第305回:森陣屋(水軍として知られた来島氏による城郭造りの陣屋)の詳細

第305回:森陣屋(水軍として知られた来島氏による城郭造りの陣屋)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第305回:森陣屋(水軍として知られた来島氏による城郭造りの陣屋)
概要

訪問日:2017年1月森陣屋は大分県玖珠郡玖珠町にあった城です。久留島陣屋(くるしまじんや)とも呼ばれます。戦国時代に瀬戸内海で活躍した三島村上水軍の一派として知られる来島氏(くるしまし)は1600年 関ヶ原の戦いでは西軍に属し,敗戦後所領を没収されてしまいます。当時の当主であっ…… more た来島長親は奔走し,妻の伯父にあたる福島正則のとりなしにより1601年この地に1万4千石を与えられ存続することが許されました。この時,前領主であった森高政の居城であった山城で堅固な角牟礼城を廃し麓にこの陣屋を築きました。その後,長親は家康の一字を拝領したようで来島康親と改めました。子の通春の時代には姓を久留島と改め来島の名を捨てましたが,明治維新までこの地を治めることになりました。この陣屋に残る特徴的な三つの庭園は旧久留島氏庭園として国の名勝に指定されています。  ●森陣屋の正面。三島グランドから三島公園の入口ですが,この辺りにも多くの石垣が残っています。●藩主御殿跡であった三島公園からは角牟礼城のある角埋山が良く見えます。現地にあった案内板。広大な城域を誇った陣屋であることが分かります。  ●藩主御殿跡の背後には3つある庭園の内の一つ藩主御殿庭園があります。●多くの巨石を巧みに配した蓬莱式池泉庭園です。  ●喜藤次泣かせの石と呼ばれる巨石。森奥の八重垣という場所から村人が運んだそうですが,あまりの巨石に難航しさすがの喜藤次も地団駄を踏んで泣き出したと。。さすがの喜藤次が何でさすがなのかは案内に書いてないのでわからないのですが。●この人物も特に説明なし。恐らく初代藩主 来島長親(康親)と思われます。  ●登石垣のようですが,上に登っていく石垣は背後の末廣山に登る御長坂(おながさか)です。●これもこの陣屋の見どころではないでしょうか。この長大なスロープで藩主御殿から背後の栖鳳楼や末廣神社にアクセスしました。  ●御長坂を登っていきます。これが陣屋かという累々と築かれた石垣は圧巻です。●さらに上の末廣神社もこの石垣です。  ●末廣神社の下にある栖鳳楼(せいほうろう)は第八代 久留島通嘉の時代に建てられ,紅葉の御茶屋と呼ばれました。神社の祭典の際の参籠や饗宴に使われた現存建築物で県の有形指定文化財となっています。●栖鳳楼の前にある栖鳳楼庭園も3つある庭園の内の一つで枯山水式庭園です。  ●立派な石垣の上には末廣神社があります。来島氏がこの地に入った時に大三島の三島宮(みしまのみや)を勧請したのが始まりとされています。●御神殿は1829の建造で鞘堂づくり という珍しい造りだそうです。   ●本堂の横からはさらに上部に登ることのでき,見張り台のような役割も担ったのであろうか?さらに,角牟礼城へも道が続いているようです。●神社境内にある日本一大きな手水鉢。案内によると1260Lの容量,角埋山から運んできたとされる巨石をくり抜いて作られています。  ●これも境内にあった鎮西八郎射ぬきの石。豊後国史によると平安末期の強弓の使い手として知られた源為朝が父の源為義により九州に追放されていた時,角埋山に城を築き,向かいの岩扇山から射た矢でこの石を貫いた伝わっています。●末廣神社の向かって左側の石垣。この先は直線になっており桜の馬場と呼ばれています。  ●桜馬場にある玉濃井と呼ばれる井戸。●清水御門の上の曲輪に来ました。ここにも下の庭園を眺める茶屋あったようです。  ●復元された丸木御門から下に向かいます。●三つ目の庭園 清水御門御前庭が見えてきました。  ●奥の清水御門が一般の表玄関,手前の土手よりは玉水と呼ばれる清水が枯れることなく湧き出ています。●横矢のかかる石垣,算木積み,そして前庭に取り込まれた堀と,これはもう完璧に城,素晴らしい庭です。  ●庭園内の常夜燈。日本一とも称されるそうで,確かにでかい。●三島宮の正門として建てられた清水御門は現存の門です。  ●清水御門の上も凄い石垣。●こじんまりとした陣屋町(城下町)も中々の風情です。来島氏は城持ち大名格では無かったため陣屋と称しているわけですが,城と言って過言でない造りなのです。海を捨て去ったものの一時代を築いた水軍の将 来島氏の意地のようにも感じます。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第305回:森陣屋(水軍として知られた来島氏による城郭造りの陣屋)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 大分県の城郭
投稿日時 2018-12-08 15:40:01

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