訪問日：2016年8月勝山城は山梨県甲府市にあったお城です。築城時期は明確ではありませんが，16世紀の初頭の1508年 に武田の一族である油川信恵（あぶらかわのぶよし）の城として史料に登場し，信恵は武田氏の内部抗争の中で滅亡したと伝わります。1515年から上野城の大井信達（おおい…… more のぶさと）と武田信虎は交戦状態となりこの抗争に介入した今川氏により占拠されています。1521年には駿河 今川氏の将である福島正成（くしままさしげ）が甲斐国に乱入，武田信虎により撃退された駿河勢が陣取っています。1582年 武田氏が滅亡した天正壬午の乱では徳川家康の配下である服部半蔵が入城したとの記録があります。  【左】勝山城は笛吹川の南にある独立丘に築かれました。西側には中道往還が通る交通の要衝でもありました。【右】この低い丘の一部は果樹園や畑地となっているものの，大部分は藪と化した荒地です。  【左】輪郭式に近い縄張りで北から東に巻く帯曲輪の外側(写真右)には土塁が残存しています。【右】曲輪の一部はこのように畑地となっていています。  【左】石碑の前後の道が屈曲しており虎口の存在が疑われる場所です。【右】丁度，石碑の右側はやや窪んでいる様子がわかります。堀あり道が土橋であった可能性もあります。  【左】石碑の手前で左側の畑地に上るとそれとわかる堀跡が残っています。右手の窪みと一連の堀であったのでしょう。【右】石碑に戻ります。「沼田めぐり攻めるにかたし勝山城」とあります。丘の周囲は低湿地帯であり，それを防御に生かした城であったことを示しています 【左】石碑からもう少し上ると最高点ですが，写真のような空間が広がっているだけでした。【右】城の下に降りてきました。写真は城の南側で，低湿地帯を堀のような防御機構として利用したと考えられる場所です。一段低くなっており地形より当時の姿を想像することが出来ます。武田氏にまつわる戦闘で幾度となく登場する勝山城ですが，城跡としての整備は全くされていません。それと見てわかる独立丘と低湿地帯の姿とわずかに確認できる遺構に想像を膨らませるのが良いのではないでしょうか。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第285回：[甲斐]勝山城（武田氏の甲斐統一や滅亡後の動乱で登場する城）