中津城にゆく  其の壱:模擬天守と石垣の詳細

中津城にゆく  其の壱:模擬天守と石垣
廃城にゆく
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記事タイトル 中津城にゆく  其の壱:模擬天守と石垣
概要

大分県中津市にあります中津城址です。当ブログ112城目となる中津城は、黒田官兵衛(孝高)公によって築かれ、細川忠興公によって完成されました。今治城や高松城と並ぶ日本三大水城のひとつに数えられています。江戸時代中期に奥平昌成公が中津藩主となり、明治維新まで奥平家の居城となりました。…… more 中津城天守と隅櫓です。1964年(昭和39年)には旧藩主奥平家が中心となり、市民らの寄付を合わせて模擬天守(奥平家歴史資料館)が建てられ、奥平忠昌公が徳川家康公から拝領した「白鳥鞘の鑓(しらとりざやのやり)」や「長篠の戦い」で使用された法螺貝などが展示されています。天守です。萩城の古写真をベースに築かれた模擬天守です。熊本城同様天守台から一層目が飛び出している張出造りを採用しています。左にあります隅櫓です。こちらも模擬櫓になります。黒田時代の石垣と記載された案内板がありました。矢印の方へ向かってみましょう。矢印は天守右北東方面を指しています。本丸上段にある石垣には黒田氏時代のものを細川氏が拡張した継ぎ目が見られます。y字になっているここがちょうど境界線の部分です。肉眼でもハッキリわかりました。黒田時代の石垣が右側、そこから左側に延長するカタチで細川時代の石垣が積まれています。黒田時代の石垣です。整然と積まれています。そして細川時代の石垣です。こちらは上にかぶるように大小のの石垣が入り混じっています。犬走りもあります。石垣の説明板です。内側に拡張している理由は、黒田時代は川側に本丸があったためと考えられています。現在の模擬天守の位置に天守があった位置ではなく、そもそも黒田時代の中津城に天守があったかどうかも不明なためです。もし黒田時代に天守があったとすれば、場所は鉄門跡の場所がそこだったのではないかと考えられています。北側にあります黒田官兵衛公とその妻の光姫の像です。説明板です。官兵衛公は側室を置かず正室である光姫のみを愛したそうです。中津城ビューポイントの案内板がありました。そちらに向かいます。ここがビューポイントです。説明板がありました。このビューポイントでは、官兵衛公がこの地を選んだ理由(意思)を感じることができます。城はこのように川沿いに建てられており、交通の便もよく、また城下町をつくる平野も広がっています。北には豊前海が広がっており、瀬戸内海への海路を確保しており、大阪にいる秀吉公からの知らせもわずか三日で受け取ることができたそうです。川沿いへ向かいます。川沿いにも黒田時代の石垣が整然と積まれています。正方形の花岡岩が採用されています。古代山城の石の説明板です。黒田氏時代に築かれた石垣は、現存する石垣としては九州最古のもので、これらの石垣は、当時この川上にあった古代山城の石垣を再利用しているそうです。この手前に出っ張ってる部分がその石垣です。正面からのアングルです。唐原山城から持ってきた加工石なので、むしろ一段下がっている新しい石垣のほうが細かい石で積まれています。説明板です。幕末の絵図によれば、中津城にはすぐ脇を流れる中津川に面して鉄門(鉄御門)があったそうですが、現在は埋め立てられています。当時はここに鉄板を用いた強固な門があり、階段を登って城内に入れたようです。なお複数の絵図において、この位置に三重櫓が描かれています。もし天守があったとすれば、この場所が候補地だといわれています。古代ということは今から1000年も前の石垣ということになりますね。当時の九州は朝鮮からの侵攻の危険性が高かったので、このような防衛の技術が本州より発達していたのですが、時間の経過と共にその技術も風化していったようです。そこに目をつけた官兵衛公が再利用したわけですから、やはり官兵衛公は、名軍師だけあってよく勉強していたのでしょうね。築城の名手と呼ばれる由縁を感じた瞬間でした。石垣を堪能したところで、階段を登り、城内へ向かいます。広場に出ました。本丸跡です。本丸下ノ段西側に松ノ御殿が建築されていました。松ノ御殿は、江戸から中津に帰郷する諸姫君を住まわせるために建設された御殿です。次回は本丸跡散策よりスタートです。【其の弐に続く】訪問日:2017年7月▽ ▽ランキングに参加しています。  応援(クリック)よろしくお願いいたします。   ⬅︎  クリックしてくださいね〜 にほんブログ村  close

中津城にゆく  其の壱:模擬天守と石垣
サイト名 廃城にゆく
タグ 大分県にゆく
投稿日時 2018-11-01 15:00:04

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