丸御殿はさらにもう一段上に築かれていました。●現在の西の丸御殿跡は一部の土塁等を除いてだった広いスペースとなっています。第3代藩主中川久清が普請・整備したもので大火災の後,1779年の再建以降は江戸時代の政務の中心となった場所です。  ●西ノ丸御殿跡の石碑が中心部にあります。背後には秋葉社跡の土壇。土塁も兼ねていたものでしょうか。●こちらは御殿跡から南に開口している新屋敷門跡です。  ●西の丸から駐車場が見えます。そういえば駐車場からも豪快な石垣が見えていました。駐車場の場所は元々総役所があった場所です。●西の丸の南西に突き出した物見台跡です。  ●こちらは西の丸から北西向きに突き出した角櫓跡です。●怖そうでしたは上ってみました。高所恐怖症の人には辛いかもしれません。  ●武家屋敷等が集中する北側に向かいます。秋葉社跡の裏側下くらいですが,井戸跡がありました。●西の丸周辺にあつ3つの家老屋敷の内の一つ中川民部屋敷跡です。3代藩主 中川久清の五男 中川久旨を祖とする家系で家老を勤めました。礎石により建物の配置が分かるような工夫がなされています。  ●中川民部屋敷跡付近より西の丸御殿跡の方向を見ています。●ここは西の丸の北西部に開く近戸門跡です。中川秀成が西の丸の武家屋敷を整備した時に設置されました。  ●外側から見た近戸門跡。ここからのルートは七曲りと呼ばれる九十九折の山道を総役所跡(元駐車場)に下りていきます。●近戸門跡を出たところにある普請方跡の石垣。大きく曲線を描いてい姿は日本の城では珍しいのですが,九州では時折見られます。やはり朝鮮や琉球の影響か。  ;●西の丸の北東方向に長く伸びた部分です。●長く伸びた部分にあるのが中川覚左衛門屋敷跡で,これも三家老屋敷の一つ。この家系はかの織部流茶道の祖である古田織部の子孫が中川姓を賜ったものだとか。そいえば織部の奥さんは中川清秀の妹でしたね,両家はかなり結びつきが深かったのでしょう。  ●これは埋門の一種でしょうか?中川覚左衛門屋敷跡のところにありました。●谷を挟んで三の丸方面の石垣群を見ています。  ●西の丸御殿跡の北側を進みながら谷の向こうの三の丸方面に向かいましょう。●ここは武具方跡。下の賄方跡には公衆便所がありました。  ●この直線は桜馬場と呼ばれた場所です。左側には色々な施設があるのですが全てを紹介していてはきりがありません。●桜馬場沿いの施設で代表的なものは三家老屋敷の一つ中川但見屋敷跡の入口です。この家系は藩祖の父である中川清秀時代より仕えた戸伏氏が姓を改めた家です。  ●三の丸の高石垣が見えてきました。岡城で最も有名な光景ではないでしょうか,圧倒されます。●城内にある二つの中仕切りの内の一つ,西中仕切り跡です。狭路になっている部分をさらに防御するように出来ています。  ●西中仕切跡の内側。進路を屈曲させた喰違い虎口であることがわかります。●三の丸の入口に当たる太鼓櫓門跡です。門を守った櫓の立派な櫓台が残っており,石垣の石も場内で最大級の物です。  ●太鼓櫓門跡を内側から見ると枡形空間になっており厳重な守りで会ったことがわかります。●三の丸から見る二の丸の石垣群。  ●三の丸から見る本丸の御三階櫓跡の石垣。●御三階櫓跡は天守の代わりでありました。整然と積上げられた加工石が素晴らしい。  ●本丸に上る前に二の丸に来ました。本丸から北方向に伸びている曲輪です。●二の丸にある滝廉太郎銅像。言うまでも無く荒城の月の作曲者です,幼き日にこの地に住んだ廉太郎もこの城には感銘を受けたということでしょう。  ●本丸の様子。歴代藩主が崇めた岡城天満神社があります。●神社の背後にある御金倉跡。  ●本丸からの眺望。よくこんな所に城造ったなぁと素直に思います。●さらに東に進むにあたって東中仕切跡を抜けていきます。写真は本丸上から,右側に櫓台跡,左からは谷が堀の様に切れ込み喰違い虎口となっていることがわかります。  ●下りてきて東中仕切跡です。●ここから見える本丸の隅部(右側)は二重の石垣となっており不思議な造りです。  ●しばらく進むと北側に開いた清水門跡。この下は川に向かうはずなので水の手口の役割でも果たしたのだろうか。●次に出てくるのが三楽亭跡。志賀氏の時代はこちらが城の中心部でした。  ●歴代藩主の位牌が安置される御廟所跡。●さらに進み道が大きく屈曲する場所が城域の東端にあたり下原門跡があります。城の搦手口の役割を果たしていました。  ●城下町にある武家屋敷通り(歴史の道)に来ました。元々は十三軒の武家屋敷があり100-200石の武士が住んでいた場所で江戸時代の面影を残します。●古田家仲間長屋門の半分は江戸時代の仲間長屋を増改築していったものだそうです。ここは期待も大きかったのですが,天空に聳える圧巻の高石垣,想像を超える素晴らしさでした。遺構を一つ一つじっくり見る人ですと3~4時間はかかるのではないかと思います。滝廉太郎が曲を着想した時はもっと荒れていたでしょうし,その勇壮,豪快な景色に頽廃や無常感の加わった雰囲気を感じて曲を書きたくなった気持ちもわかるというものです。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第309回:[豊後]岡城(圧巻の高石垣が巡り荒城の月でも知られる巨大山城)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 大分県の城郭
投稿日時 2019-01-12 15:20:01

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