美濃 串原大平城  遠山七家、串原遠山氏の拠点の詳細

美濃 串原大平城  遠山七家、串原遠山氏の拠点
久太郎の戦国城めぐり
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記事タイトル 美濃 串原大平城  遠山七家、串原遠山氏の拠点
概要

美濃 大平城 (岐阜県恵那市串原大平・城山)いよいよ山城シーズンの到来がやってきました。ややフライング気味感は否めませんが・・。8月といえど平野部と違って山間部ははや秋模様。夏の山城の大敵と言えば、ヘビ、ハチ、クモの巣、等ですが今年の夏は最大の敵である、蚊が少ない、のが特徴です。…… more なんでも気温35℃の酷暑日が続くと繁殖力が鈍るみたいですね。ならば頃合いよし!、ということで、いざ出発です。久しぶりに美濃の山城に戻ってきました。今回、スタートダッシュを飾るは旧串原村の大平城です。夏休み中の串原小学校の丘から望む串原大平城の城山。今回は城山の東側から登るルートで登城です。(今回で3度目の登城に)城は指定史跡もなく、これといった登山道もありません。広い路肩に車を停めての登城です。自分はご近所の方に一言お断りをいただき、置かせていただきました。消えかかった峠道の目印がこの祠。ま、ここから直登しても良いのですが・・。写真のルートで東側の堀切(峠堀?)からの見学です。東端を仕切る堀切は、或いは峠道による掘割かもしれません。しかしながら堀切の内側(城内側)には土塁がみられるのでかつての堀切が峠道に利用された、と解釈するほうが自然です。ここから西に向かって登っていきます。主郭部最高所の南には迫力の巨石が斜面を覆います。自然石が織りなす天然の石垣も壮観。こういった巨石を城郭に利用する、という一面は遠山氏はお好きだったのでしょうか?苗木城や岩村城もそうですし、遠山氏萌芽期の広恵寺城なんかも同様ですね。麓側から仰ぎ見れば難攻不落の城にも見えてしまいそうです。主郭部の一段下には通称:「千畳敷」と呼ばれる曲輪が延びています。千畳敷から北に堀切を隔てて「雪隠屋敷(せっちんやしき)」を見下ろします。千畳敷の南直下には堀切が用意されています。主郭部中央の南に落とされた竪堀。最頂部に立てられている石碑。この石碑は直接、城郭に関わるものではないらしいです。地元の方との聞き取りでは大正時代の山の持ち主と宗教絡みのものだそうで。「串原大平城跡」の石碑、なんてのがあればなぁ・・。傍らには月待供養塔もりました。千畳敷から見上げる最頂部。遠山氏は、本家の岩村遠山氏から各荘地に分散し、居城ごとに分かれて土着します。「遠山三家(三頭とも)」が岩村、苗木、明知と呼ばれているのが知られています。そして「遠山七家」というと、岩村、苗木、明知、飯羽間、串原、阿寺、阿木を指すようです。↑諸書によってまちまちですが、凡そはこのように呼ばれるようになりました。このうち、串原城に拠ったのが串原遠山氏です。 (※串原城とは大平城を指すのか、同地内の柿畑城を指すのかは不明)戦国期の串原城主と思われる人物として遠山右馬助景男と与五郎経景が伝わります。(※右馬助の諱の「景男」については諸説あり、今回は串原村誌を参照しました)元亀3年(1572)12月には、遠山右馬助景男らは武田氏の侵攻に対抗し、上村で合戦。明知遠山氏の景行らと共に上村口で武田家重臣の秋山虎繁らと戦って討ち死にしました。(あの名将と渡り合ったのですね~)遠山与五郎経景は明知城主・遠山利景の客分となり各地で戦功を重ねます。関ケ原の戦いの折には明知城奪還に活躍、旗本・明知遠山氏の再興に貢献しました。主郭部北側の切岸はほぼ垂直!這い上がれません!城域の西を仕切る幅約9メートル大堀切。雪隠屋敷とを隔てる急峻な大堀切。このあたりの遺構はいかに自然地形に頼った城郭といえどもしっかりと作り込まれているように感じます。大平城の見所、そして串原遠山氏の城郭理念?を感じます。以上、ざっと串原大平城を見てみました。大平城は遠山氏時代の生粋の城郭の姿を残し、その点広恵寺城と共に貴重な存在です。各城との共通点も多く、遠山氏城郭の特長やルーツが伝わってきました。遠山氏城郭の鍵を握る大平城、完存遺構に感謝です!下に図面を掲載いたします。あと、こんなところにも寄ってきました。城山の滝 (大平城の下の谷)大平城の尾根より西、直下の谷の名瀑です。ちょっと寄ってみましょう。落差こそないものの、周囲の景観も相成って素晴しい!ちょとした路肩スペースに駐車して、道路脇から手軽に行けます。(3分くらい・・)ちょっと、隠れ家的な滝ですが、大平城を見学した後に行けばその魅力も倍増です!それにしても、・・す、・・涼しい゚。*(*´∀`*)*。゚マイナスイオンっていうんですか?夏は滝と城もいいですな~。Ⓢは車両路肩駐車地点。Ⓖは大平城主郭部。☑には城山の滝の位置を示しておきます。 close

美濃 串原大平城  遠山七家、串原遠山氏の拠点
サイト名 久太郎の戦国城めぐり
タグ 恵那市の城めぐり
投稿日時 2018-08-30 01:40:05

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