第306回:[豊後]府内城(豊後国を代表する近世平城)の詳細

第306回:[豊後]府内城(豊後国を代表する近世平城)
こにるのお城訪問記
ページの情報
記事タイトル 第306回:[豊後]府内城(豊後国を代表する近世平城)
概要

訪問日:2017年1月府内城は大分県大分市にあった城です。別名として大分城,荷揚城とも呼ばれ,県史跡に指定。日本100名城にも選定されています。福原直高が府内に入った1597年より築城を開始したとされます。石田三成の妹婿であった福原直高は三成の失脚後に府内を没収されました。その後…… more に城主となった早川長政は1600年 関ヶ原の戦いで西軍についたため改易となり,竹中重利が入り現代の姿に改修していきました。竹中氏が2代で改易となった後は日根野吉明が入りましたがこれも吉明一代で断絶。次々と城主が変わりましたが,1658年に大給松平氏の松平忠昭が入った後は明治維新まで松平氏の統治するところとなりました。江戸時代には戦争を経験しませんでしたが,1877年 西南戦争では薩摩軍に属した増田宗太郎に攻められこれを撃退しました。1743年の大火と戦災により多くの建物は失われ,現在では堀や曲輪などの多くも市街地化によって失われてしまいました。  ●府内城の正面,手前は国道197号線。現在残るのは本丸を中心とした部分です。●まず目に飛び込む着到櫓。戦災で焼けてしまったので1965年に復元されています。  ●着到櫓の横を通り大手の枡形に進むと大手門。多門櫓門とも呼ばれていました。これも1965年の復元。●大手門や着到櫓の向かって左側にあるのが宗門櫓(しゅうもんやぐら)です。1743年の大火も戦災をも潜り抜けた貴重な現存建築物。  ●さらに左手に進むと西丸西南隅櫓が復元されています。この櫓は戦災で焼けてしまいました。●大手門より中に入りました。左手が西丸。2013年まで文化会館あった場所で現在は更地になっております。次はどのように活用していくのだろう。  ●西丸から先ほどの宗門櫓の内側を見ています。外から見ると平櫓,内から見ると二重櫓に見える少し変わった櫓ですね。●大手門を潜って右手には東丸が広がります。現地の案内図に当時の縄張りが示されていました。現在は堀が埋め立てられだだっ広い敷地となっており,何だか味気ない感じなのですが当時は本丸,西丸,東丸は堀で分割されていたのですね。  ●北二重櫓のあった櫓台。この上と天守台は渡り廊下で連結されていたようです。●渡り廊下跡を通り天守台の上に来ました。  ●天守台の上から見る人質櫓。(現存建築物)●こちらは復元された廊下橋。  ●下りて天守台を見ています。四重の天守が築かれていたと言われます,天守台も巨大ですので中々の規模であったことが分かります。●本丸や西丸,東丸を分けていた内堀は埋め立てられてしまいましたが,この部分が内堀の北西の端になるそうです。窪んでいる様子が分かります。  ●天守台の堀側にあるお宮の祠。築城当時,水害に悩まされ工事が進まなかったことにより人柱となったお宮を祀る祠です。●廊下橋へ向かいます。ここも直進できないような仕組みになっていますね。  ●当時は廊下橋の手前に冠木門があり現在もその礎石が残っています。●廊下橋入口。1996年に復元されたものですが,当時は城内に廊下橋が3本もあったそうです。  ●廊下橋内部の様子。●対岸より本丸方面を見ていますが,船入れのように見える窪みは内堀跡に向かう部分の名残ですね。  ●現在,松栄神社(まつえじんじゃ)のある場所に山里丸がありました。●神社の手前にある慶長期の石垣。廊下橋の復元の際の発掘調査で出てきたそうです。  ●松栄神社から少し北に向かうと,府内城を今の姿に大改修したとされる竹中重利の墓があります。羽柴秀吉の名軍師として知られる竹中半兵衛この従弟か甥にあたる人物です。●廊下橋付近に戻り人質櫓の方向を見ています。  ●人質櫓は宗門櫓とともに残る貴重な現存建築物です。●案内板を見ればわかりますが,城の北東側は海との間を細い帯曲輪を通しています。堀の北側のこの水路より外側は海であったようです。  ●城の北東側の広大な堀の様子。奥に見えるのは復元された北東隅二重櫓。●この部分に帯曲輪の説明があります。少し高まった細い部分がそれにあたり,低い部分は埋め立てられた堀跡。この帯曲輪はかなり細い曲輪であったことがわかりますね。  ●こちらは復元された,南東隅二重櫓。現在残る中心部の南東隅になります。●現在残された主要部を外れて市内を散策すると,かつての外堀の名残である水路が流れています。現在,大分市の中心にあたる府内城は主要部だけにしても広大な敷地,堀と櫓で守る近世平城の面影は十分感じられます。しかし,如何せん関わった人物も歴史も地味ですし,かつて大分県庁や文化会館が置かれていたこともあり史跡保存や整備という点ではまだまだ道半ば。今後に期待します。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第306回:[豊後]府内城(豊後国を代表する近世平城)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 大分県の城郭
投稿日時 2018-12-22 16:40:01

「第306回:[豊後]府内城(豊後国を代表する近世平城)」関連ページ一覧

新着記事一覧

<打込み接・布積み(関八州)> 江戸城、小田原城、佐貫城


シロスキーのお城紀行
「石・石塁・石垣シリーズ」は、昨日から、下記の分類表「①②-(4)打込み接・布積み」の石垣を導入しているお城を、再び日本の北から南にかけてご紹...
シロスキーのお城紀行
2022-09-26 01:00:04

中城城 日本100名城 沖縄 路線バスで行く世界遺産5城 5-4


hachiの日本100名城 続日本100名城 お得な切符で行く 鉄道・バスの旅
 ◆中城城 三の郭の石積 またかなり間が空いてしまいました。引き続き3月中旬に久々に沖縄、世界遺産5城を2泊3日で路線バスを利用して...
hachiの日本100名城 続日本100名城 お得な切符で行く 鉄道・バスの旅
2022-09-25 14:40:05

<打込接・布積み(奥羽・出羽)> 弘前城、盛岡城、仙台城、会津若松城


シロスキーのお城紀行
「石・石塁・石垣シリーズ」は、「①②-(3)打込み接・乱積み」を日本の北から南まで展開しているお城の写真をお届けしてきましたが、昨日で一応終了...
シロスキーのお城紀行
2022-09-25 02:00:03

讃岐小豆島 星ケ城  西峰と東峰から成る素晴らしい眺望の山城


久太郎の戦国城めぐり
讃岐小豆島 星ケ城 (香川県小豆郡小豆島町安田・星ケ城山) <県指定史跡> <ちょっと小豆島まで行ってきます・②>坂手港から安田館を訪問した後...
久太郎の戦国城めぐり
小豆島の城めぐり
2022-09-25 01:40:03

第439回:江馬氏下館(北飛騨における江馬氏の繁栄を示す城館跡)


こにるのお城訪問記
訪問日:2021年11月江馬氏下館(えまししもやかた)は岐阜県飛騨市にあった城館です。江馬氏城館跡の一つとして国史跡に指定されています。北飛騨の雄...
こにるのお城訪問記
岐阜県の城郭
2022-09-25 01:20:03
;