第286回:新府城(武田氏滅亡前夜の拠点城郭)の詳細

第286回:新府城(武田氏滅亡前夜の拠点城郭)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第286回:新府城(武田氏滅亡前夜の拠点城郭)
概要

訪問日:2016年8月新府城は山梨県韮山市にあったお城です。武田勝頼が滅亡前 最後に拠点とした城として知られ,国史跡に指定され,続日本100名城に選定されています。長篠の戦いでの敗戦後,北条氏とも同盟関係を解消することになった軍事的緊張が高まる最中の1581年 武田勝頼は躑躅ヶ…… more 崎館からの本拠地移転を決断します。真田昌幸らにより1月から9月の突貫工事で一応の完成を見た新府城に勝頼が移ったのは12月。1582年3月 甲州征伐を開始した織田軍が勝頼の弟である仁科盛信が守る高遠城を落城させると,勝頼は小山田信茂の勧めに従い岩殿城へ落ち延びますが,通説では小山田氏の裏切りにあい岩殿城には入ることが出来ず天目山に追詰められ武田氏滅亡となりました。直後に起こった本能寺の変で織田信長が横死すると,天正壬午の乱で甲斐は徳川氏と北条氏による争奪の場となり,この時に新府城に徳川家康が在陣したとされます。この後,徳川氏が支配することとなった甲斐の国府は再び甲府に戻されたことにより新府城の短い実働期間が終わりました。  【左】北から新府城。この山全体に縄張りが張り巡らされています。【右】城の東にある首洗池。手前の土盛りは人工的な土塁のようです。今回は矢印の様に駐車場から首洗池の横を通って神社の参道登リ口に向かい,そこを登らず城上部に続く車道に入ります。  【左】県道17号線の向こうには藤武神社の参道入口ですが,ここは登りません。【右】左手に城を巻きながら登っていく車道がありますのでこちらを進みます。  【左】暫く進むと右手に東三の丸の案内。しかし草ボーボーです。この辺りから車道を外れ南に向かうと大手口方面です。【右】あまり整備状態が良くありませんでしたが,何とか大手枡形虎口に到達。虎口の外側には丸馬出が備えられいかにも武田流の縄張りです、  【左】虎口,丸馬出の先には三日月堀。草でわかりにくいですが肉眼でははっきりとわかります。【右】車道に戻り三の丸を巻きながら登ります。こちらは西三の丸。やはり草ボーボー。  【左】三の丸は東西に分けられているのですが,草が生い茂り入れる状態ではありませんでした。矢印が東三の丸と西三の丸を分ける土塁だと思います。【右】道が屈曲するあたりが二の丸の先に設けられた馬出です。これも草木で分かりにくくなっていますが,続日本100名城に選ばれた後は整備が進んでいるかもしれませんね。  【左】二の丸の虎口です。土塁が開口しています。【右】二の丸の様子。土塁(左側)で囲まれていることが分かりますが,雨上がりで草が生い茂っているため随分と足元が濡れました。  【左】本丸の導入は蔀の構(しとみのかまえ)と呼ばれる長方形の部分。現在は道が付いておいますが本丸への見通しを遮る工夫であると同時に侵入してきた敵を攻撃することから変則の枡形空間とも考えられるようです。【右】蔀の構の案内が本丸の上にあったのですが,これは少し違うのではないかと思います。  【左】本丸の様子。かなりの面積を有する曲輪です。【右】本丸にある藤武神社。新府城の落城の時に焼失したものを徳川家康が再建しました。  【左】本丸にある石祠・武田勝頼公霊社。武田氏滅亡後に地元民が勝頼を偲んで建てたものです。周りには長篠の戦いで戦死した武将の名前が書かれた数本の標柱が寄り添います。  【左】本丸からの眺望です。【右】二の丸から搦手方面へ下るとある巨大な井戸跡。  【左】搦手付近の空堀。【右】搦手二之門跡。この先が枡形空間となっています。  【左】乾門と呼ばれる搦手虎口の枡形空間です。【右】城の北側には出構で区切られた西堀,中堀,東堀が存在しました。これは現在も水堀となっている西堀。  【左】新府城の最大の特徴は東西二つの出構と呼ばれる施設です。一般的に鉄砲などで応射するための施設であったり,横矢を掛けるための施設と考えられていようですが,こちらは西出構。【右】こちらが県道に近い方の東出構。堀跡も見やすく復元されています。まさに勝頼の夢の跡。武田氏による城郭の一つの到達点でしょう,この城がろくに機能せず武田氏が滅亡したしまうという儚さ。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第286回:新府城(武田氏滅亡前夜の拠点城郭)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 山梨県の城郭
投稿日時 2018-05-12 15:00:01

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