中世の山城のような古墳 芝丸山古墳の詳細

中世の山城のような古墳 芝丸山古墳
つわものどもが夢の跡
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記事タイトル 中世の山城のような古墳 芝丸山古墳
概要

港区に古墳があることをご存じでしょうか?場所は芝公園の一画。東京タワーの足元といってよい場所です。こんな場所に「前方後円墳」が残されています。驚きですね。訪れてみれば、まるで中世の城跡のような雰囲気。でも都の指定史跡になっている正真正銘の古墳です。<芝丸山古墳>しばまるやまこふん…… more 古墳の長さは百メートル強(案内板参考)。諸説ありますが、5世紀中頃のものではないかと考えられています。<古墳の上から撮影>まるで中世初期の山城のよう。でも古墳だそうです。城跡に見える理由は、斜面を存分に残しながら、要所要所に平らな区画があるせいでしょう。手前も平な区画。斜面を下るとまた平らな区画となっています。まるで城の曲輪(くるわ)のようです。頂上付近が本丸、その位置から見渡せるところに二の丸。ここは「一時期山城として使われていました」と専門の方に言われたら、簡単に信じてしまいそうです。<通路>虎口といわれれば信じてしまいそうです。<斜面>自然の山といわれれば信じてしまいそうです。<高低差>男っぽいというか、やや殺伐としたようなパワーを感じるのは私だけでしょうか。構造だけでなく、この雰囲気がなおさら城跡を連想させます。<登山道>右上から城兵の矢が飛んできそうな登山道。侵入者を迂回させるためと言われれば信じてしまいそうです。<稲荷神社>城跡に神社があるケースは多いですが・・・これは古墳の中腹あたりですかね。前方後円墳のくびれ部にあたる場所です。円山随身稲荷大明神。江戸時代初期に建立されました。とにかく城っぽいですね。もともとあった山に、人が手を加えて城として利用した。でも古墳だというのだから、古墳なんでしょう。その古墳、冒頭で『前方後円墳!』と華々しく説明しておきながらなんですが、後円の部分は後の時代に崩され、原型は失われているそうです。こんな土の塊からそんなことが分かるなんて、やっぱりその道の方々は凄いですね。どうこをどう調べたのでしょう。まぁ素人なんで、そのまま信じます。<石碑付近>この石碑の後ろ側が前方、右側へ向かって後円だそうです。<伊能忠敬測地遺功表>本丸跡・・・ではなく、削られた後円の頂上。奥のモニュメントは伊能忠敬測地遺功表。日本を歩きまわって正確な日本地図を作り上げた偉人ですね。この山に登って測定でもしたのかな?と思いきや、ちょっと違うようです。まったく無縁というわけではなく、ここ芝が、伊能忠敬の測量の基点地であったそうです。<大野伴睦の碑>台地端に位置しているので見晴らしもいい。右手の一段高くなったところ。城跡好きがこれを見たら、本丸の隅の物見台跡を想像するのではないでしょうか。その上に、勇ましい虎の石碑が見えます。タイガーマスクのオープニングを思い出しました(かなり古い)が、虎の穴とはまったく関係ありません。政治家・大野伴睦(ともちか)の碑だそうです。さて城かどうかはともかく、よく古墳だと気づきますね。素人にはただの山にしか見えませんが・・・初めて調査が入ったのは明治25年だそうです。江戸生まれで、明治時代の著名な自然人類学者となる坪井正五郎が、山の高さに不自然さを感じたことがきっかけだそうです。平地ならともかく、芝公園そのものが高台で地形も複雑なのに、よくピンときましたね。不自然さを感じる。これをきっかけに調べてみる。これって、中世の土の城を巡っている城マニアにも共通していますね。地表の凹凸に不自然さを感じる。尾根が不自然に窪んでいる。これは城の遺構が発するサインに気付くことですよね。考古学会の草分け的な学者と、趣味で城を探索している自分たちを比較するつもりはありませんが、「スルーできない不自然さを確かめる」という意味で、ちょっと似ているような気がします。すくなくとも、不自然さから調査を始めたという坪井正五郎に敬意はもちろん、親近感を感じずにはいられません。ということで、城跡好きが出会った古墳のお話でした。最後までお読み頂き、ありがとうございます。このあと近くの芝東照宮にも寄ってみました。歴史好きの人は、あわせて訪問されることをお勧めします。■芝丸山古墳築造時期:5世紀後半[東京都港区芝公園]4-8 お城巡りランキング close

中世の山城のような古墳 芝丸山古墳
サイト名 つわものどもが夢の跡
タグ てくてく日記
投稿日時 2018-04-16 04:20:01

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