美濃 野原城  飛騨・美濃間に敷かれた屏風の如き城の詳細

美濃 野原城  飛騨・美濃間に敷かれた屏風の如き城
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 野原城  飛騨・美濃間に敷かれた屏風の如き城
概要

美濃 野原城 (岐阜県加茂郡白川町河東野原)よく「秋の日は釣瓶落とし」と言います。日が急に沈む様を井戸に落とす釣瓶に例えていう言葉です。 ゆっくり仕事をしているとたちまち暗くなってしまい、ちょっと慌ててしまう・・。絶好の山城見学シーズン到来ですが、この日照時間の短さとの闘いでもあ…… more ります。一日で回れる城が限られてしまう、なんとも憎らしい季節、でもあります。そんな中、今回は白川町の野原城を見学しました。因みに同じ岐阜県白川でも合掌村で有名なのは飛騨の「白川村」のほう。こちらは東濃ヒノキや白川茶の生産が有名な美濃の「白川町」、です。また「野原」は「のはら」ではなく「のわら」と読みます。お天道様の登る方角には段々のお茶畑が心和む風景です。野原城を対岸国道から眺めます。直下に飛騨川が流れ、周囲は高い山々に囲まれています。野原城はその飛騨川に食い込むような500mもの細尾根上に築かれています。そしてその三方は断崖絶壁となった要害です、・・では、見ていきましょう!舗装林道から簡単にアクセスできるのが嬉しい~( ^ω^ )。(車は路駐でOK!)こういう石碑はなぜかワクワクしてしまいます。観音様に一礼して・・。(城址とのなんの関係かは解りません・・)幅が3m程の長い土橋のような連絡郭?です。野原城の主郭部を見上げます。(入口からわずか1分!)主郭本丸(おそらく)に建つ石碑に到着です。狭い曲輪なのにこんな大きな石碑・・。バランスが必要だな、というのが率直の感想ですが、ま、立派なのでいいでしょう!ここからの景色はなかなか絶景です。飛騨川と高山本線、集落と山々、風光明媚。2、30分おきに列車が麓を通って行きます。静まり返った中を電車の音が「ゴトン、ゴトン、ダ、ダ、ダダン」と通り過ぎていきます。山々にこだまするその音がなんとも耳にやさしくて、眼下を見渡しながらのコーヒータイム。ここに城を築く理由がわかってきます・・。さて、遺構は残っているのかな??岩山の細尾根という限られたスペース。(せま・・)これでは掻き揚げすることもできそうにありません・・。天険の岩山をそのまま利用するしかなさそうですね。当時は柵や木戸を厳重にすることで一城郭として成立していたのかも。(;゚Д゚)なんせ、周囲の岩壁ときたら、これもんですから・・。しかし天然の絶壁ばかりに頼り切った訳でもなさそうです。本丸の周囲を注意深く観察してみると・・なんと石垣があります!↓本丸下に積み上げられた石積。おそらく土留め用程度のものでしょうが、結構迫力あってドキドキします。果たして当時のものなのでしょうか?そうだといいロマンなのですが・・。この石垣の見学はちょっと危険を冒して下に降りないと拝見できません。(見学をされる方は充分注意してください)野原城の西を仕切る岩を利用した堀切、いや、彫切と書くべき?連絡道は堀切脇の細い道のみ!(右下には竪堀があります)。この堀切は本当に「堀切」なのかどうか、見方によって意見が分かれるでしょう。単なる岩の切れ目、自然のものである、とも見れます。しかし、防御施設の一環として利用された、という点で遺構と捉えても差し支えないでしょう。(現に南には若干ですが竪堀へと続きます)図面スケッチを・・。野原城は承久の乱(1221)に京都軍に味方した野原三郎義政が築城。 応仁元年(1467)に安江光庵基政がこの地に砦を築き、兼山の森氏、苗木の遠山氏と対抗。・・若干、時代が合いませんが。(諸説ありってことですね)天正元年(1573)、基政の孫・正常(政常)の時、苗木遠山氏の軍勢により野原城は落城。その後成山に逃れた一族により、野原城は奪回されます。しかし天正10年(1582)には、森武蔵長可の軍勢に瞬く間に落とされました。(例によって恫喝でもされたのでしょうか?)遠山氏、森氏と対抗した、というくらいなら、当時としたら相当の勢力です。飛騨の三木氏らとは良好な関係を保っていたようです。でないと周囲は敵だらけですよね・・。野原城は飛騨・美濃間に敷かれた、立ちはだかる屏風のような要害でした。それぞれの方向から屏風の向こう景色は見えないのです。城は人工的な手を加えられずとも、天険に頼りながら在地支配に適した城でした。Ⓖは路肩駐車スペースがあります。交通量はありません。  野原城入口の石碑が建っています。 close

美濃 野原城  飛騨・美濃間に敷かれた屏風の如き城
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 加茂郡白川町の城めぐり
投稿日時 2018-10-28 01:40:01

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