第293回:福知山城(明智光秀による丹波の主力城郭)の詳細

第293回:福知山城(明智光秀による丹波の主力城郭)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第293回:福知山城(明智光秀による丹波の主力城郭)
概要

訪問日:2018年6月福知山城は京都府福知山市にあった城です。市史跡に指定され,続日本100名城にも選ばれています。最盛期には福知山城公園として整備された本丸部分のみならず,現在は都市化により消滅していますが町全体に堀が巡らされた惣構えであったことが分かっています。丘陵の突端の築…… more かれ,天然の川を利用した縄張りは明智光秀によるものとして知られますが,元々この場所にあった塩見(横山)頼勝が築城した中世城郭である横山城がありました。1578年より織田信長軍の丹波方面司令官として明智光秀が丹波攻略を開始。反信長勢力の盟主格であった八上城の波多野秀治が攻略された後,横山城も攻められ城主であった塩見信房は自刃。1579年頃から光秀は横山城を大改修し福智山城と改名しました。藤木権兵衛や明智秀満を城代として置き,丹波支配の重要拠点となりました。1582年 本能寺の変,その後の明智氏の滅亡により,羽柴秀勝,杉原家次,小野木重次と豊臣政権下の武将が城主となりました。1600年の関ヶ原の戦いの戦功で有馬豊氏が封じられると,1620までの在任期間の間に現在に至る近世城郭が完成したとされます。豊氏が久留米城に移ると,岡部長盛,稲葉紀通,松平忠房と城主は変わりますが,1669年 朽木稙昌が入り安定,朽木氏が明治維新まで支配することとなりました。  ●東側の駐車場付近から見た福知山城。丘陵に築かれた福知山城の主要部分は平山城であることがわかります。●福知山城公園として整備されているため,城のそばに駐車場完備。  ●少しアングルを変えて堀跡に当たる法川越しに。●この昇竜橋を渡って中心部に向かいます。  ●城の東側には河川を利用した巨大な堀があったそうです。現在の法川はその名残。●橋を渡ると,隅櫓を模した佐藤太清記念美術館。主に福知山市出身の日本画家である佐藤太清の作品を見ることが出来ます。  ●この道を登っていくと天守に到達します。●1986年(昭和61年)に再建された大天守。望楼型の天守は町のシンボルです。  ●天守台の石垣は無骨な野面積みです。●そしてこの城の最大の特徴の一つでもある転用石の多さ。転用石とは宝篋印塔,五輪塔といった寺社等にある墓石や石仏の類から石臼,灯篭までをそのまま石垣として使用しているもので,信長系の城郭では良く見られます。神仏恐れない合理性,旧勢力で反抗勢力である寺社は徹底的に弾圧されたことが想像できます。  ●大天守からは続櫓が小天守まで繋がる連立式なのですが,近くから写真に収めるのは中々難しい。●これは天守再建に伴い現在の場所に移築された銅門番所(あかがねもんばんしょ)。唯一の現存建築物で,二の丸の正門に会った番所です。  ●銅門番所の横には再建時の発掘で出土した転用石が展示されていました。●福知山市と大江町の合併を記念して造られた天守復元鯱瓦です。原寸大で高さ150cm 基部たて80cm よこ 45cmとあります。  ●本丸に残る井戸。豊岩井(とよいわのい)と呼ばれ,朽木氏初代福知山城主の朽木稙昌の父 朽木植綱の「神号豊磐植綱彦命」にちなんだそうです。この井戸の特徴は深さが50mもあり城郭の本丸井戸では最深だとか。●この鉄砲石と呼ばれる石碑は鉄砲の名手であった牧重郎左衛門を記念して城主の松平忠房が建物です。  ●郷土資料館となっている天守からの眺望です。●この本丸下の石垣は結構高さもありますね。ここからは,都市化によって埋没した二の丸,三の丸,惣構えといった遺構を探索してみましょう。あんまり宣伝されていませんが,ブラブラ歩いているとこのような案内板が所々に設置されています。  ●まずは三の丸にあたる伯耆丸。市役所の裏の小山ですが,二の丸に続く丘陵を切通して独立させています。一応伯耆丸公園ということになっていますが,ただの広場です。●伯耆丸から本丸の眺めは連立式の天守が良く見えます。  ●二の丸の遺構はわかりにくく,本丸と伯耆丸の間の住宅地をよく観察すると石垣が残っています。●この通り二の丸も無骨な野面積みであったようです。  ●町の所々に設置されている案内板によりますと,この辺りは城域の南側で御泉水跡(ごせんすい)と呼ばれる庭園があったそうです。当時は土塁や堀が巡らされ城郭地区と屋敷地区を仕切っていたとか。●京都北都信用金庫 岡ノ町支店の南東裏側にある水路は惣構えの堀の名残のようです、  ●この窪んだ道路もそのまま堀の名残。●惣構えの南側に設けられた清水口門跡。石垣は当時のものか?流石に違うか。  ●ここからは場外にある城郭遺構です。城の北側にある寺町には多くの城門が移築されています。まずは,明覚寺山門(みょうかくじさんもん)。無骨な高麗門です。●次に正眼寺山門(しょうげんじさんもん)。この門は本丸に会った銅門番所とともに二の丸の入口を守る門であったと言われています。  ●法鷺寺山門(ほうじゅじさんもん)も高麗門ですが,他と比べると高さがあるようです。この寺は朽木氏の帰依を受けて栄えたそうです。●郊外にある照仙寺山門(しょうせんじ)も城門の移築と伝わりますが,裏付けはありません。長屋門様式であることから,権力者の屋敷の門であった可能性も指摘されています。昔は裏切り者のイメージ一本やりでしたが,最近では様々な確度からの考察もあり,文武に優れ,民政家としても一流であった光秀を見直す評価も多いのではないかと思います。福知山も光秀は丹波支配のために丹精込めて作り上げた町なのです。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第293回:福知山城(明智光秀による丹波の主力城郭)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 京都府の城郭
投稿日時 2018-08-18 15:40:01

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