第279回:本栖城(中道往還を押さえる境目の城)の詳細

第279回:本栖城(中道往還を押さえる境目の城)
こにるのお城訪問記
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記事タイトル 第279回:本栖城(中道往還を押さえる境目の城)
概要

訪問日:2016年8月本栖城(もとすじょう)は山梨県南都留郡富士河口湖町にあったお城です。富士五湖の一つ本栖湖のそばの城山に築かれた山城です。正確な築城時期は不明ですが16世紀前半 天文年間には武田氏の城として存在し,源吉春という人物の記録が残っています。中道往還を押さえる境目の…… more 城,つまり国境警備の城として機能したと考えられます。このためか山麓には街道を守備したとされる石塁遺構が多く残されています。1582年 武田氏の滅亡により徳川家康に仕えることとなった渡辺因獄佑(わたなべひとやのすけ)は武田氏遺領をめぐる戦いである天正壬午の乱の際,中道往還を甲斐に向かう家康の道先案内を勤めた後,この本栖城の警護を命じられたとされ,その後の北条氏による侵攻も撃退しています。  【左】まずは山麓の中道往還を守ったとされる石塁を見てから城山に上ることにしました。国道139号線(富士パノラマライン)から旧 上九一色中学校(廃校)への分岐が目印です。【右】石塁への入口。案内板の通り国道を挟んで南東側にも北西側にも石塁が残ります。まずは南東(右)の石塁を見ていきます。  【左】これが国道の南東に展開される石塁。【右】北東側への石塁へは旧 上九一色中学校の入口前からアクセスし城山入口まで抜けることが出来ます。  【左】こちらにも長大な石塁が残ります。【右】円形や枡形に組まれた石塁もあります。  【左】ここが城山の入口。国道のそばですがこの横には車を止めるところがありません。【右】登り始めで一気に高度を上げます。下に赤い車が見えますでしょうか?入口の少し北側の路肩に何とか車を止めるスペースがありますが,その他の場所は快走路のため駐車は危険。旧 上九一色中学校のところも今はほとんど車が通らないので止めれるかも。  【左】一気に高度を上げ尾根の東側に取りついた後は写真のような細尾根が続きます。【右】お出迎え。  【左】最初の見どころの堀切。【右】何故か竪堀と説明されているのですが明らかに堀切です。  【左】ここから尾根は次々に都合4本の堀切で断ち切られています。もちろん当時は現在のように登山道があるわけで無かったでしょうから,攻城側はいちいちこれらを越えなければいけないわけです。【右】短い区間に堀切が連続することから見所の一つとなっています。  【左】一番中心部に近い堀切は自然の岩盤を利用した迫力のあるものです。【右】この堀切からは続く竪堀が明確に確認することができます。  【左】最後の堀切付近には溶岩を使用した石積みを確認することが出来ます。【右】同じくこれも。  【左】堀切を上から見ています。高さも角度も十分。右から侵入し左抜けたあと手前に屈曲しこの位置に上ります。【右】堀切地帯を過ぎると現れる曲輪。  【左】主郭下の曲輪から主郭の側面を観察するとやはり溶岩の石積みを確認することが出来ます。【右】独特の黒っぽさが溶岩であることを示しています。  【左】最高地点の主郭の様子です。【右】主郭より西側の曲輪に下りて主郭の強力な切岸を見ています。  【左】主郭の西側にある曲にはのろし台と呼ばれる土壇があります。【右】のろし台にも石積みが散乱しています。西側を守る防御施設であったと思われます。  【左】のろし台より西側は谷のように断ち切られています。行けそうにありませんが。。。【右】のろし台の南側から回り込むと下りることが出来ました。これは立派な堀切。この先の尾根にもまだ堀切があるようですが,城域の主要部はここまでのようです。  【左】戻ってきて,主郭の北側に展開する曲輪です。【右】ここからも主郭の側面に石積みを確認することが出来ます。  【左】城の北側に向かう中道往還を歩いてみましょう。【右】ここには信玄築石と呼ばれる石塁が残っています。  【左】案内もされていますが,本栖城の石積みと工法も類似していることから武田軍が重要な軍事道路を監視するために築いたものあると考えられるようです。【右】枡形虎口のような構造はまさに城郭における防御機構と発想が同じと言えるでしょうね。重要な街道を押さえ戦に備えた典型的な戦国時代の山城と言えるでしょう。富士五湖観光のついでに如何でしょう?誰にも会いませんでしたが。大きな地図で表示 お城巡り ブログランキングへ にほんブログ村FC2 Blog Ranking close

第279回:本栖城(中道往還を押さえる境目の城)
サイト名 こにるのお城訪問記
タグ 山梨県の城郭
投稿日時 2018-02-27 20:20:01

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