つわものどもが夢の跡東北屈指の名城を訪ねました。＜若松城＞わかまつじょう近代城郭のなごり。＜天守閣＞再建された天守。深い歴史を刻んだ会津若松市のシンボルです。■黒川から若松■歴史が長すぎて、どの時代を意識して城探索をして良いのかわかりません。私は戦国武将ファンなので、意識としては…… more 主に「黒川城」時代ということになります。つまり会津の覇者・蘆名氏歴代の城。この印象が一番強いですね。第7代当主の直盛が東黒川館を築いたのがはじまりと考えられています。その蘆名氏を滅ぼした伊達政宗、そして秀吉の命を受けてこの地へやってきた蒲生氏郷の城。氏郷の時に城や城下町の整備が更にすすみ、地名が黒川から「若松」と改めています。あとはやはり上杉ファンですので、徳川家康も警戒した会津120万石・上杉景勝の城ですかね。大物ばかり登場して、とても紹介しきれません。これだけでもかなり歴史の重みがありますが、若松城は江戸時代を通じて存在。1643年（寛永20年）には幕府の中枢として活躍するあの保科正之が23万石で入封し、以降は正之の子孫である会津松平家の居城となります。幕府にとっての重要拠点であり続けたわけですね。やや話がそれますが、保科正之は徳川秀忠の子(ストレートに言うと隠し子です)でありながら、自身を育てた保科家の名を変えることはありませんでした。保科から松平への改名は、正之の亡くなったあとの話になります。＜歴代城主＞これを見るのが一番早いですね。■戊辰戦争■1868年歴史の長い若松城。江戸末期には戊辰戦争に巻き込まれます。会津は戦いの舞台となり(会津戦争)、城は新政府軍から激しい攻撃を受けました。惨劇ですから軽々しく言いたくありませんが、この戦いにより、若松城は後世に語り継がれ、全国的に知られる城となりました。1868年（慶応4年）10月、新政府軍の猛攻が開始されますが、若松城はひと月もち堪えました。そう簡単に落とせる城ではないということですね。しかし孤立した城内は食糧も絶たれ、負傷者や死者も多数。衛生面も含めて悲惨な状況でした。壮絶な現実は城の外も同様です。兵士だけでなく多くの女性、子供までも犠牲になりました。資料などを読むと、眉間にしわがよります。とてもこのような拙ブログでは表現できない惨劇の場と化していました。粘っても、もはや勝ち目はありません。新政府軍からの勧告もあり、会津はついに降伏。1868年11月6日、若松城には白旗が掲げられました。現地で撮影した写真■近代城郭の跡■北出丸から城内部へと向かいました。＜説明板＞今回の訪問まで、私はずっと「会津若松城」と呼んでいましたが、正式名ではないようですね。若松城、あるいは会津城という名だそうです。＜内堀＞＜追手門跡＞いわゆる「枡形」の構造ですね。＜枡形の内側＞＜枡形の説明＞石垣は加藤時代とあります。枡形虎口の利点についても説明がなされていますね。要所でこういった案内があり、とても親切です。＜内側から見た石垣＞＜城内各所の石垣＞石垣は近代城郭の魅力の一つですね。＜土塁＞城内のあまりに石垣が立派なので、逆にこういう方に目がいきます。＜土塁の上＞緑に覆われていますが、外側は石垣死角を減らす工夫ですね＜天守閣＞幕末の姿に復元した5層の天守閣＜天守台が野面積み＞この石垣は蒲生氏郷が築いたとされています。城内の他の石垣と比較して、石が自然な感じがしませんか？これは石をほとんど加工せず、組み合わせを考えて積み上げる「野面積み」ですね。1611年（慶長16年）の会津地震により天守が倒壊した時も、この石垣は崩れなかったそうです。ちょっと見どころですね。＜御三階跡＞＜武者走り＞言うまでも無く、兵が登り降りするためです。太鼓櫓門への移動用です。＜本丸から二の丸方面へ＞二の丸へ渡る手前。あまりの美しさに足が止まりました。勿論、過酷な歴史と切り離しての話しですが・・・＜高石垣と堀＞＜廊下橋と堀＞＜茶壺櫓跡から見た堀＞＜押し寄せる自然＞＜二の丸跡＞＜三の丸＞＜八重の銅像＞新島八重の像。場所は三の丸跡になります。■つわものども夢の跡■ながいながい歴史をき重ねた城跡ですが、現在の姿から連想されるのは、やはり戊辰戦争ではないでしょうか。そんなに昔の話ではありませんよね。そして資料もある程度信憑性があります。普段よく使う「歴史ロマン」という言葉が似合わない、重みのある訪問となりました。もっと自分の国の近代史を知らなくてはならない。そう感じました。-----■若松城■-----別　名：鶴ヶ城・会津若松城(旧名称：黒川城)築城主：蘆名直盛築城年：1384年改修者：蒲生氏郷、加藤明成城　主：蘆名氏歴代・伊達政宗　　　　　蒲生氏・上杉景勝　　　　　加藤氏・保科氏・会津松平家廃城年：1874年（明治7年）現　状：鶴ヶ城城址公園［福島県会津若松市追手町］お城巡りランキング close

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