訪問日：2017年4月須知城（しゅうちじょう）は京都府船井郡京丹波町にあった城です。南北朝時代に地元の国人 須知氏によって築城されたとされますが，資料はほとんど残っておらす正確なことは分かっていないそうです。1489年の室町時代の丹波国人一揆の際，須知氏は主要勢力であったとされ，…… more 守護 細川氏により制圧されたため一時没落しました。戦国時代に入り16世紀後半 織田信長軍の司令官として明智光秀が丹波に侵攻すると，当時の当主であった須知元秀は光秀に味方しますが，八木城の攻めで討死。その後の経緯詳細は不明ですが，明智光秀から離反したのか，須知氏は光秀に攻め滅ぼされてしまいました。須知氏の滅亡後，須知城は明智光秀により改修を加えられ，現在に残る形となり丹波支配の拠点として利用されたと考えられます。  ●真ん中の一番奥の山が須知城。●一般的な登山道は城の南側らしいのですが，地元の有識者の引率により北側から最短経路を取ります。  ●この辺りから突撃。●これは完全に直登。きつい。  ●ひょっこり尾根筋を走る登山道の途中に上ってきましたが，ここからもかなりハードな山登りを20-30分。●やっとこさ曲輪が見えてきました。  ●城域に最も西側の曲輪群に取りつきます。面積の広い曲輪で何らかの施設があったのでしょう。●西の端には薄く土塁の跡を確認することが出来ます。  ●曲輪の途中に土壇のような高まり（写真左半分）も見られ，櫓や宗教施設の設置が想定されるところです。●東の中心部分に向かいます。いくつかの曲輪が階段状に連なっている様子がわかります。実際の城道は回り込んで帯曲輪を進んでいたようです。  ●石垣が見えてきました。●荒々しい野面積みの石垣で主郭西隣の曲輪と外側を区画しています。  ●南西側に開いた虎口は櫓台を伴っています。●説明を入れると写真の通り。手前は階段状の曲輪。本来の城道は奥の坂虎口に向かっていました。  ●櫓台の近景。●次に見えてくるのが主郭西面の石垣です。  ●主郭虎口は喰違い虎口だそうですが，大分石垣が荒れていてややわかりにくい。●主郭の様子。  ●主郭に残る削り残しの土塁。●主郭からの眺望。里山・集落感を期待していましたが近代的な高速道路（丹波IC)とのギャップが。。。  ●ここからが最大の見どころ。主郭の東から南にかけて築かれた石垣。●隅が鈍角になっている積み方とシノギ積みと言い，初期の石垣作り城郭の特徴を示しています。有子山城なんかも有名です。  ●南面の高石垣。素晴らしい，これこそ光秀による改修を示す証拠と言って良いでしょう。●西曲輪群と東曲輪群を隔てる堀切です。この先は織豊期の改修があまり入っていない遺構です。  ●堀切の次の曲輪はは幅広の土塁（写真左）がの残っています。●次の曲輪は東曲輪群の中の中心的な曲輪だと思われます。  ●東曲輪群にも小規模ですが石垣を確認することが出来ます。●この曲輪はほぼ一周土塁で囲まれています。 内部を削って土塁を残した構造のようです。  ●東曲輪群の切岸。●これが最東端の曲輪に残る土塁です。明智光秀の丹波侵攻では割拠していた無数の国人領主が制圧されました。この須知城もその一つと考えられ，光秀の築城術による素晴らしい石垣を見ることができるのです。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第295回：須知城（織豊系城郭の特徴を残す石垣の城）